【インタビュー】ザ・ラスマス「日本のミュージシャンとコラボもしたいね」

ツイート

5年ぶりのニューアルバム『Dark Matters』をひっさげ、ザ・ラスマスが11年ぶりとなる来日公演を敢行した。

◆ザ・ラスマス画像

欧州では絶大な人気を誇るザ・ラスマスだが、ここ日本でも多くのファンが待ち望んでいた東京公演の翌日、ラウリ・ヨーネン(Vo)、エーロ・ハイノネン(B)、パウリ・ランタサルミ(G)、アキ・ハカラ(Dr)のメンバー全員がインタビューに応じてくれた。


──昨夜のステージは大盛況でしたが、11年ぶりの日本はいかがですか?

ラウリ:とても楽しかった。会場のみんなもエキサイティングだったよ。ライブ前から3日間ホテルに居たんだけど、ホテルにもファンがたくさん来てくれたり、道を歩いていたら「11年前も観たんです」って声をかけてくれるファンもいてね。

エーロ:「初めてラスマスを観たのは13歳だった」なんて言ってくれたファンもいてくれて、嬉しかったよ。

アキ:日本のファンはとても忠実でいてくれるよね。

ラウリ:この前ヨーロッパで行ったライブにも、日本から観に来てくれた人がいたんだ。

──いつもより小さな会場でしたが、日本の規模でのショーはファンとの距離が近くて良かったですか?

ラウリ:うん、昨日はファンの手も触れたし、23年前にバンドを始めた頃の事を思い出したよ。当初は本当に小さい場所でやっていたからね。大きなステージはセキュリティも厳しいし、ステージと客席が5メートルくらい離れてしまう。昨日はみんなの顔もハッキリ見えたし、反応もひとつひとつ良く見えて、僕らにとってもスペシャルな日になった。みんなの幸せな気持ちが全部自分の中に入ってきてパワーをもらえたし、また自分の自信になったよ。

アキ:どんなステージでもお客さんに喜んでもらいたい気持ちは同じだから、バンドメンバーがなるべく近くに寄ってケミストリーやパワーを出してお客さんに伝えたいよね。




──昨夜は「となりのトトロ」をプレイしましたが、好きなんですか?

エーロ:うん、自分たちの為でもあったんだよ。

アキ:サンタクロースみたいな感じで、僕らの友達さ。

エーロ:ジブリ美術館に行きたかったんだけど、予約制でチケットが完売で行けなかった。15年くらい前に映画を観てから好きなんだ。

ラウリ:たぶん1ヶ月くらい前から予約しないとダメみたいだ。宮崎アニメは大好きでDVDで揃えているよ。子供も楽しめるし、大人はもっと深いところに意味もあって色々なレベルで楽しめるところがいいよね。

エーロ:ライブでは必ずご当地の曲をプレイしているんだけど、いつも僕の独壇場で他のメンバーは何をやるのか知らないんだ(笑)。日本だから今回は「となりのトトロ」だったけど、ロシアならロシア語のものにする。日替わりメニューなんだよ。

──今作は5年ぶりのアルバムとなりましたが、前作『Rasmus』の後は活動休止していたんですか?


ラウリ:2012年からの5年間…だよね?当初はそんなに長く空けるつもりもなかったんだけど、メンバーそれぞれ別の事で忙しかったり、家庭の事情もあったりね。エーロはオーストラリアに住んでいるし、僕はL.A.に住んでいるのもある。『Rasmus』に伴うツアーがとても長かったので少し休みたかった。それから2年半くらい前に曲作りを始めて、パウリがL.A.に来て一緒に曲を書いて、最初にできたのが『Dark Matters』に収録されている「Wonderman」なんだ。これをきっかけに曲がどんどんできてニューアルバムに繋がったんだ。

──レコーディングはL.A.で行ったのですか?

ラウリ:スウェーデンだよ。曲作りは色々だね。

アキ:2~3曲はL.A.で作って、ロンドンでもスウェーデンでもフィンランドでも作ったよ。

ラウリ:インスピレーションが湧くところを探して、適した場所でそれぞれ作るんだ。フィンランドだと森と湖のほとりとか、ギリシャでは島の家をレンタルして滞在したり、ね。メンバーが住んでいるところが別々なので、何かするときは集まってキャンプや合宿みたいな感じで共同作業するんだ。

──L.A.やオーストラリアはフィンランドとは全く違う環境ですが、住み心地はいかがですか?

