【インタビュー】ワンオクやMWAMの日本公演に参加したドン・ブロコ、日本デビューALリリース

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── 「Come Out To LA」は所謂“業界人”からの甘い誘いを歌っていますが、これは実体験に基づいての曲ですか?

Simon:捕らぬ狸の皮算用はダメだって曲だね。アメリカでの実体験を面白おかしく歌っているんだ。当時はまだ若かったし、業界のこともわかっていなかったからね。初めてアメリカに行ったときは、見るもの全てが新鮮だったし、目がギラギラした人に囲まれていたからそういう経験もしたよ。この世界で言われたことを額面通りに受け取ってはいけないってことをそのときに学んだね。

── スーパーアリーナでも披露された「T-Shirt Song」は失恋ソングですか?

Matt:ロブの友人の失恋体験を基にした曲だけど、それと同時に人は落ち込んでいても、あるきっかけで立ち直れるんだってメッセージも含まれている。以前、イギリスのノッティンガムにあるアリーナでプレイするチャンスに恵まれたとき、ヴォーカルのロブの声が出なくなってしまったんだ。ロブはそのことを気にして悩んでいた。それで、俺とロブが学生時代に通っていたクラブに繰り出したんだ。その夜は昔みたいに曲に合わせて脱いだTシャツをみんなで振り回したりして大騒ぎさ。すると彼はその一瞬だけ不安から逃れることができたんだ。ノスタルジーに浸りながら、昔のピュアな頃を振り返ったりしながらね。この曲はただの失恋ソングではなくて、何かつらいことがあってもいつか終わる。時が癒してくれるんだって希望も歌っている。人生はそうやって切り抜けていくしかないんだ。


── アルバム・タイトルの『TECHNOLOGY』にはどういう意味があるんでしょうか?昨今何かと世間を騒がせるSNSも含まれているんでしょうか?

Simon:SNSもひとつの要素だとおもう。今作は人間とテクノロジーの関係性を書いた曲が多い。テクノロジーには良い面もたくさんあるけど、悪い面だってあるってことをね。俺達の世代が生まれた頃は、スマホがなかったけど、今の若い世代にとっては無くてはならない存在になっている。それって人間に及ぼす影響を考えてみたら怖いことでもあるよね。そういったテクノロジーと人間のあり方がこのアルバムのテーマなんだ。

Matt:DON BROCOは身の周りに起きたことを題材に曲にしているんだけど、テクノロジーって日常生活から切り離せなくなっているよね。スマホのアラームで目を覚まして、メールチェックして、友達に会う前にスマホでやりとりするだろ?テレビよりスマホの動画サイトを観ているしね。メディアに関しても、コミュニケーションに関しても、テクノロジーは欠かせないものだ。ただ、それが人間に及ぼす影響として、悪いこともあるんじゃないかなってことを作品では提示しているんだ。

── アルバムのアートワークが、過去2作品とはかなり違う雰囲気を持っていると思いました。

Simon:俺たちは音楽を含めた自分たちの美意識をアートワークに表現している。前作『Automatic』(2015年)はとても分かりやすくて、スムースなサウンドがアートワークに反映されているんだ。それと対照的に、今回の作品は見る人によってはギョッとするんじゃないかな。今作のインスピレーションの源は、“テクノロジーが我々の新しい宗教になってしまった”というところなんだ。眺めるたびに新しい発見があるとおもうよ。

▲アルバム『テクノロジー』

── 今作で3作目のフルアルバムとなりますが、各作品を一言で端的に表現してもらえますか?

Simon:1作目『Priorities』は“Youth”、若い時に書いた曲が入っているから。

Matt:2作目『Automatic』は“Polished”、洗練されている作品だね。緻密で磨かれた作品だとおもう。

Simon:最新作『Technology』は“Honest”かな。あまり考え過ぎず、自分たちが良いとおもったもの、正しいとおもったことを正直に表現した作品だ。過去2枚のいいとこ取りともいえるね。

── 最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

Simon:DON BROCOに興味を持ってくれてありがとう。『Technology』はラウドで楽しい仕上がりになっているから、きっと気に入ってもらえるとおもっているんだ。日本盤には前作からお気に入りの楽曲も追加収録しているしね。またみんなにライヴで会えることを楽しみにしているよ!

