【ライヴレポート】B’z、<LIVE-GYM 2017-2018 “LIVE DINOSAUR”>完遂「B'zのスタイルを信じ貫いて」

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<B'z LIVE-GYM 2017-2018“LIVE DINOSAUR”>、2018年1月7日の東京ドーム公演は17時ジャスト、オンタイムで始まった。

◆B'z 画像

ツアータイトルの通り、今回のLIVE-GYMは20枚目であり30周年の節目に登場した最新作『DINOSAUR』を引っさげてのライヴだ。“当然のようにオープニングは松本孝弘の恐竜咆哮アーミングサウンドから「Dinosaur」でスタート、意外とオーラスは「SKYROCKET」あたりだったりして?”…なーんてライヴ前のお約束ワクワク妄想をあっさりと飛び越え、ライヴ1曲目には「声明」がピックアップされていた。



スピーチマイクが置かれた演説台の前で、まさに声明を発するかの稲葉浩志の立ち姿は、ステージを駆け回るいつもの振る舞いとは全く違うものの、そこには“ダイナソー”という“時代遅れ”なメッセージの裏で絶大なる熱量を発し続ける、ピュアなB'zの姿が明確に示されていた。日本青年館で観た1989年の東京初ライヴから今もなお何も変わらない“信念”と、そして30年間常に変わり続けてきた“瑞々しいミュージシャンシップ”が蠢くからこそ、いまここで「声明」を初弾で発するというメッセージにつながるのだろう。ステージという聖域で襟を正し、自らの「声明」を純朴にパフォーマンスする…こんな明確なロックンロールの姿が、今の日本のどこで見ることができるだろうか。

今の音楽シーンにおいて、ハードロックを根に据えるバンドサウンドは決してトレンドにあるとはいえない。まして欧米では主流は完全にヒップホップ/R&Bにある。ボーカリスト&ギタリストという2大ヒーローが明確なアイコンとして存在する姿は前時代的なのか、それとも削ぎ落とされたロックスタイルのコアとなるのか。「君が今聴いているバンドとは違うと思うよ」とは“『DINOSAUR』をソーシャル時代の中高生に伝えるとしたら、どんな作品だと説明するか?”という問いに対する松本孝弘の名回答だが、その意味はこのロックアイコンの示し方そのものを言い表しているのかもしれない。



この日、東京ドームでは稲葉浩志というシンガーの強い自我と主張、そして松本孝弘という揺るがぬ信念に根付いたギター・サウンドが、ときに豪腕ストレートに、ときにまとわり粘りつくように、ときにカミソリのようなエッジをもってオーディエンスを直撃し続けていた。図太いエネルギーのぶつかり合いからまばゆいスパークを放つロックスタイルは、バンド活動を切磋琢磨してきた1980年代から変わらぬB'zの根源である。強烈な求心力を持ったふたつのヒーロー像がぶつかり交わりシンクロするエンターテイメントが、唯一無二となったB'zの醍醐味であることは間違いない。

バンドの糧となるミュージシャンシップを会得するには実直で地道な活動をするしか手立てがなかった時代…といえばそれまでだが、多くの経験がスタミナとスキルを身に沁みわたらせ、瞬発力と強靭なバネがミュージシャンという骨格に刻み込まれていく。30年を積み重ねて形成されたB'z=ダイナソーが、30年の重みに裏付けされた眩いまでの輝きを放つのは至極当然のことだ。



PCの恐るべき進化とネットの発展によって、ミュージシャンの曲作り/サウンドメイクは、前時代とは比べ物にならぬほどの時間短縮・コスト圧縮と簡易化を可能にした。しかしながら「ミュージシャンを手助けする便利アイテム」として登場したはずの音楽制作システムは「音楽的才能を補完する魔法のチートツール」として乱用され、似非アーティストを量産するという最悪の副作用を生み出すこととなる。音楽との出会いも簡便となり、いつでもどこでも楽しめるファストミュージックが生活に根ざしたことで、オーディエンスの音楽的知能指数低下も危惧され、音楽産業の弱体化にますますの暗雲を引き寄せることとなった。

そんな2000年代以降の憂いをよそに、B'zはいつまでも足元のサウンドを見据え、その手触りにこだわり、生身のサウンドが奮い立たせる歓喜のグルーブに身を寄せ続けた。2曲目の2017年最新作「CHAMP」から、3曲目には「孤独のRunaway」(1991年)へ軽くひとまたぎで26年を掌握してしまい、そしてまた「ハルカ」へ現在まで瞬時にひとっ飛びする力量と柔軟性をみれば、この30年をどう表現するか…そんなテーマが当ツアーにあったかどうかは知らないけれど、期せずしてどんな形でも2018年にアップデートできてしまう底知れぬ力を垣間見せることにもつながったようだ。


