【インタビュー】ワンオクやMWAMの日本公演に参加したドン・ブロコ、日本デビューALリリース

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日本のロックファンにとってはONE OK ROCKやMAN WITH A MISSIONとの共演が印象深い、UK出身の新世代ロック・バンド“ドン・ブロコ”が本日2月2日に4thアルバム『テクノロジー』をリリースした。日本盤は世界同時発売され、今作が意外なことに彼らの日本デビューアルバムにあたる。なお日本盤限定のボーナス・トラックには、全英アルバム・チャート6位を記録した日本未発売の前作『オートマティック』より代表曲5曲を収録している。

まずは、すでに公開されている「Tシャツ・ソング」をチェックしてみて欲しい。バンドのフロントマンであるロブ・ダミアーニにとってパーソナルな楽曲であり、「仲の良い友達が恋人と別れたことにインスパイアされた」と語るアルバムの中で最もエモーショナルな出来栄えだ。さらに今回のアルバムでは、80年代ポップに影響されたロックに、広義のメタル、ファンク、エレクトロのフレイバーといった幅の広さを楽しむことができる。今回BARKSでは、アルバムに込めた思いや制作秘話などを、ギターのサイモン・デラネイ&ドラムのマット・ドネリーに訊いたオフィシャルインタビューをお届けする。

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── 2017年2月のONE OK ROCKの大阪城ホール公演に続いて、2度目の来日がMAN WITH A MISSIONのさいたまスーパーアリーナ公演のゲスト出演となりましたね。

Simon:MAN WITH A MISSIONが、日本でビッグな存在だってことは知っていたけど実際に観てビックリしたよ。プロダクションも素晴らしかったし、バンドの世界に入り込んでいく観客の姿を目の当たりにして驚いたね。彼らの前座としてライヴができたことは光栄だよ。

── 日本デビュー前のバンドが、東西の国内最大規模のアリーナのステージを経験しているって、前代未聞だとおもいますよ(笑)。ショウはいかがでしたか?

Matt:うんうん(笑)、俺達は間違いなくラッキーだとおもうよ。それに新しいお客さんを前にプレイをして、こんなに良いリアクションだったことは世界でも初めてかもしれない。自分の中で、ここ日本は一番プレイしやすい国になったよ。今日もジャンプして興奮してくれる観客がたくさんいたけど、ロンドンだとこうはいかない。前座としてフロアをウォームアップしようとプレイしているのに、全く温められないことがあるからね(笑)。

── 初来日のときのインタビューでは、ほとんどアルバムは仕上がっていると聞いていたんですが、実際に完成したのはいつだったんですか?

Simon:実際に2月の時点でほとんど出来ていたんだ。でも、2か月間のアメリカ・ツアーがあったりして、結局7月くらいまでレコーディングをして、ミックスやマスタリングが終わったのは9月くらいだったとおもう。早く発表したくてウズウズしていたんだけど、予想以上に時間がかかってしまったんだ。

Matt:そうそう本当は4月のアメリカ・ツアーまでに作業を終わらせるつもりだったんだけどね。どうやら俺たちは締め切りを破るのが得意みたいだね(笑)。

── 1番最後に完成した曲はどれですか?

Simon:最後に出来たのは「¥」だよ。スタジオで弄り回しているうちに時間がかかってしまって、仕上げるのにとても苦労した曲なんだ。

Matt:実は2月の初来日のときに感じたことが「¥」の歌詞に反映されているんだ。今の若者は貧しくて、とてもじゃないけど家を買う余裕もない。だから手元にあるお金で今を楽しんでしまおうって考えている人が地元にも多い。俺たちのようなバンドマンも多くの犠牲を払っているしお金の苦労もしてきたけど、ときどき凄い経験をすることがある。それを感じたのが、前回の来日なんだ。日本まで来られる人ってなかなかいないとおもうんだよね。これまでにできなかったことは沢山あるけど、俺たちはひとつ大きなことを成し遂げたって気持ちが歌詞に大きな意味を持たせたとおもうんだ。人生で大事なことは、物理的に何かがあるってことじゃない。何をして、誰と過ごすかってことだって、ここ日本で感じることができたのさ。



Simon:苦労話ってわけじゃないけど、今朝もメンバーと音楽で成功したい人への一番のアドバイスについて話していたんだ。その答えは“できるだけ長く実家暮らしを続けること”(笑)。とにかくバンドやっていたら余分なお金なんて持てないからね!

── あなたたちの実家はロンドン郊外のベッドフォードですよね?「Pretty」のアルバム・ヴァージョンには“Where is Bedford?”(ベッドフォードってどこだよ?)というフレーズが冒頭に入っていますね。あれはどういう意図があるんですか?

Simon:これには凄く面白いエピソードがあるんだよ!あの声の主はメタリカのラーズ・ウールリッヒなんだ。彼があるラジオ番組で「Pretty」をかけてくれて、DON BROCOのことを話題にしていたって聞いて確認してみたんだ。そうしたら俺達の出身地のベッドフォードについて“どこだよ、それ?”ってプロデューサーに尋ねていたんだ(笑)。

Matt:イギリス人でさえわからない俺たちの故郷のことを、あのラーズが話しているなんてクールだったね(笑)!

Simon:それで許可を取って使わせてもらったのさ。俺たちはメタリカの大ファンだし、昔はカヴァーばかりしていたくらいなんだ。自分たちの作品にラーズ本人の声が入っているなんて最高の気分だよ。

── 「Got To Be You」でのサイモンのギター・プレイなんですが、U2のエッジを彷彿とさせますね。

Simon:U2は大好きなバンドだし、俺はエッジのギターが大好きなんだ。この曲のリフのアイデアは前から持っていて、これで何かやってやろうっておもっていたんだ。まぁ、俺からエッジへのオマージュだね。

Matt:エッジにも曲の冒頭で、ひとこと言ってもらうお願いをしておくんだったな(笑)。

Simon:「コイツ、パクりやがったな!」ってコメントでもいいから欲しかったよ(爆笑)。



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