【人間椅子連載】ナザレス通信Vol.40「健康」

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。さて、昨年末気になるニュースがありました。青森県人の平均寿命が男女とも全国最下位という、青森県人以外の人には笑えるニュースです。しかし自分も含めて指摘された本人達はそれほどショックを受けていないことでしょう。やっぱりね、と納得しています。みんな心当たりがあるからです。「青森県はなぜ早死にするのか」と特集を組んだ週刊新潮には「たらこやすじこに更に醤油をつけて食べるらしい」と驚愕の事実のように書かれていましたが、そのまま食べることのほうが意外です。つけたほうが美味しいのに。子供の頃よく親に「少し醤油をつけて食べるとうまいよ」と教わったものです。「朝からラーメンを食べるらしい」とも書かれていましたが、朝でも夜でもよくラーメンは食べます。煮干し出汁のあっさりした醤油ラーメンが主流で何杯でもいけてしまうので困ったものです。「野菜は漬け物でとる」というのも当たっていて、「はいはい」と頷いてしまいます。その漬け物も醤油をつけて食べるのが普通です。こんな食生活を何年も続けて今更塩分控えめな暮らしにシフトできるはずもなく、薄味で長生きするくらいなら美味いものを食って早死にするほうがいいと、青森県人は割り切っています。

とはいえ、再来年に迎える人間椅子30周年までは健康でいたいので、塩分はそのままで、せめて運動不足だけは解消しようと、また山登りを始めました。ところが久々に登ってみてかなり体力が落ちていることが判ってがっかりしています。棒ノ折山という1000メートル足らずの初心者向けの山に登ってみたのですが、悲惨なものでした。上りは標準タイムより早かったものの、下りは膝の痛みが半端でなく、更には度々脚が肉離れになって、遭難の一歩手前のような酷い状況で日没ぎりぎりに何とか下山する有様でした。下りの標準タイムは倍近くかかってしまいました。予想通り翌日は全身筋肉痛で、このままではいけないという危機感でいっぱいです。頂上で食べた自分で握った凄まじくしょっぱいおにぎりも良くなかったのでしょうか。

山はいつも一人で登るので、辛い目に遭うととても不安になります。そしてそんな場面では頭の中で大体同じ曲がエンドレスで流れます。今回はBLACK SABBATHの「Sabbra Cadabra」という曲の後半部が延々と続きました。もっと明るい曲なら少しは気が紛れるでしょうに、曲変更がききません。休憩しても「Sabbra Cadabra」後半部は続きます。出口付近で家の灯りが見えたところでやっとこの呪縛から逃れることができました。この呪いの曲は「Sabbath Bloody Sabbath」というBLACK SABBATHにしては比較的明るく聴き易いアルバムに収録されています。名曲揃いで、最高傑作に挙げる人もいることでしょう。6曲目の「Who Are You?」は無気味な繰り返しが下山時の不安な心に忍び込みそうな、エンドレス候補曲です。


初詣でおみくじを引いたところ、「秋雨に　燃ゆる　かがり火　消ゆるとも　夜をゆく　闇の　道に　迷ふな」とありました。今年もハードロック一筋でがんばりますのでよろしくお願いします。ちなみに「小吉」。微妙です。




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