ラウリ:フィンランド人だから、フィンランドがルーツで好きだけど、他の環境も感じたくて海外に行ったんだ。L.A.は思っていた以上に優れたフォトグラファーやディレクターが集まっていて、そういう人たちとも知り合えた。ここにはチャンスがたくさんあると感じたな。逆に、外に出てみて初めてわかる自国の良さも再認識できた。


エーロ:ツアーでフィンランドに戻ってみると、やはり自国の良さを感じるよ。素朴な国で人は静かな環境を好むし、交通渋滞もない。ただ、とにかく寒くて暗い(笑)。オーストラリアは真逆で、気候が温暖だからみんな中にこもるより外に出てアクティブだし、とてもクリエイティブな人も多いからインスピレーションにもなっているかな。

パウリ:そうなのか。行った事ないから今度行ってみるよ。

──ニューアルバム『Dark Matters』は、『Dead Letters』や『Hide from the Sun』の頃を彷彿させますが、意識はされましたか?

ラウリ:アルゼンチンのTV番組でアコースティックで「Silver Night」と「In the Shadows」を続けて弾いたときに、なんか自分でも似てるなと思った(笑)。メロディーと歌詞にも共通性があって、聴いてラスマスだとわかる個性がいいと思う。でも違うのは、プロダクションの面で新しいサウンドを採り入れているところだ。前のラスマスらしさもありつつ、「Wonderman」はロックしていてヘヴィで「Hide from the Sun」に共通する部分もある。その上で「Nothing」や「Empire」にはこれまでにはないヒップホップなんかもある。

──ザ・ラスマスは古代北欧神話の影響も受けていますが、『Dark Matters』でも同じですか?

ラウリ:今回はあまりないかな。自分のプライベートの生活の中で実際に起きた事が題材になっているんだ。例えば「Empire」はパウリと書いた曲だけど、僕ら2人ともこの2年で離婚を経験した。望んだ事ではあったけどとても大変で辛くてね…でも新しい事の始まりだからポジティブな考えもあって、そういう自分の気持ちを書いた曲なんだ。「Paradise」は外国で暮らして自分の居場所を探す気持ち、「Silver Night」もL.A.の大都会で自分は1匹狼みたいな気持ちを書いたものだ。

──今回は、バンドロゴも以前のものに戻したんですね。

ラウリ:音楽的に『Dead Letters』の頃に近いと思ったから、ロゴも戻そうと思った。アルバムの中の写真も雰囲気が近いしね。

エーロ:良いロゴだからね。これはみんなに伝えてね(笑)。

アキ:タイトルも『Dead Letters』と『Dark Matters』って語呂が似てるでしょ?(笑)


──これからの活躍も楽しみですね。

ラウリ:もう2018年のクリスマスまでツアーがびっしり決まっているよ。日本のミュージシャンとコラボもしたいね、なんて話もしているんだ。

アキ:そういえば、前作『Rasmus』アルバム収録の「I'm a Mess」では、ビデオ撮りの為に日本に来たんだよ。東京だけでなくてパウリ以外の3人は京都にも行ったし、京都の森の中で迷子になって5時間くらい練り歩いた思い出がある(笑)。

パウリ:次のニューアルバムももう考えているからね。アイデアも出ているんだ。

アキ:次は5年も待たせたくないね。

エーロ:またビデオ撮りもしたいし、今夜は「Nothing」のビデオを東京の街で撮るつもりなんだ。僕が監督さ(笑)。

全員:今日はありがとう。

取材・文:Sweeet Rock / Aki
ライブ写真:Takumi Nakajima
グループ写真:Yuki Kuroyanagi


<The Rasmus Dark Matters Tour 2017>

2017.11.29 Shibuya O-West
1.Intro / Falling
2.Guilty
3.Keep Your Heart
4.Paradise
5.Nothing
6.Time to Burn
7.Justify
8.Immortal
9.No Fear
10.Chill
11.Funeral Song
12.Silver Night
13.Empire
14.First Day of My Life
15.Livin' in a World Without You
16.In the Shadows
~Encore~
17.My Neighbor Totoro(Cover, となりのトトロ)
18.Wonderman
19.In My Life
20.Sailaway
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス