【インタビュー】ARK STORM、13年ぶりの新作にマーク・ボールズが全面協力

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太田カツ率いるARK STORMが13年ぶりに完全復活を果たした。高水準のネオクラシカルなサウンドはそのままに、第3期となる今回のメンバーには、お馴染みの長井"VAL"一郎(Dr/325fire)やYUHKI(Key/ GALNERYUS、ALHAMBRA)とともにイングヴェイ・マルムスティーンやロイヤル・ハントのシンガーとしても活躍してきたマーク・ボールズをゲストに迎え、更なる強力作を完成させた。

◆ARK STORM画像

第3期ARK STORM始動アルバム『Voyage of the Rage』の全貌について、太田カツ(G)、長井"VAL"一郎(Dr)、YUHKI(Key)、松本拓郎(B)に話を聞いた。


──13年ぶりとなる新作ですね。

太田:久しぶりによくやったなと思います。マーク・ボールズが歌ってくれたことで、凄いものができた。

YUHKI:13年ぶりって凄いよね、そんな感じはしないけど。

太田:ゆっくりなスパンではあったけど、ベストアルバムを作ったりDVDもリリースしたり、定期的にライブもやってはいたからね。

VAL:ベストアルバムにも新曲を4曲収録していたし。

──太田さんのソロではなく、ARK STORMとして再開したのはなぜですか?

太田:最初はソロアルバムのつもりだったんですけど、活動休止状態になってしまった一身上の問題が解決してきたので、このへんで作品をきちんと出しておきたいという気持ちになったんです。そもそもバンド形態じゃないと自分には合っていないと思ったし…メタルってやっぱりバンドじゃないですか。そこでメンバーを呼び戻したんです。

──話を受けたメンバーはいかがでした?

VAL:最初は「ソロアルバム作るからレコーディング手伝ってくれない?」と言われて、「うん、やるやるー」と。で、そこから「YUHKIくんにも電話しちゃう?」ってその場で「元気?」って電話したの(笑)。

YUHKI:全員、太田カツのソロアルバムを作るもんだと思ってたよね。

VAL:ドラム録りしてる頃にYUHKIくんが遊びに来てくれて「バンドにしちゃう?」みたいな(笑)。

太田:この人たち、マーク・ボールズが歌うってことを信じてなかったんですよ。音源を聴いた瞬間に、しゃべるタイム感が変わったよね(笑)。そこからだよ。

YUHKI:だって、僕らが聴いていたのは太田カツの仮歌だったから(笑)、マーク・ボールズが実際8曲歌ってくれたのは大きかった。全面的に協力してくれたからね。

太田:8曲も歌うなら、マーク・ボールズと二人でやるよりバンド形態でやったほうがパワー感が出ると思って。

──そもそもマーク・ボールズを起用した経緯は?

太田:ある知人に「外国人シンガー誰か知らない?」とメールしたんです。そしたら「ジョー・リン・ターナーと、マーク・ボールズは連絡つきますよ」と。ホントか?(笑)って半信半疑で「じゃあマーク・ボールズに連絡してよ」とお願いしたら翌日すぐにマークから返信が来た。

──それを聞いたメンバーは、信じなかったと(笑)

全員:信じなかったよ(笑)

VAL:実際の歌を聴いてからじゃないと信じない(笑)。マークから「これ歌ってみたからチェックしてみてくれないか?」と2曲届いたのが10月くらいで、それまでは半信半疑だったよね。

──新作『Voyage of the Rage』は、ネオクラシカルというよりも普通にメロディアスな方向性を感じましたが、いかがですか?

太田:昔から変わらないけど、メロディとコードの和音旋律は追いかけるものが毎年変わる。例えばラストの曲はフーバスタンクなの。メロディが音程をキープしているのに対してコードが下がっていく。この和音感が去年流行ってて。

YUHKI:流行ってるって…それ自分の中でだけでしょ(笑)。

太田:昔の「Play For You」なんかは、口ずさんだものにコードを付けていく比率感だったけど、今回のインスト2曲はそこにこだわってますね。

──太田さんのマイブームですね。

太田:うん、それで何十曲も作れちゃう。メロディは変わらないけどコードが変わって、ベースラインが離れていって最後落ち合うみたいなのとかね。バッハがそうだったらしい。モーツァルトは不安なコードと安定したコードが行ったり来たりする。メロディに対してコードをつけて、一音変えて…といった構築感にこだわりました。





──制作やレコーディングは順調でしたか?

