【インタビュー】ONE☆DRAFT、“あなたの歌”に出会える最新作『ENDRUN』

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いつもこれが最後だと思って、10年間を走り続けてきた。アスリートの魂とミュージシャンの意欲、そして人としての生き方を音楽にぶち込んできた3人組、ONE☆DRAFTのデビュー10周年記念作、その名は『ENDRUN』。最新型EDM、ロック、レゲエ、R&B、ヒップホップなど娯楽性たっぷりの音に乗せた、恋愛、友情、夢、応援歌など、心のど真ん中に投げ込む直球のメッセージ。3人は何を信じ、何のために、どこへ向かって歌い続けて来たのか? 10周年からその先へ、新たな決意を語る集大成インタビュー!

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■これがある意味ファースト・アルバム

──素晴らしいアルバムです。絶賛させてください。

MAKKI:良かったです。伸びしろありますか。

RYO:10年目にして(笑)。

──伸びしろありますよ(笑)。今やれることは全部やってくれたアルバムだと思います。手ごたえは?

RYO:フィーチャリング曲とかも、今まで女性の方としかやったことなかったんで。そういうこともあるし、サウンド面も含めて新しいことができたアルバムになったと思いますね。

MAKKI:新しいことにチャレンジしようという話もあって、制作が始まったんです。たとえば「Believe」のようなEDMサウンドは好きなんですけど、今まで触ってこなくて。でもやってみたらONE☆DRAFTの歌になったし、いい意味でこの先に進化していく可能性を感じましたね。

──「Believe」は本当にいい曲。こういうEDMとか、ダンスミュージック系の音はチェックしてるんですか。

MAKKI:そうですね。僕はクラブDJもやってるんで、お客さんに合わせて選曲するために、常にチェックしてます。

──それとONE☆DRAFTは違うという意識があった?

MAKKI:ちょっとありましたね。あっちはダンスミュージックだし、メッセージよりもトータル・サウンドでどうか?じゃないですか。こっちは歌詞とかボーカルとか、歌がどれだけ前に出るか?の熱量が大事だから、同じ音楽の中でも多少ジャンルが違うという考え方ではいますね。

──「Believe」はその二つがうまく融合した曲だと思いますよ。LANCEさん、このアルバムの手ごたえは?

LANCE:手ごたえは毎回、その時その時のアルバムの色が出ていれば、それが手ごたえとして「いいアルバムになりました」と言ってきたんですけど。今回はアルバムのジャケットから、バットをマイクに持ち替えてという、俺たちの原点みたいな感じを前面に出していて。

──まるでファースト・アルバムみたいなビジュアルだなあと思いましたよ。

▲『ENDRUN』

LANCE:うん。これがある意味ファースト・アルバムみたいな感じで、ここから2枚目を作れるきっかけになる曲が出揃ったなという感じがしてます。これを主体として次に何を表現できるんだろう?って、ワクワクさせるような1枚に感じられるんじゃないかという気持ちですね。「Believe」みたいな曲も、恋愛の曲もあるし、夢や目標を歌った曲もあるし、フィーチャリングでガヤガヤやってる曲もあれば、けっこうバラエティに富んでるんですけど。思い返すと、ファースト・アルバムがあまりにシングルを出しまくりすぎたあとのアルバムだったから、新曲がすごく少なかったんですよ。

──それは『ONE FOR ALL』(2008年)のこと?

LANCE:そう。でも今回は10曲とも新曲で、うまくはまったんですけど。ファーストの時に、“新曲少なすぎだろバッシング”を俺はすごく感じていて、出したあとも半年ぐらいずっと言われ続けたんで。その時は何も気にせずに、「この曲は本当にいいから聴いてほしい」という気持ちだったんですよ。だからシングルのカップリングもアルバムに入れてるし、シングルのまとめ盤みたいになったんですけど、結局セカンドの売り上げが下がってしまったという教訓があって、当時のスタッフといろいろ話し合って、これは失敗したと。カップリングもアルバムに入れたいというのは、曲に対する愛情を自分たちと同じくらいファンが持ってくれていればいいけど、ファン以上に自分たちの愛情があったから、手放せてなかったんですよ、曲を。

──ああ。なるほど。

LANCE:だからそれ以降は、たとえシングルのカップリングでもA面のつもりで書くけれども、B面に置くなら「3人でゆるい気持ちで書こうか」とか、そういうふうになってきて。ただ今回のアルバムの10曲新曲というのは、どれをリードに立てる?と思った時に「俺はこれがいい」「こっちが好き」という意見がたくさんあったから、「これじゃなきゃダメだ」というものはなかったし、同じような感じで自分たちも見れてる感じがしますね。

──だいぶ意識が変わってきましたね。

LANCE:人の意見を聞き入れることで用意される世界と、それを断固として断ち切ることで現れてくる未来というのは全然違うし、その違いが3人にとってどうなんだ?というと、やっぱり聞き入れてやったほうが広がるし、いろんな人の意見を吸収した作品になると思うんですね。「いや、俺は絶対こうだ」というふうに細かいところまで自分一人で決めていくと、周りがどうしても……特にデビューしてから最初はいろんな意見を言ってくれてたのに、「おまえの意見はいらない」ということになると、周りが何も言えなくなっちゃうじゃないですか。そうすると俺は「なんでもっと言ってくれないの」ということになるけど、そりゃ言えないわということになってくる。

──確かに。

LANCE:自分でそういう雰囲気を作っちゃってたなということがすごくあって。だから今はいろんな人の意見を、意見があるんだったら聞き入れたいなという思いですよね。

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