【ライブレポート】SHINee、「永遠にジョンヒョンさんのことを忘れないで」

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SHINeeが2月26日(月)にドームツアー<SHINee WORLD THE BEST 2018〜FROM NOW ON〜>の東京ドーム初日公演を開催した。先ごろ公開したオフィシャルレポートに続いて、オリジナルレポートをお届けしたい。

◆SHINee 画像

今回のツアーは、2017年12月にジョンヒョンが急逝したことで開催自体が一時保留となっていた。その開催がようやく決まったのは2018年1月8日のこと。「THE BEST」「FROM NOW ON」というタイトルの通り、今回のコンセプトはデビューしてからの約10年の数々の思い出と、SHINeeのこれからを伝えるライブだ。


オープニングは“移りゆく兆しを見つめてキミに伝えよう / この想いは / ボクの愛は / Forever”と歌った「Colors of the season」。これは、メンバー、スタッフ、ファン、この公演に関係するすべての人々が、亡きジョンヒョンへ伝えたい言葉でもあるだろう。メンバーが立つステージを見るたびに、改めてジョンヒョンはもういないという事実を突きつけられるようだが、オンユ、ミンホ、キー、テミンはこの公演を素晴らしいものにしようと会場を盛り上げる。

前半にはジョンヒョンの映像とヴォーカルを残したトリビュートパートも披露された。目の前でステージに立つメンバーを応援し、懸命に歌い踊るメンバーの気持ちに応えたい。観客たちの多くはそんな気持ちだったはずだ。様々な想いが交錯する中で進むライブ。歌詞の一語一句がすべてジョンヒョンに向けれらたように聞こえる。ファンは様々な想いを胸に、言葉にならない気持ちを熱い声援に変えた。



トリビュートパートのあとは定番曲「Sherlock」へ。この曲で特に印象的だったのはサビの振り付けだ。メンバーはステージで大きく一歩ずつ、堂々と前に向かって飛び跳ねていく。新しい一歩を進む決意を感じさせるようなパフォーマンスだ。また「TO YOUR HEART」で、オンユは“永遠にWill be together… / 約束だよ”と力強く歌って、メンバーと観客の気持ちが本当にひとつになった。

そして「Dazzling girl」の跳ねるピアノのイントロが鳴り響く。陽気なビートで会場全体が明るくなった。続く「LUCKY STAR」「Downtown Baby」では、東京ドームの2階席の高さまで上がった気球が登場する。これにミンホとテミンが乗って、2階席、3階席のファンたちに向かってたくさん手を振った。オンユとキーはトロッコでアリーナの隅々を回る。その姿は、この場所に集まってくれた全員に、メンバーが直接感謝の気持ちを伝えたいかのように見えた。



この日のセットは東京ドームという広大な会場にいる観客が可能な限り等しく楽しめるような工夫されていた。日本でも絶大な人気を誇る「Hichhikng」では、前後に移動するムービングステージを2台使って、アリーナ全体を巻き込むダイナミックなパフォーマンスを見せる。さらに「Why So Serious?」では、360度全方位の観客が盛り上がれるようにアリーナの中央で披露された。ニューアレンジの「君のせいで」でメンバーは、スタンド席のすぐ近くまで来て歌った。本編最後となった「LUCIFER」では、オンユ、ミンホ、キー、テミンが、歌、ラップ、ダンスで躍動して数万人の観客を魅了した。

アンコールを求めるSHINeeコールは過去最大だった。すると場内に、“Sing Sing Your Song / Sing Sing Your Song / SING IT!”という歌声が響き渡る。それにあわせて観客が合唱を始めると、SHINeeが再びステージに登場する。“You 君と出会えてよかった / You 君と歌っていたいんだ”という歌詞には、何重にも折り重なった気持ちが乗せられる。次の「I'm with you」では、“Baby don't cry そばにいるよ / 僕の声よ届いて baby my love love love / So You Can Try 涙を拭いて / 君はもうひとりじゃない You're not alone alone alone”という歌詞をメンバーたちが自らにも言い聞かせるように歌った。



