MONGOL800、20周年幕開けカウントダウンで主催フェス<WWW18>開催発表

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日本列島が寒波に見舞われた年の瀬。さすがに冬を迎えて寒さが増してきたとはいえ、南国沖縄は最高気温20℃。そんな中、結成20周年を迎えるMONGOL800(以下、モンパチ)主催のカウントダウンライブ<MONGOL800 ga COUNTDOWN“Happy 20th Anniversary”>が、沖縄コンベンションセンター展示棟で開催された。


チケットは、早い段階でソールドアウト。その事実からも、年越しを一緒に楽しみたい、という県内外から集った音楽ファンの熱い想いが感じられた。午後7時。アリーナはもちろん、2階席の通路まで立ち見で埋まった会場内が暗転すると、モンパチのイベントではおなじみの3人の出身高校の先輩、パーティーダンサー「粒マスタード安次嶺」が大きなきな歓声を浴びて登場した。「ありがとう〜2017、ようこそ2018!」と叫んで、いきなりアリーナにダイブ。お客さんたちが密集する中で踊るくねくねダンスは今日も快調だった。



その勢いのまま、沖縄ラティーナ「DIAMANTES(ディアマンテス)」のステージへ。軽快なラテンサウンドの「勝利のうた」からカウントダウンライブは始まり、途中ボーカルのアルベルト城間がキヨサクをステージへ呼び込んで、DIAMANTES 20周年の時にキヨサクが作詞をした曲「おめでとうの歌」をコラボ。この日はモンパチ20周年へおめでとうの気持ちを込めて、会場と一緒に合唱して祝福ムードがより一層盛り上がった。



ラテンのリズムで明るく陽気で暖かいDIAMANTESの音楽に、心身ともにあたたまった後で登場したのは、石垣島出身の兄弟と従兄弟による3人バンド「きいやま商店」。彼らの方言を交えた元気ソングと爆笑トーク満載のライブを体験した人は、誰もが笑顔の魔法の虜になる。ステージに登場してキレキレのダンスを披露した後は、持ち前の元気応援ソング「頑張れよ!」や「カーーニバル」、わったー島ソング「僕らの島」を披露。子供からおじぃ、おばぁまで会場中に笑顔が感染した瞬間だった。



続いては、「かりゆし58」。いきなりパンキッシュな「アガリミナギル効果」でスタート。一気に会場に熱を注入した後は、緩いレゲエのリズムにのせて、「2017年最後の夜に、こんばんは!と言い合える相手と今いられるのは、年越しを音楽とともに!と選んでくれたあなたのおかげです」と、前川が感謝を言葉にする。この日演奏された「ナナ」は、その曲を挟むかたちで、彼らが敬愛するアーティスト、ボブ・マーリーの「No Woman No Cry」とモンパチの「小さな恋のうた」が前後に歌われ、この日だけのスペシャルヴァージョン。さらに、苦労をかけた母親のことを歌った代表曲「アンマー」、「まっとーばー」を披露して、大きな歓声を浴びていた。



そして、三線の音とエイサー太鼓のSEに導かれるように登場したのは、「HY」。「会場のみなさん、ハイサーイ! 2017年最後の日をここに選んで、大正解ですよ!」という新里の呼びかけに、歓声が湧き起こる。「隆福丸」から勢いよくライブに突入。仲宗根の奏でるキーボードのイントロが聴こえた瞬間に場内からは大きな歓声で「AM11:00」。「ここでしかやれないコラボをしたいと思って」と仲宗根がアルベルト城間(DIAMANTES)と、前川(かりゆし58)をステージに呼び込み、「366日」を演奏。さらに、モンパチの曲「神様」をHYバージョンで披露し今日の参加メンバー全員をステージに呼んで、一緒に盛り上がる心にくい演出も。最後は代表曲「ホワイトビーチ」で会場がひとつになり、まさに一夜限りのスペシャルなステージとなった。



