【インタビュー】Den Sorte Skole「物事の境界を超えたいときは万人から評価を受けなくたっていいと思っている」

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デンマーク出身の二人組、Den Sorte Skole(以下、DSS)がTDME(Tokyo Dance Music Event)に合わせて来日、CIRCUS TOKYOにてパフォーマンスを行った。ターンテーブルやサンプラーを駆使し、さまざまなジャンルの音楽を、世の中に知られていないレコードから切り出してオリジナルのサンプリングとミックスするスタイルで観客を圧倒した。この度初来日となったDSS=Martin HøjlandとSimon Dokkedalに話を聞いた。

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take 3.1 from Mixmag Japan on Vimeo.



■5万サンプルくらいの
■デジタルアーカイヴを持っている

──お二人はTDME (Tokyo Dance Music Event)で日本のエレクトリックミュージックのファンに素晴らしい音楽を披露されたわけですが、初めての日本を楽しんでらっしゃいますか? 滞在中どこに行かれましたか?

Martin 僕たちの大好きな国がまた1つ加わったと思っています。本当に本当にここが好きだし滞在中できる限り行けるところに行こうと思っています。日本の人々はびっくりするくらいフレンドリーだしいろいろ助けてくれます。下北沢にステイしていたのですが、雰囲気のいい街で食事がすごくすごく美味しくてね。そしてもうひとつの旅のハイライトは箱根の旅館に泊まりに行ったことだな。星空の下で露天風呂に入ったんだ。で、次の日の朝はケーブルカーに乗って山頂から朝日に照らされた富士山を眺めたんだ。そしてTDMEのショーでは満員の会場で初めて来た国で熱心な音楽ファンの前でショーをすることができて大変光栄なことでした。絶対にまたすぐに日本に戻ってくるよ。



──今回の来日はデンマーク皇室の前でパフォーマンスするというなんともクレイジーな機会の直後だったと伺っていますが、どんな感じだったかそしてデンマーク国民としてどういう意味がある出来事だったのか教えていただけますか?

Simon いやーそれは現実を超越した出来事だったよ。デンマークで一番名誉のある文化勲章をフレデリック王子とメアリー王女から授与されたんだ。この賞がミュージシャンの手に渡ったのは9年ぶりだしね。土曜日のゴールデンタイムの国営放送で放送されたし、スピーチと演奏もしないといけなかったしね。まだ受賞の実感は湧いていないけれど、とっても名誉に思っているよ。

──DDSはプログレッシブロックからホラームービーのサントラなどの地球上のありとあらゆる音源、コンテンポラリーアーティストの音源などを上手くダークなヒップホップ、テクノ、ブレイクビーツにサンプリングすることで有名ですが一体どうやってあんなに多様性がある美しい音源を探してくるのですか?

Martin もう15年くらいの間、1940年代から近年にわたるまでのヴァイナルを世界中で買い続けているんだ。で、5万サンプルくらいのデジタルアーカイヴを持っているよ。さまざまなニッチなものやジャンルをリサーチしてEbayやDiscogから買うんだ。そしてサンプルを作る。すごい時間のかかる作業だしギークなことだよね。でもすごく得ることも多いんだ。まるで宝探しだよね。

──お二人はヨーロッパ中の大型フェスで出演し、5万人の前でヘッドライナーとして公演してクラフトワーク以来の素晴らしいパフォーマンスと評価を得ていますが、東京渋谷のCircusでの公演はいかがでしたか?

Simon 僕たちは大きなコンサートでプレイするのも好きだけど、小箱でやるのも大好きなんだ。どちらも良い点があるからね。もちろんオーディエンスの反響とその日の僕たちのプレイ次第だけれども。地下フロアで150人の前でプレイするのはフェスティバルのアリーナで3万人の前でプレイするのと同じくらいインテンスだと思うよ。東京のCircusでプレイするのはとても良い経験だった。実験的なエレクトロニック音楽を好きな日本のオーディエンスは音楽の本当に細かいディティールまで聴いてくれるんだなってことがよく分かったよ。僕らを音楽というコミュ二ケーションツールを通して理解したいという姿勢が伝わって来て、それって本当に素晴らしいことだと思ったし、Circusという会場がまたすごくいい会場でとても良かったと思う。


──東京は今、変化の時期に直面しています。最近は風営法の改正などを経験しているのですが、あなたたちの住んでいるコペンハーゲンのエレクトロニックミュージックシーンはいかがですか?そして一般的なデンマークのナイトシーンどんな感じですか?

Martin あんまり日本と変わらないと思うよ。デンマークにはメインストリームのシーンと実験的音楽シーンがあるけれど、どちらも上手くやっていると思う。もちろん僕は実験的音楽シーンが好きだけれども。最近はSos Gunver Ryberg のような素晴らしいアーティストやいろいろなミュージシャンが生楽器とエレクトロニック楽器を融合させたよりアンビエントでドローンなんかを使ったエレクトロニックアクトをやっているんだ。ラップトップを使う音楽よりもマシーンを作った音楽に移行しているよ。デンマークは600万人しか人口のない小さい国だから実験的音楽を作るだけで生活していくのは難しいのだけれどもALICEやMayhenのようなすごくいいライブ会場もあるし、日本からのアーティストも結構頻繁にデンマークに来ているよ。

◆インタビュー(2)
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