太田:曲はあったんですよ。

VAL:佐々井くんが辞める直前まで、ARK STORMのアルバムを作ろうという動きはあったんです。仮歌も佐々井くんで録ったものが2曲あって、その「World of Lies」と「Dice」は今作に収録されてます。「Dice」はライブでも演ったかな?

太田:2回くらい演ってるよね。佐々井くんの仮歌をマークに送ったら、「これ何語だ?」って返ってきた(笑)。佐々井くんに聞いたら「あれデタラメ語だよ」って(笑)。

YUHKI:それが英語っぽく聴こえるんだよ。歌の雰囲気が伝わりやすくて、歌い回しとかグルーヴ感がいい。変な才能あるよね。

太田:それから2月くらいにマークにこれだっていう曲を送ったら、完全にOKが出て。他の曲はそれから曲作りして。「Glory Forever」と「The Meek to the World」はすでにあったから、先程の「World of Lies」と「Dice」で4曲はあった。これにちゃんとした歌詞と歌メロを乗せなきゃいけないので、英詞を作って下さる方に頼んで、歌い回しを作っていただいて。で、僕がまた仮歌入れてマークに送っての繰り返し。

──マークのために書き下ろした曲はありますか?

太田:「Ablaze」と「The Reason」「Incitation」ですね。「Glory Forever」はマーク用に節を変えました。「Death Machine」もそう。「Incitation」なんて僕の仮歌がニワトリの首締めるような声だったから凄い心配だったけど、マークはいとも簡単に歌ったからね。あの音域は普通歌えないですよ。

──マークの歌声も昔から変わりませんよね。

太田:これがね、歌だけ聴くと凄いディストーションがかかってるの。

YUHKI:ナチュラルなディストーションだよね。

太田:楽器と混ざると芯が強くてすっと入っているけど、歌だけだと凄いドライヴがかかっている。一緒に演ってみて初めてわかった。不思議なんですよ、魔法にかけられたみたいで凄く魅力的なシンガーです。びっくりした。この人、デスメタルもできるんじゃないかな。歌い方も七変化で「Glory Forever」はドライヴかけているけど、「Ablaze」なんかは歌い上げているし。

──「Glory Forever」はARK STORMでは珍しいタイプの曲ですよね?

太田:これは、佐々井くん時代に新しいARK STORMをやろうという意味で作ったんです。

──皆さん、それぞれ特に印象強い曲はありますか?

太田:全部だけどな…「The Reason」はマークの為の曲で下手なシンガーは歌えない曲だと思うけど…やっぱり「Glory Forever」かな。

松本:1曲目の「Glory Forever」で「おおっ」と思った。レンジが物凄く広くて音圧のあるバンドサウンドですし、もっと若い方々にも受け入れられるんではないかと思います。

YUHKI:今までのARK STORMとは印象が違うかもしれないけど、新しいパワーメタルな要素もありつつ、「Voyage of the Rage」や「The Meek to Rule the World」なんかは昔からのファンにも「これだ」って思ってもらえると思う。バラエティに富んでいるけど、最近のバンドに比べると音数が多くないので「せーの」で録ったみたいなライブのノリが全曲にあります。

VAL:僕はドラムに特化した曲で「The Meek to Rule the World」ですね。ライブではこりゃ大変だぞって感じですが。

──「World of Lies」は、ディープ・パープルのようなテイストもありますよね。

YUHKI:うん、オルガンが入ってますからね。

太田:これは符割りが凄くタイトで、跳ねているの。この跳ねる感じが日本人は苦手で、実はマークも苦手なんじゃないかと思ったんですけど、全然問題なかった。

──こういう曲調があるので、いわゆるネオクラシカルではない印象なんですね。

太田:コードもメジャーですしね、いいでしょ?ギターソロの後は歌い回しも変えていてさすがだよね、「Incitation」も、節を1度目は下げて2度目は上げてきてる。あれはマーク独特の歌だね。フェイクもシャウトも本当に上手くて、考えてみればイングヴェイの時にディープ・パープルも歌っていましたもんね。何でもできちゃう人です。

──サウンドプロデュースで気を遣った点は?