続いては、本日の最年長のシージャー(先輩)「BEGIN」の登場。「楽しい年越しでございます。これからノンストップで“マルシャ ショーラ”いってみたいと思います」と言う栄昇のひとことからBEGINのライブがスタートした。“マルシャ ショーラ”とは、イチ、二、イチ、二…と歩くようにリズムを刻むブラジルのカーニバルマーチ「マルシャ」と、BEGINの故郷・八重山の方言で、“〜しようよ”を意味する「ショーラ」を合体させたBEGINによる家族一緒に楽しめる参加型の音楽スタイルのこと。きいやま商店のマストもギターで参加し、BEGINのマルシャのオリジナル曲「バルーン」から始まり、「ラ・バンバ」、「銀河鉄道999」「勝手にシンドバッド」など次々と洋邦楽の懐かしいヒットナンバーがメドレーで歌われていく。さらにBEGINのオリジナル曲も、マルシャのリズムで披露。「オジー自慢のオリオンビール」「国道508号線」「笑顔のまんま」、またこの夜初めてライブで歌うという新曲「ソウセイ」では、ラッパーRITTOと琉球國祭り太鼓、沖縄古典芸能・沖縄芝居の髙宮城実人が口説で参加。スペシャルなコラボが実現した。



いよいよ年越しまで、残すところあと20分となった時、「Enjoy yourself」のSEに導かれるようにMONGOL800がステージに登場すると、大歓声が湧き起こった。「カウントダウン・オキナワ、遊びましょー」とキヨサクが告げた瞬間、「あなたに」のイントロが始まった。タカシの激しいギターのカッティングと、サッシのドラムが重厚でタイトなリズムを叩き出すと、会場の誰もが、リズムに任せて身体も心も前のめりになる。続く曲は、「himeyuri〜ひめゆりの詩〜」。悲しい記憶を忘れずに、平和な時こそ語り継ぐことの大切さをメッセージするこの曲を聴きながら、危うさが増す今の時代に、改めて過去を教訓として、平和の尊さを考えることが大事だと思った。

「楽しんでますか? 元気な声を聞かせてもらってもいいですか!?」“Say Oh Yeah!”を会場の人たちとコール&レスポンス。徐々に声が高まってきた時、「OKINAWA CALLING」のイントロが始まった。この曲といえば、欠かせない存在がいる。沖縄ファミマのCMでも共演していた、ツブさんこと、粒マスタード安次嶺だ。あの唯一無二のくねくねダンスで、会場を盛り上げると、会場に向かって、こうカウントする。「ナナヒャクキュウジュウハチ、ナナヒャクキュウジュウキュウ…モンゴル……」と言った後、会場全体の「ハッピャク!!」で、曲を締めた。そして間髪入れずに、「小さな恋のうた」へ。曲が始まった瞬間から、会場から歌声が湧きたつ。この会場の一体感に鳥肌が立った。


そしていよいよ、その瞬間がやってきた。キヨサクが先導してカウントダウンが始まる。会場全体からも大きな声がカウントを刻む。「10、9、8、7……サン、二、イチ!! Happy New Year!!」「2018年の一発目、みなさんの大きな声で、小さな恋のうたの続き、もらってもいよろしいでしょうか!?」会場から大きな歌声が湧いてくる。次の瞬間、銀テープが会場に放たれると、続いて軽快なロックンロール曲「PARTY」がスタート。キヨサクの「あけおめ!」の言葉を機に、会場はパーティーモードになった。「せっかくだから、モンパチのステージでもセッションしたいと思います。スーパーシージャーを呼びましょうね!」と言って、BEGINをステージに呼び込む。そんなBEGINを前にして、「モンパチ結成20周年なんだなと、ようやく実感しています」と、しみじみ話すキヨサクの言葉を受けて、栄昇は、「今まで民謡の方たちとかも含めてやったことはあるけど、こうやって沖縄のアーティストでカウントダウンができるとは…」と感慨深げだった。


そして、今日出演した全アーティストと一緒に「島人ぬ宝」が歌われる。栄昇からキヨサクへ、キヨサクからDIAMANTESアルベルトへ、アルベルトからHY新里へ、新里からきいやま商店へ、きいやま商店からかりゆし58へと、歌声が繋がる。先輩も後輩もなく、ウチナーンチュ同士が音楽を通して繋がっていく。そのことを心から楽しんでいるアーティストたちを見ているだけで、こちらも幸せな気持ちになった。続く「DON’T WORRY BE HAPPY」でもそれは同じ。途中で、キヨサクのフリで新里がリードボーカルをとる場面もあった。これもコラボの楽しさだった。