インタビュー◎澤田修

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【ドン・ブロコ プロフィール】

ロブ・ダミアーニ(vo), サイモン・デラネイ(gt), マット・ドネリー(dr), トム・ドイル(ba)

2008年にイギリスはロンドン郊外のベッドフォードにて結成。ロブ、サイモン、マットと元ベースのルークは全員高校の同級生で、同じ大学に進学していた。初めは「ドン・ロコ」というバンド名にしようと考えていたが、サイモンがフットボールで腕を骨折したことをからかって「ドン・ブロコ」と呼んだのがバンド名の由来。

2009年には<Download Festival>や<Sonisphere Festival>に参加し、Enter Shikariのサポート・アクトも務めたこともあった。2011年2月にEP『Big Fat Smile』をリリース。夏には<Download Festival><Sonisphere Festival><Slam Dunk Festival><Reading and Leeds festivals>など大型フェスに参加した。

2012年にはFour Year StrongのUKツアーのサポートを務めている中で、方向性の違いで元ベースのルークが脱退。3月にはバンドはソニー傘下のDestroy Recordsとの契約を発表する。新ベースとしてトムを迎え入れ、5月にデビュー・アルバム『Priorities』をリリース。UKアルバムチャート25位、iTunesロックチャートで1位を記録。同年にはYou Me At SixやYoung Guns、The UsedらのUKツアーのサポート・アクトを務めた。

2013年には初のUKヘッドライニングツアーを発表すると、早くもソールド・アウト続出、その圧倒的な勢いを証明する。同年の<Reading and Leeds Festivals>ではメイン・ステージに出演した。翌年には Kerrang!ツアーにヘッドラインとして参加。

制作期間を経て、2015年7月に2nd アルバム『Automatic』をリリース。UKチャート6位を記録した他、リード・シングル「Automatic」はUKの人気ファストブランド、New Lookのオンライン・キャンペーン・ソングに抜擢された。

2016年には5 Seconds Of SummerのUK・ヨーロッパアリーナツアーのオープニング・アクトに大抜擢。Bring Me TheHorizonのUKアリーナ・ツアーでもオープニング・アクトとして大活躍する。自身のヘッドライニング・ツアーもソールド・アウトの大盛況で、ロンドン公演は5分で5000枚即完売。自身初のヨーロッパツアーもソールド・アウトし、会場を急きょグレードアップするなど、その勢いは止まらない。またバンドはMiss May IやWe Came As Romansらが在籍するSharpTone Recordsと契約し、USデビューを果たした。

2018年2月にニュー・アルバム『Technology』をリリース。

ドン・ブロコ『テクノロジー』

2018年2月2日発売
WPCR-17837 1,980 円+税

■商品詳細
https://WarnerMusicJapan.lnk.to/donbrockBA

[収録楽曲]
1. Technology / テクノロジー
2. Stay Ignorant / ステイ・イグノラント
3. T-Shirt Song / T シャツ・ソング
4. Come Out To LA / カム・アウト・トゥ・LA
5. Pretty / プリティー
6. The Blues / ザ・ブルース
7. Tightrope / タイトロープ
8. Everybody / エヴリバディ
9. Greatness / グレイトネス
10. Porkies / ポーキーズ
11. Got To Be You / ゴット・トゥ・ビー・ユー
12. Good Listener / グッド・リスナー
13. ¥ / ¥
14. Something To Drink / サムシング・トゥ・ドリンク
15. Blood in the Water / ブラッド・イン・ザ・ウォーター *bonus track
16. Potty Mouth / パティ・マウス *bonus track
17. You Wanna Know / ユー・ワナ・ノウ *Japan bonus track
18. Superlove / スーパーラヴ *Japan bonus track
19. Automatic / オートマティック *Japan bonus track
20. Money Power Fame / マネー・パワー・フェイム *Japan bonus track
21. Nerve / ナーヴ *Japan bonus track

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