太田:結局「その場で発したものが良い」と僕らは思っているので、あまりいじらないですね。それをやってしまうと、人間の感情とか本能とかグルーヴ感とかも失われる気がするんです。音作りは「エディットしなかった」という事ですね。それがARK STORMのスタイルかな。今回は特に「生楽器で弾いたらこれが限界」という作品なんです。生々しさにこだわったので、多分トラック数は少ないはずです。

YUHKI:ある意味、凄くライブっぽいよね。余計な手直しをせずにこういうグルーヴ感を出せるのは凄いと思ってます。

太田:ライブで観て変わらないと思いますよ。

松本:僕ら世代のバンドマン…特にこういう音圧のある音楽の場合は、クリック/同期がデフォルトなんです。最初から最後までBPMも同じ、ノリも同じなんですけど、VALさんは最後の方、容赦無くBPM10くらい上がってたりするんです。一度一緒に演った人が聴けば「VALさんだよね」「カツさんだよね」とわかります。

太田:それって個性を残したって事でしょ?個性を消したらアウトだよ。ARK STORMはずっとそうやってきたし、VALさんは変わらないしYUHKIくんも変わらない@いやキーボードソロは変わったな。僕のタイム感をすぐ盗むからさ(笑)。

YUHKI:いやいや、僕から出たものだって(笑)。

太田:この人、キーボードソロが俺より(ノリが)前なんだよ(笑)。でもあの絶妙な走ってる感がないとダメ。

松本:凄くプッシュしてる。同期もありますから、普通はワンの「ン」にノリを置いてるバンドが多いと思うんですけど、容赦無くワンの「ワ」の一番ド頭にみんなが行こうとしてますからね(笑)。

太田:よくわかってるねぇ(笑)。

松本:1、2、3、4、の時点で次の「1」の一番ド頭を殴り取りに行くみたいなパワーがありますよね(笑)。

YUHKI:それは自然になっちゃうの(笑)。

──ファンが待ち望んでいるツアーの予定は?

太田:前向きに調整中です。

──では最後にファンへメッセージを。

太田:1曲目から止めずに最後まで聴いて下さい。

松本:突然20歳の知らない奴が入ってきたと思われるでしょうけど、その生々しさやパワー感は残しつつ、もっと幅広いものを取り入れてライブでも生かせればと思います、ぜひチェックお願いします。

YUHKI:振り幅広い作品なので聞きどころ満載です。きっと楽しんでいただけると思います。

VAL:全曲通して聴いて欲しいです。自分でも途中で止められない…そういう作品になっています。

太田:どんな曲順でも全く問題なくハマるし、起承転結がつくアルバムです。でもまずは曲順通りに聴いてみて下さい。

取材・文・Sweeet Rock / Aki
写真・Kenji Kiyama、Thais Boals



ARK STORM feat.MARK BOALS『VOYAGE OF THE RAGE』

2018年2月14日(水)発売
KICS-3672 ¥3,000+税
1.Glory Forever
2.Ablaze
3.The Reason
4.Voyage of the Rage(Instrumental)
5.The Meek to Rule the World
6.Incitation
7.World of Lies
8.Dice
9.Death Machine
10.Witchcraft Stone(Instrumental)

ARK STORM]
・KICS-3676 ノー・バウンダリーズ(No Boundaries)
・KICS-3677 ビギニング・オブ・ニュー・レジェンド(Beginning of New Legend)
・KICS-3678 ジ・エヴァーラスティング・ホイール(The Everlasting Wheel)
太田カツ
・KICS-3679 エターナル・エクスターナル(Eternal And External)
¥1,500+税 / 高音質CD(Blu-spec CD)仕様

<ニューアルバム発売記念 CDサイン会>

2018年2月17日(土)13:00~
@dues新宿にて
※サイン会はARK STORMの第3期メンバーのみとなります。マーク・ボールズの参加はありません。
http://diskunion.net/sp/metal/news/article/4/71195?dss_mode=sp
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