【インタビュー】Candy or Whip、四人のYouTuberレイターズが放つ初期衝動が詰まったミニアルバム『last』

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Candy or Whipは、絶大な人気を誇る現役高校生のYouTuberレイターズの面々が立ち上げたバンド。2017年夏に行われたレイターズのファンミーティングから本格的に始動した彼らの1stミニ・アルバム『last』が2月28日にリリースされる。瑞々しい初期衝動が詰まった同作からは、バンドを始めたことに対する彼らの喜びや、真剣に音楽と向き合っている姿勢などが伝わってくる。新たな挑戦を始めたCandy or Whipをキャッチして『last』に関する話はもちろん、メンバー四人のミュージシャン像などにも迫った。

◆Candy or Whip~画像&映像~

■バンドをやりたいという気持ちが本当に強かったので
■自分達を信じて挑戦することにしました


――Candy or Whipは、どんな風に結成されたのでしょう?

YU(ユウ/Vo&Gt):僕らはレイターズという名前でYouTuberとして活動しているんですけど、音楽好きなメンバーが揃っていたので、バンドをやりたいねという話になったんです。ただ、レイターズの一人はやりたいことが違っていて、バンドにはあまり興味がないということだったので、あとの僕ら四人でバンドを組みました。

S&R(サトル/Dr):バンドを組んだは良いけど、最初はどういう音楽をやりたいか、どんなバンドにしたいかというようなイメージがなくて(笑)。全く何も見えていない状態だったんですけど、2017年の夏にレイターズのファンミーティングがあって、そこでコピーバンドをやろうということになったんですよ。その時に、初めて舞台に立って演奏している側の気持ちを知って、真剣に音楽をやっていきたいという気持ちが強くなって。それで、みんなでいろんなことをちゃんと話し合って、こういう音楽をやっていこう、こういうバンドを目指そうということを決めました。


▲『last』【初回盤】


▲『last』【初回盤】

――ライブをして本気になる人は多いですよね。それぞれの音楽的なバックボーンなども話してもらえますか。

YU:僕は小学校の頃からピアノを習っていたこともあって、昔から音楽が好きでした。好きなバンドとかもめちゃくちゃ多いんですよ。Candy or Whipでやっているような音楽に限らず、本当にいろんなジャンルを聴きます。最近は04 Limited SazabysさんとかMrs. GREEN APPLEさんをよく聴いていますね。そういうタイプなので、前からバンドをやることに憧れがあったんです。で、この四人でバンドをやろうという話が出た時に、自分の声で皆さんにいろんな感情や想いを届けたいなと思って、ギター&ボーカルをやらせてもらうことにしました。Candy or Whipは自分達にしかできない音楽だったり、伝え方だったりができるバンド……本当に、他にいないようなバンドを目指していきたいと思っています。


▲YU(ユウ/Vo&Gt)

SN(シン/Gt):僕もYUと同じく、小さい頃にピアノをやったりしていたんですけど、何度か挫折していて(笑)。でも、音楽はずっと好きで、中学の頃からバンドにすごく憧れるようになって、中2の時にアコースティック・ギターを買いました。その後、高校で軽音部に入部してエレキギターを弾き始めて、バンドもやるようになって、今に至っています。好きなアーティストは沢山いますけど、一番自分に影響を与えたのはSiMさんというバンドです。レゲェとハードネスを融合させたスタイルがすごく好きだし、ギタリストのSHOW-HATEさんを始めとして、メンバー全員カッコ良くて。SiMさんはずっと憧れていたし、今も大好きです。

SY(サイ/Ba):僕も音楽は好きだったし、自分でバンドもやりたいなと思った時期もあったけど、あまり行動に移せなくて。Candy or Whipをやろうという話が出た時は嬉しかったけど、僕はバンドもベースも初心者だったんですよ。だから、やっていけるのかなという不安があったけど、さっき話が出たファンミーティングの時にステージから見た景色が僕の中ですごく印象的で、このメンバーで本格的にバンドに挑戦したいと思って。それから僕にとってバンドが一番楽しいことになって、ベースの練習に励むようになったし、今も特訓中です。好きなバンドはいっぱいるけど、一番好きなのはSIDさんです。僕はアニソンが好きで、アニメを通じてSIDさんの曲を初めて聴いた時に、すごく良いなと思って。それで、ファンになって、ベースの明希さんのことは尊敬しています。

S&R:僕は元々小さい頃から音楽は好きだったんですけど、クラシックが好きで、ロックはめちゃくちゃ嫌いだったんです(笑)。小学生の頃とかはうるさくて、チャラチャラしてるヤツがやっているものというイメージだった。でも、中学校の時にTHE BLUE HEARTSさんに出会って、ロックに対する印象が完全に変わって、自分もロックをやりたいと思うようになりました。それで、ギターを始めたんですけど、前からドラムもやってみたいなと思っていたので、Candy or Whipを結成したタイミングでドラムに転向しました。ドラムは予想以上に難しくて大変だけど、やり甲斐を感じています。


▲S&R(サトル/Dr)

――楽器ができるメンバーが揃っているからやってみようという軽いノリではなくて、挑戦する姿勢でバンドを始めたんですね。

一同:そうです。

YU:バンドを始めるというのは大変な部分があったし、やらないほうが良いんじゃないかという声もあったんですよ。でも、自分達の中でバンドをやりたいという気持ちが本当に強かったので、自分達を信じて挑戦することにしました。

――バンドには、そういう気持ちにさせる魅力がありますよね。では、2月28日にリリースされる1stミニ・アルバム『last』について話しましょう。同作の制作に入る前は、どんなことを考えていましたか?