<B'z LIVE-GYM 2017-2018“LIVE DINOSAUR”>を俯瞰で見れば、アルバム『DINOSAUR』を中心にしながらも、ひとつひとつの曲を丁寧に伝え、とにかくベストを尽くす以外の邪念を持たないシンプルな姿が印象的だった。コール・アンド・レスポンスでオーディエンスとコミュニケーションを取った「フキアレナサイ」に身を寄せれば、SNSなんかなくたって心を通じ触れ合うことができることを示してくれた。「BANZAI」で身体を動かせば生きている喜びが呼び起こされる。ペンライトがなくとも「King Of The Street」でタオルを回せば会場が一体となる。東京ドームに押しかけた4万人のオーディエンスはアンコールで何度もウェーブを起こし、B'zファンでいることに喜びと誇りを発し続けた。「ただただB'zのスタイルを磨いて貫く」というふたりの生き様は会場いっぱいに伝播し、多くの笑顔と歓喜の声が健康的なエネルギーとなって会場いっぱいに満ち満ちていた。まだまだ日本の音楽シーンの未来は明るいようだ。


本編最後の曲となった「Still Alive」に入る前、稲葉浩志は、ダイナソーには「古い」「時代遅れ」という意味があることを語ってくれた。

「常に新しかったものは古くなっていく。だからこそ一層、新しいとか古いとかそういう次元の話ではなく、ただただ今まで演ってきたB'zのスタイルを信じ貫いて、自分たちが持っているものを丹念に磨いて磨いて磨いていく。自分たちが信じているスタイルをやり抜いて、B'zの音楽を聞けば、<LIVE-GYM>の会場に行けば、そこでしか聴くことができないB'zの音楽を聴かせてあげられる。とにかくそれができるかどうか…それだけを我々の判断基準にして、更にがむしゃらにやっていきたい」──稲葉浩志

この日演奏されたのは「声明」から「BANZAI」まで全21曲…そこには古めかしさや前時代的な音楽はどこにも存在しなかった。

取材・文◎BARKS編集長 烏丸哲也

■<B'z LIVE-GYM 2017-2018“LIVE DINOSAUR”>2018年1月7日@東京ドームSETLIST

01.声明
02.CHAMP
03.孤独のRunaway
04.ハルカ
05.ルーフトップ
06.FIREBALL
07.Don't Leave Me
08.赤い河
09.SKYROCKET
10.それでもやっぱり
11.愛しき幽霊
12.弱い男
13.Purple Pink Orange
14.イチブトゼンブ
15.DIVE
16.Dinasour
17.King Of The Street
18.フキアレナサイ
19.Still Alive
encore
en1.ultra soul
en2.BANZAI

■<B’z LIVE-GYM Pleasure 2018>

7月07日 (土) 沖縄コンベンションセンター
7月08日 (日) 沖縄コンベンションセンター
7月14日 (土) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ
7月15日 (日) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ
7月21日 (土) 静岡 エコパアリーナ
7月22日 (日) 静岡 エコパアリーナ
7月28日 (土) 広島グリーンアリーナ
7月29日 (日) 広島グリーンアリーナ
8月04日 (土) 日産スタジアム
8月05日 (日) 日産スタジアム
8月11日 (土) 愛媛県武道館
8月12日 (日) 愛媛県武道館
8月22日 (水) 札幌ドーム
8月28日 (火) 長野ビッグハット
9月01日 (土) 福岡 ヤフオク!ドーム
9月02日 (日) 福岡 ヤフオク!ドーム
9月06日 (木) 豊田スタジアム
9月08日 (土) 豊田スタジアム
9月09日 (日) 豊田スタジアム
9月15日 (土) ヤンマースタジアム長居
9月16日 (日) ヤンマースタジアム長居
9月21日 (金) 味の素スタジアム
9月22日 (土) 味の素スタジアム
(問)http://bz-vermillion.com

■<B’z 30th Year Exhibition “SCENES” 1988-2018>

▼会期
前期(1988-2002):2018年4月01日(日)〜5月06日(日) 有楽町インフォス1F
後期(2003-2018):2018年5月11日(金)〜6月15日(金) 有楽町インフォス1F
開館時間:平日11:00-21:00 / 土・祝日中日10:00-21:00 / 日・祝日10:00-20:00
※休館日:5月7日(月)〜5月10日(木)※ただし、グッズ販売・シアターは営業
▼有楽町インフォス1F
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-8-3
※JR山手線有楽町駅・京橋口から徒歩3分
※東京メトロ有楽町線有楽町駅・D9出口から徒歩0分
※東京メトロ銀座線銀座駅・C8出口から徒歩5分
●主催:株式会社Being / 株式会社 VERMILLION
●協力:B’z PARTY
(問) http://bz-vermillion.com/exhibition/


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