【ライブレポート】有村竜太朗、ナッシングスの生形を迎えた圧巻のツアー最終日

Plastic Treeの有村竜太朗(Vo)が2018年1月、全国ソロツアー＜有村竜太朗 TOUR 2018「デも/demo -beyond that point-」＞を開催した。その追加公演にして最終日となった1月26日の代官山UNIT公演のレポートをお届けしたい。

◆有村竜太朗 画像

有村竜太朗が初の個人作品集『デも/demo』をリリースしたのが2016年11月のこと。大事に温めていた未発表曲を詰め込んだ作品には、彼らしい繊細さがあふれていた。2017年1月には初のソロツアーも行い、音源の世界観を再現。それからほぼ1年後の2018年1月。この“デも”というプロジェクトは次の段階へと進んでいた。

1月7日の恵比寿LIQUIDROOMを皮切りに展開された全5公演のツアー＜有村竜太朗 TOUR 2018 「デも/demo -beyond that point-」＞は、会場限定シングル「op.7」も発売するなど、新曲をまじえた内容となった。同ツアーは最終的に、1月23日の千葉LOOKと1月26日の代官山UNITの追加公演＜デも/demo -Polymerization Night-＞が開催される盛況ぶり。



そして、ツアー全行程の最終公演となる代官山UNIT公演では完成度を増した楽曲たちを聴くことができた。ライブは2部制で行われ、その1部はアコースティックスタイル。まず、有村がひとりでステージに現れ、『デも/demo』収録曲「恋ト幻」の弾き語りバージョン「op.6」からスタート。その後、チェロやアコーディオンを加えた編成で、『デも/demo』からの曲を中心に披露していく。有村自身のルーツにあるネオアコやフォークへの憧憬がにじみ、繊細で温かさを感じる時間となった。

第2部はバンドサウンドにて熱量のあるライブが繰り広げられる。第1部でも披露した「猫夢」「鍵時計」がアッパーなナンバーとして、場内の温度をさらに高めていくなど、スリリングなパフォーマンスが印象的だった。



アンコールには追加公演初日の千葉LOOK(1月23日)に続き、Nothing's Carved In Stoneの生形真一(G)が登場。「浮融/fuyuu」では、有村も含めたトリプルギターによる圧巻のシューゲイザーサウンドを炸裂させ、オーディエンスを盛り上げた。その後も、予定外のダブルアンコールに応えるサービスぶりでツアーを完遂。終演後は新曲「メも/memo」の映像が流され、心地よい余韻を演出した。

同じ曲を別の顔で表現する実験は、このツアーでさらに進化したようだ。それが有村竜太朗というアーティストに今後、どんな刺激をもたらし、また音楽性がどう熟成していくのか、この先が非常に楽しみなツアーファイナルとなった。