YU:『last』は全曲僕が歌詞を書かせてもらったんですけど、Candy or Whipのスタートを飾る作品なんですよね。なので、制作に入る前は“これから挑戦していくぞ!”という気持ちがあって、それをダイレクトに綴った歌詞を書きました。曲調に関しては、今の自分達が素直にカッコいいと思えるものを形にしていった感じです。

――今の自分達を反映させた結果、瑞々しさに溢れた一作になっています。ストレートなアレンジや音像で纏めて、バンド感をフィーチュアしていることも印象的です。

S&R:それは、意識しました。分かりやすくて、響くものにしたいという想いがあったので。ギターがシンプルなパワーコード主体になっていたり、基本的にバンド以外の音が鳴っていないのは敢えてそうしたんです。

YU:等身大の自分達を提示して、ここから成長していく姿を見せたいという想いもありましたし。それは、正解だったんじゃないかなと思います。

SN:僕の中には、ロックであることにこだわりたいという気持ちがあったんです。だから、今回の曲調やサウンドでいくのは賛成でした。『last』に入っている曲はキャッチーだけど明る過ぎなくて、尖った感じもあって。歌詞もYUの伝えたい気持ちが前面に出て、メッセージ性の強い楽曲になっているのが良いなと思います。

SY:僕もカッコいいものがやりたかったので、ロックな方向性は良いなと思いました。あと、「5秒の世界に君はいない」というバラード系の曲があって、僕はその曲はベースとラップを担当させてもらいました。僕の頭の中にあるものを楽曲に込めさせてもらえたのは嬉しかったですね。それに、Candy or Whipの最初の作品で、ロックでカッコ良いものと、「5秒の世界に君はいない」みたいに落ち着いたものの両方を僕らで表現できたということにも手応えを感じています。

――たしかに『last』は、カラーの異なる5曲が収録されていることもポイントです。

YU:聴いてくれた人が飽きないものにしたいという気持ちがあったので、いろんな曲を入れました。なので、そこも楽しんでもらえると良いなと思います。今回の5曲は全部好きですけど、その中でも特に印象深いのは1曲目の「last show time」です。僕らが一番最初に作った曲で、歌詞も人生で初めて書いたんですよ。僕らの初期衝動が詰まった曲なので、ぜひ聴いて欲しいです。

S&R:今回の曲作りは、楽曲制作を手伝ってくれているUTAさんとAKIRAさん、それにYUと僕の四人が中心になって進めたんですね。最初にこういう曲を作りたいですということをUTAさんとAKIRAさんに言って、それに対して二人が出してくれたものを元にして、セッションしながら形にしていったんです。「last show time」も同じやり方で、この曲を作った時は“勢いや疾走感があるサウンドとキャッチーなメロディーの組合せ”というテーマで作っていきました。

SN:いろんな曲を入れられたことは、僕も良かったなと思います。今回の中で僕が一番好きなのは「ヒーローは“悪”に勝てない」という曲。ちょっと不思議な感じの曲調も好きだし、サビの歌詞がすごく刺さるものになっているところも気に入っています。それに、この曲は僕も歌っているので印象が強いです。

SY:僕は1曲あげるとしたら、やっぱりさっき話した「5秒の世界に君はいない」になりますね。この曲は純粋に良い曲だと思うんですよ。サビの部分とかは家に一人でいる時に、気がついたら口ずさんでいるくらい印象的なメロディーだし。このバンドでは、バラード系の楽曲も追求していきたいです。


――楽しみです。ところで、「5秒の世界に君はいない」でラップをしようと思ったのは、どういうきっかけがあったのでしょう?

SY:ラップが好きなんです。僕はもう普通にラッパーさんの曲とかも聴いていて、前からいつか自分もやってみたいなと思っていたんですよ。Candy or Whipをやることになった時にそういう話をしたら、さっそくこの曲でやろうということになりました(笑)。

YU:SYのラップも、SNが歌っているのも、すごく良いと思いますね。僕は、ボーカル・パートは全部自分で歌わないと嫌だ…みたいなことは全くなくて。いろいろな形でメンバーが個性を出せるのはバンドとして良いことなので、僕以外のメンバーが歌ったり、ラップをしたりというというようなことも、どんどんやっていきたいです。

S&R:やってみたいことは、いろいろあるよね。僕の中で特に印象が強いのはYUと同じ「last show time」です。最初の曲作りだったので自分が表現したいものをUTAさんとAKIRAさんに全部伝えたというのもありますし、その時はすごく緊張していたんですよ(笑)。イメージだけの状態から曲を作るなんて、できることなのかなと思っていたし。でも、だんだん形になっていって、最終的にイメージしていた通りのものになったことに感動したんです。そういうところで「last show time」は思い入れがあるし、最初に作った曲を1枚目の音源の1曲目に入れられたのも良かったなと思います。

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