MCでミンホは「このステージを通じて僕たちの気持ちが伝わったら嬉しいです」と話す。続いてテミンが「SHINeeの5人で歌った新曲です」と新曲「Every Time」を紹介する。ジョンヒョンの歌声に合わせてメンバーが歌うミドルテンポのダンスチューンだ。そしてライブは次の「Replay~君は僕のeverything~」でクライマックスを迎える。

最後にメンバーが1人ひとりMCでコメントした。リーダーのオンユは「僕たちと皆さんは同じことを感じられたと思います」と話すと、テミンは「悲しい思いも楽しい思いも全部忘れないでください」と、このコンサートに込めた思いを伝えた。ミンホは「これからのステージも5人で立っているという気持ちで臨みます。そしてみなさんに1つだけお願いがあります。永遠に、永遠にジョンヒョンさんを忘れないでほしいです」と言葉を選びながら声を発し、最後にキーが「これからも見守ってくれると嬉しい」と締めた。以下、そのMCを記したい。


「いつものように、今日も一緒にステージを作ってくれてみなさんありがとうございます。僕たちとみなさんは同じことを感じて、(このライブを)共感できたと思います。これからもみなさんの幸せのために、僕たちは歌い、祈ります」──オンユ

「今まで、僕たちとみなさんで作ってきた想い出がよみがえってきてほんとに幸せでした。今日は、みなさんいろんな気持ちがたくさんあったと思いますが、悲しい思いも、楽しい思いも、絶対忘れない想い出にしてくれますか。これからはまた幕を開けて、もっと絆が固くなったSHINeeとして、そしてテミンとして歩んでいきます。見守ってください!」──テミン

「僕は、いつでもみなさんの力になれる強さがあると思っていましたが、その強さが正解ではないと気づきました。これからは、みなさんにもっと頼りながら、より近い存在になれるようにがんばります。このステージだけではなく、これからのステージも、いつでも5人で立ってるという気持ちで臨みます。そして、みなさん、ひとつだけ約束してほしいです。永遠に、永遠に、ジョンヒョンさんを忘れないでほしいです。どんな言葉でも表現できないけど、大切で大好きだったと言ってあげたいです。いつも、みなさんが僕の希望です。この希望が消えないように、僕は努力をしていきます!」──ミンホ

「今日ベストライブとして、デビューから10年間の思い出を、みなさんと一緒に歌いながら踊りながら思い出すことができたと思いますし、これからも活動していくSHINeeの姿も想像できたと思います。一緒に歌ってくれて踊ってくれてほんとにありがとうございます。このライブのタイトル、『FROM NOW ON』の意味と同じく、これからもがんばりたいですし見守ってくれたらうれしいです。あと今日のライブでジョンヒョンくんと一緒に歌うことができてすごくうれしかったです。皆さん、シャイニーは永遠に5人なので、ジョンくんを絶対に忘れないでください。」──キー


2回目のアンコールに応えたSHINeeは、最後に新曲「From Now On」を歌った。この曲では、ステージに5本のマイクスタンドを立て、中央はジョンヒョンのために空けれられた。赤いバラを胸に刺したメンバーたちは、これからの決意を歌う。そして最後にそれぞれのマイクスタンドに胸のバラを置いた。1つの歴史の終わりと同時に新たな幕開けを感じさせるライブであった。

なお、SHINeeのベストアルバム「SHINee THE BEST FROM NOW ON」のリリースも4月18日に決定した。

取材・文◎宮崎敬太

■<SHINee WORLD THE BEST 2018~FROM NOW ON~>2月26日@東京ドームSETLIST

01.Colors of the season
02.Stranger
03.Everybody
04.Evil
05.JULIETTE
06.Love
07.君がいる世界
08.Diamond Sky
09.Sherlock
10.Love Like Oxygen
11.Hello
12.TO YOUR HEART
13.Dazzling Girl
14.LUCKY STAR
15.Downtown Baby
16.Hitchhiking
17.Why So Serious?
18.君のせいで
19.LUCIFER
encore
20.Sing Your Song
21.I'm with you
22.Every Time
23.Replay~君は僕のeverything~
W encore
24.From Now On

■ベストアルバム『SHINee THE BEST FROM NOW ON』

2018年4月18日リリース
※SHINeeメンバー全員でレコーディングした新曲「From Now On」を収録

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