【対談連載】ASH DA HEROの“TALKING BLUES” 第6回ゲスト:AKi [シド]

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ASH DA HEROをホスト役に、毎回ゲストを迎えてトークセッションを繰り広げる対談連載が2017年春スタートした。デビュー2年目のASH DA HEROが、あるときは同じミュージシャン目線で、またあるときは異ジャンルに斬り込む同対談連載企画のタイトルは、“TALKING BLUES”だ。

◆ASH DA HERO × AKi [シド] 画像

第6回目のゲストはシドのベーシストであり、自身のソロプロジェクトを始動しているAKi。両者の関係性が濃密になったのは、L'Arc-en-CielのKen主宰イベントツアー<PARTY ZOO 2016>へのセッション参加がきっかけ。AKi曰く、「ASHのボーカルがあまりにも上手すぎて驚いた」という。

以降、密接となった2人はお酒の席でもたびたび顔を合わせるようになったほか、先ごろ行われたAKi主宰によるバースデーオールナイトイベント<AKi LIVE 2018 「Birthday Bash!」>にて濃厚な共演を果たすなど、ミュージシャンとして先輩後輩として、ステージ上やオフステージで信頼を寄せ合っているようだ。

そして行われた対談は、幼少期の音楽体験にまで遡り、「こんな話したの初めてだと思う」と笑顔を浮かべ合うほど、発見に溢れるものとなった。今回も10000字を超えるロングでディープなトークセッションをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■“AKiちゃま”と呼んじゃっているんです
■それぐらい包容力があって器がデカい──ASH DA HERO

──“酒がないのは珍しいかもしれない”と言ってましたが、2人で話をするときは、いつもアルコールあり状態なんですか?

AKi:そういうときが多いですよ。でもASHはそんなに酒飲まないから。ところが、この前はすごかった。ASHの本気を見た(笑)。

ASH:あの日はよく飲みましたね。覚えてます、2軒目の帰り?

AKi:2軒目へ行ったのは覚えているけど、その後の記憶はない(笑)。

ASH:うん(笑)。なんでかって言うと、2軒目へ行きました→座りました→頼みました→そしてAKiちゃまは終了しましたっていう(笑)。朝までイベントやってたから、あの日、AKiちゃまは30時間ぐらい起きてたんじゃない?

AKi:そうだったね。自分主宰のイベント(<AKi LIVE 2018 「Birthday Bash!>@CLUB CITTA'」を2月2日にやらせてもらって、ASHにすごく力を借りてね。“仲間がこんなに集まったんだし、このまま真っ直ぐ帰るなんて健全過ぎるだろう。打ち上げしないと締まらないよね”って、朝5時から店を探して無理やり(笑)。“今日はAKIiさんの誕生日だから、覚悟してきた”とみんなも言ってたから。

ASH:すごく楽しかった。この何年も、公私ともに仲良くさせてもらってます。

AKi:会えば音楽の話ももちろんするし、とにかくASHはずっとしゃべってる(笑)。この対談のタイトルじゃないけど、会話でもジャム・セッションやグルーヴしてくる感じ。それがまた楽しい。

ASH:先輩なんだけど、僕は“AKiちゃま”と呼んじゃっているんです。それぐらい包容力があって器がデカい。だからバースディ・イベントも、本当にたくさんのバンドマンが集まって。後輩からも慕われているし、先輩からはかわいがられているんだろうなって。それに真面目なんですよ、AKiちゃまは。

▲<AKi LIVE 2018 「Birthday Bash!」>

──オフステージでもそうなんですか?

ASH:会話しててもストイックなところが見えるから。会うたびに好きになるんですよ。音楽に対してとにかく真摯なんです。今回のイベント(<AKi LIVE 2018 「Birthday Bash!」>)のためにリハしたり、あと何回かセッションもやらせてもらったんだけど、一緒に音を出すと分かるんですよ。特にフロントマンは敏感かもしれない。“コイツは手を抜いてるな”とか、“この人は真面目だな”とか、ミュージシャンは音やフレーズに全部出る。AKiちゃまと音を出すと、背筋が伸びる思いですね。

AKi:そんなに褒められるとは思いませんでした。ありがとう、嬉しいです。

ASH:大好きですから。ベーシストとしても人としても。

──ソロワークの曲が好き、と前から言ってましたね。

ASH:ソロの曲も好きだし、シドの曲もそうだし、AKiちゃまの作る曲がすごく好きなんですよね。“AKi節”があると思うんですよ。メロディの置き方とコードアプローチとか。“サビにこのコードを持ってくるんだ!?”という驚きもあるんですよ。僕とは真逆というか。ドラマチックなコード展開やスケール展開とか、そういうアレンジにしちゃうんだけど、AKiちゃまの作る曲はドラマティックでも独特なものがある。

AKi:あんまり意識はしてないけど、ただ、“自分の王道から遠ざかりたい”と毎回思うんだよね。いつも自分の作る曲は、自分の中で同じになってしまう感覚が強くて。“またこれだな”とか“ああ、またこの感じだ”って。とにかく自分の王道とするパターンから逃げて、そこでまた新しくメロディとか曲を展開していくようにしていて。ずっとカメレオンでありたいというか、気分もやっていることも。

ASH:なるほど。でも軸というか、何が先行するのかずっと気になってて。メロディ先行なのか、とか。

AKi:曲先であり、メロ先だね。

ASH:やっぱりそうですよね。ボーカルラインもAKiちゃまが考えます?

AKi:そう、全部。歌入れまでして原曲を作る。でもね、ベースから楽曲を作ったことってあまりない。鼻歌をまずピアノに起こしたりとか、ピアノからできていったりとか。

──幼少期からピアノをずっとやってて、ピアニストを目指してた時期もあったんですよね?

AKi:目指していたというか、ピアノ弾くのが好きで。中高生ぐらいまでやってて。

ASH:バースディライブのときもすごかったですよ。素晴らしかった。完全にピアノリサイタルでした。“カッコいいな”、“ずるいな”って思っちゃいました。

AKi:いやいや(笑)。話を戻すと、自分でメロディとコードとピアノというか、だいたい当たりを付けて、そこから始めるという。メロディを作っても、歌わないと良し悪しが分からないでしょ?

ASH:聴感上ね。頭の中で鳴っている音が最高なんだけど、声で出したときに聴感上どうなるのかっていうのがね。

AKi:そうそう。ピアノだとこの響きは綺麗なんだけど、バンドサウンドだとあまり綺麗じゃないなとか。同じ音階やメロディなんだけどね。

ASH:あと歌う人の声質とか、歌詞の言葉のハマり方も関係しますよね。でもやっぱり歌なんだなって、今、腑に落ちたというか。そこにAKi節というのが絶対にあると思うから。歌が主人公であるなら、そこから物語ができあがっていくんだろうなって。歌のメロディが独特ですよね。

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