【ライブレポート】OBLIVION DUST、ツアー開幕「ステージに上がっちゃえばこっちのもん」

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結成20周年を迎えたOBLIVION DUSTが全国20ヵ所におよぶ<Zodiac Way tour 2017-18>を開催中だ。その初日公演が12月9日のHEAVEN'S ROCK宇都宮にて行われた。

◆OBLIVION DUST 画像

HEAVEN'S ROCK宇都宮の楽屋でKEN(Vo)がこう語ってくれた。

「本当はここで新曲も披露したかったんだよね。出来てたし。でも全部ボツにしちゃった。悪くないけど、こんなんじゃダメだなって思って」──KEN


昨年リリースされたEP『DIRT』が4年ぶりの新作だったことを考えれば、バンドとしてはハイペースな進行なのだが、あえて完成を見送らせた背景は何だったのか? どうせ聞いてもメンバーは口を割らないであろうし、そもそも完璧主義な彼らが自分たちの楽曲にすんなり満足するタイプではないことはファンに周知の事実だろう。K.A.Z(G)が慎重に言葉を選びながらこう続ける。

「いつでも時間や締切に追われるのは当たり前なんだけど。その中でどれほど優れた作品を如何に残せるか?だと思う」──K.A.Z

アーティストとしては至極当然な発言だ。そのストイックさと妥協の無さはデビュー当時から変わらないが、あえてそう発言した裏に見え隠れする感情は、今後より一層自分や作品へのハードルを高くするという決意のようなものに感じられた。

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ぼんやりと今バンドに吹いてる風向きがわかりかけてきたところで、いよいよツアー本番が始まった。満員の場内は熱気たっぷりで、これから始まるショーの全てを見逃すまいと固唾を呑んで待っている空気の中、悠々と静かにメンバー達がステージに集い出す。


その沈黙を「Death Surf」のシャウトが引き裂いた。カウントも無くいきなり始まるスタイルは、このバンドの静と動の落差を表現するのみならず、その裏にある確かなテクニックと習熟の証明のようなもの。それを事もなげにやってみせるあたりは相変わらずだ。さらに驚かされるのは、ライブハウスでの大音量にも関わらず、歪みやノイズの類いがないこと。これほどまでにクリアでシャープな音像を描くバンドは他にないだろう。「どんな会場でもステージに上がっちゃえばこっちのもんですから」と先のインタビュー時にRIKIJIが言い切ったのも頷けるというものだ。

続けて「Microchipped」「Trust」と新旧織り交ぜつつも意外性を忘れない選曲で、観客をグイグイ引き込んでみせる。「20年やってても、このバンドは飽きたとか、やり切ったとかが全然ない」とKENが言った意味はこういうことだったのではないか。彼らにはいつも自分たちが追い求める理想のバンド像というものがあり、それが仮に一つの到達点に辿り着いたとしても、決してそこで終わりにはならない。だからこそ満足も安心もせずに(それが、バンド内が安住の地にならない理由だとしても)、まだまだやりたいことだらけなのだ。

中盤に「Caprice」「Your Yesterday」といったしっとり聴かせる楽曲を披露したのも束の間、そこからラストまでは怒涛の暴れソングの連打で、まったく息つく暇を与えない。「In Motion」「Under My Skin」「Nightcrawler」とアルバム『DIRT』からの3曲でフロアの息が完全に上がったのを見届けてから、「Never Ending」「Haze」とバンドの楽曲群の中では比較的ハッピーなムードの曲でギブアップ寸前の観客達の息を見事に吹き返させる。そこから「Radio Song」「24 Hour Buzz」と、しつこいくらいに何度もトドメを刺すような90分間であった。


結論を言ってしまえば、OBLIVION DUSTは終始とことんOBLIVION DUSTであった。20周年だからといって特に奇をてらうことをせず、単純に進化してるバンドをそのまま見せるという潔さ。自然体のままで観客の予想をはるかに上回り、少しも抑えたり丸くなったりもしないのだから恐れ入る。

終演後のバックステージで、お疲れ様の挨拶もそこそこに、メンバーが各スタッフと闊達に意見を交換する様子を見て、彼らはプロフェッショナルともこだわりとも違う原動力で動いており、それが周囲のスタッフを巻き込んだ“チーム単位の本気”なのだと感じさせられた。気負いが無い反面、顔色を伺うような謙虚さも無い。そんな不思議な空気感に、最近、内外から“無敗伝説”と彼らのステージが称されるようになった、その理由を改めて思い知った。

しかし、全国ツアー<20th Anniversary OBLIVION DUST“Zodiac Way Tour 2017-18”>は始まったばかりだ。この後、OBLIVION DUSTは2月9日のマイナビBLITZ赤坂公演まで、日本中を駆け回る。このレベルのステージをライブハウスで見られるのは稀有なこと。お見逃しなく。

撮影◎緒車寿一

■<20th Anniversary OBLIVION DUST“Zodiac Way Tour 2017-18”>

▼2017年
12/09(土) HEAVEN'S ROCK宇都宮VJ-2 OPEN 18:00 START 18:30
12/10(日) 横浜Bay Hall OPEN 17:30 START 18:00
12/16(土) HEAVEN'S ROCK熊谷VJ-1 OPEN 17:30 START 18:00
12/17(日) 甲府KAZOO HALL OPEN 17:30 START 18:00
12/20(水) 下北沢GARDEN OPEN 19:00 START 19:30
12/23(土・祝) 長崎Drum Be-7 OPEN 17:30 START 18:00
12/24(日) 福岡Drum Be-1 OPEN 17:30 START 18:00
12/28(木) 高崎club FLEEZE OPEN 18:30 START 19:00
12/29(金) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3 OPEN 18:30 START 19:00
12/30(土) 柏PALOOZA OPEN 17:30 START 18:00
▼2018年
01/06(土) LIVE HOUSE浜松窓枠 OPEN 17:30 START 18:00
01/07(日) 名古屋Electric Lady Land OPEN 17:30 START 18:00
01/08(月・祝) 梅田CLUB QUATTRO OPEN 17:30 START 18:00
01/13(土) 仙台darwin OPEN 17:30 START 18:00
01/14(日) 郡山Hip Shot Japan OPEN 17:30 START 18:00
01/20(土) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE OPEN 17:30 START 18:00
01/21(日) 金沢AZ OPEN 17:00 START 17:30
01/27(土) 岡山CRAZYMAMA KINGDOM OPEN 17:30 START 18:00
01/28(日) 広島CLUB QUATTRO OPEN 17:30 START 18:00
02/09(金) マイナビBLITZ赤坂 (赤坂BLITZ) OPEN 18:45 START 19:30

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