ここで2018年、結成20周年を迎えるモンパチから嬉しい発表があった。11月3日(土)、4日(日)の2日間、<MONGOL800 ga FESTIVAL“What a Wonderful World!! 18”>が、沖縄県・豊崎の美らSUNビーチ特設会場で開催されることが告げられた。しかも、今日のカウンドダウンライブに出演したすべてのバンドへその場で出演オファー。さらに、MONGOL800は2018年の20周年イヤーも盛り上げるべく様々な企画が目白押しだという。

そして、再びステージは3名になり、「My Sweet Home OKINAWA」に1曲捧げたいと思います」と言って歌われた「Home」で、モンパチはステージを去った。しかし、会場を包む歓声は鳴り止まない。客電の点いた会場にいる人たちが、この空間から立ち去りたくない、もっと同じ時間をともにしたいという思いが伝わったのだろう。再びモンパチの3人は笑顔でステージに登場した。「沖縄の紅白(歌合戦)みたいで、面白かったです」とキヨサク。「こんな感じで毎年やりたいんですけど、いかがでしょうか? 今回はモンパチの20周年、次は誰かの周年記念といった感じで、沖縄の模合い形式にして(笑)、親をどんどん交換して続けていきたいと思います。楽しみにしてください」「モンパチ結成20周年、おめでとう!ということで…」と言って歌われたのが、「HAPPY BIRTHDAY」。会場のみんなはジャンプを繰り返す。ステージ上も会場も、笑顔の花が咲く。楽しい時間は早いもの。5時間半があっという間に過ぎた気がした。

2017年から年をまたいで2018年。地元沖縄でモンパチをはじめとする沖縄のアーティストが集結し、そして音楽を愛する大勢の人たちと一緒に、この場所にいることの幸せを実感したカウントダウンライブだった。

取材・文◎伊藤博伸
撮影◎武安弘毅

<MONGOL800 ga COUNTDOWN “Happy 20th Anniversary”>セットリスト

ACT:1 粒マスタード安次嶺
FREE STYLE

ACT:2 DIAMANTES
01. 勝利のうた〜よろしく楽しくゆたしく /w 粒マスタード安次嶺
02. おめでとうの歌 /w キヨサク
03. CEBADA
04. おトミさん /w ダンサー
05. 片手に三線を
06. イチャリバARRIBA
07. OKINAWA LATINA /w ダンサー

ACT:3 きいやま商店
01. ミルクムナリ
02. 頑張れよ!
03. カーーニバレ
04. 僕らの島
05. happy wonderful friend
06. ドゥマンギテ
07. じんがねーらん
08. ゆーしったい
09. 沖縄ロックンロール

ACT:4 かりゆし58
01. アガリミナギル効果
02. ホームゲーム
03. ナナ
04. アンマー
05. まっとーばー
06. ユクイウタ
07. オワリはじまり

ACT:5 HY
01. 隆福丸
02. AM11:00
03. 366日 /w アルベルト城間(DIAMANTES)・前川真悟(かりゆし58)
04. 神様 / w 粒マスタード安次嶺・DIAMANTES・きいやま商店・かりゆし58・BEGIN
05. ホワイトビーチ

ACT:6 BEGIN
〈マルシャ ショーラ Round1〉
01. バルーン
02. 悲しき街角
03. ラバンバ
04. ランナウェイ
05. ジュリアに傷心
06. 銀河鉄道999
07. 勝手にシンドバッド /w きいやま商店
〈マルシャ ショーラ Round2〉
08. 上を向いて歩こう
09. また逢う日まで
10. 恋の季節
11. バンバンバン
12. オジー自慢のオリオンビール
13. 国道508号線
14. 笑顔のまんま
15. ソウセイ /w RITTO・髙宮城実人・琉球國祭り太鼓

ACT:7 MONGOL800
01. あなたに
02. himeyuri〜ひめゆりの詩〜
03. OKINAWA CALLING /w 粒マスタード安次嶺
04. 小さな恋のうた
05. PARTY /w All Cast
06. 島人ぬ宝 /w All Cast
07. DON' WORRY BE HAPPY
08. Home
ENCORE. HAPPY BIRTHDAY

<MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!18>

日程:11月3日(祝・土)・4日(日)
会場:沖縄県 豊見城市 豊崎 美らSUNビーチ特設会場

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