【千歌繚乱インタビュー】AIOLIN、ヴァイオリンを武器に唯一無二の音楽を

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4月2日(月)に渋谷REXで開催される<千歌繚乱vol.15>に出演のAIOLIN。彼らは東京芸術大学を卒業し作詞作曲からアレンジまで全てを手掛けるヴォーカリスト、ヒカリト(Vo&Gt&Vn&Pf)を中心として結成された4ピースヴァイオリンラウドロックバンドだ。

ヴァイオリンをヴィジュアル系ミュージックに取り入れるという斬新さでシーンを魅了し、2018年2月には始動一周年を迎えた。既に2019年にはTSUTAYA O-WESTでのワンマンライブも決定しているのだが、彼らが見ている未来とはどのようなものなのだろうか。

◆ミュージックビデオ・アーティスト写真

※本記事は4月2日(月)に渋谷REXで開催される<千歌繚乱vol.15>において、来場者限定で配布される「千歌繚乱 ARTIST BOOK」掲載のインタビューの一部を事前に公開するもの。「千歌繚乱 ARTIST BOOK」ではメンバーへの一問一答アンケートなど、より深い内容が掲載されている。

   ◆   ◆   ◆

――AIOLINといえば、やはりヴァイオリンにまず目を引かれますよね。バンド名もヴァイオリンとかけているのでしょうか?

ヒカリト(Vo/Gt/Vn/Pf):バンドコンセプトとして僕達が掲げるのは「哀愁のヴァイオリン」と云うキーワード。これを縮めると「AIOLIN(アイオリン)」の名が浮かび上がります。一つ一つの楽曲に様々なアプローチでヴァイオリンやピアノの音色を取り入れていくスタンスを貫き、そのサウンドに乗せて表現したい物語や伝えたいメッセージを唄っています。言わば詩的なコンセプトが「哀愁」、サウンド面でのコンセプトが「ヴァイオリン」それが合わさってのバンド名と云う解釈もして頂けるのかなと。

――ヴァイオリンをバンドに取り入れようと思ったのは?

ヒカリト:バンド活動を始めた当初はヴァイオリンを取り入れるという発想は無くて。AIOLINを結成する前のバンドでもレイスとSeiyaと一緒だったんですけど、その時は上手ギターでした。「バンドではギター一本で勝負してやるんだ」と。そして現メンバーになった時にギターボーカルと云う形でボーカルに転向しました。ヴァイオリンを取り入れる引き金になったのは、エンジニアさんだったり現場で会う様々な関係者の方々のアドバイスや、メンバーの後押しもあって自分が持てる技術は全てバンドの為に惜しみなく使わなければ、と強く思って現在のスタイルに辿り着きました。

レイス(B):昔からヒカリトがヴァイオリンを弾けるということは知っていたので、「唯一無二の存在になるためにはヴァイオリンを使ったほうがいいんじゃないか」という提案はしましたね。

ヒカリト:バンドコンセプトでもある以上、やはりヴァイオリンが第一印象として目立っているんですけど、僕達はあくまで一つのフックだと思っていて。「哀愁のヴァイオリン」がもたらすサウンドの個性を一つの入り口として、AIOLIN楽曲そのものをしっかり聴いて欲しいなと思っています。


▲ヒカリト(Vo&Gt&Vn&Pf)

――そもそもヒカリトさんはヴァイオリンだけでなくピアノやギターも弾くし歌うし、作詞作曲も担当していますもんね。

ヒカリト:そうですね。少しやり過ぎなくらいですが、前述の通り自分に出来る事は全てこのバンドの為に使いたいと思っています。ヴォーカリストと云うよりAIOLINの「表現者」だと捉えてくだされば。

――ヴァイオリンやピアノを始めたきっかけは?

ヒカリト:物心ついた時にはもうヴァイオリンを手にしていました。両親が二人とも音楽家だった影響で楽器を始めた三歳の時からクラシックの世界へ。ヴァイオリンとピアノはずっとやってきて不思議と嫌いになったことは一度も無いですし、いつも自然に傍に在るものと感じながら大人になりました。

――このメンバーはどうやって集まったのでしょうか。

Seiya(Dr):僕と悠は学校の知り合いで。

ヒカリト:レイスとは地元も一緒で長い付き合いになりますね。彼がベースを始めた時の事も覚えてますし。

――レイスさんはどんなきっかけでベースを始めたんですか?

レイス:高校の部活ですね。その部活はギターとか人気がある楽器は面接しなければいけないっていうルールがあって。面接が嫌だったんでベースにしよう、と思ったのがきっかけでしたね。本当はギターがやりたかったです(笑)。

悠(G):意外! 逆に俺はドラムがやりたかったんだよね。でもドラムを練習できる環境がなくて、どうしようかなって悩んでたときにギターを譲ってもらったのでギターを始めた。

――本当は違う楽器がやりたかったんですね。Seiyaさんはもともとドラム志望でしたか?

Seiya:はい、ドラムを始めたのには2つ理由があって。ひとつはドラマーだった父親の影響。もうひとつは根暗な自分を変えるため。自分に自信を持つため、何か真剣に打ち込めるものが欲しいと思っていたんです。

ヒカリト:そう言えば皆の楽器を始めたきっかけって意外と聞いた事が無いから新鮮。インタビューって楽しいですね(笑)。

――ヒカリトさんはボーカル、ヴァイオリン、ピアノ…どれをやっているときが一番好きなんですか?

ヒカリト:その発想は無かったな…。どのパートが一番!というより自分が届けたい音楽を表現する為に全部やってるので、どの楽器も同じくらい好きだし順番は付けられないですね。


▲悠(G)

――そんなみなさんは、お互いのどこをリスペクトしていますか?

レイス:ヒカリトに対しては「こんなやつはどこにもいない」って思っています。

悠&Seiya:うんうん。

悠:前身バンドのときにギターを弾いていた姿を見た時点で、これはついていく以外ないって思いましたね。

ヒカリト:レイスは長年一緒に居てもう気心知れているというか、こんなベースラインが聴きたい!というのを理解したベースをいつも弾いてくれるんですよね。

悠:あと笑顔がめっちゃいい。

レイス:Seiyaはストイックなところ。練習にも打ち込むし、いろんなことに真面目に。取り組んでるところがすごいと思っています。

ヒカリト:今のメンバーでバンドを結成する時も、本当にたくさんの人から「一緒にバンドしよう」「うちに入ってくれ」って声を掛けられたりしていたんです。それでもこのメンバーを選んだ大きなきっかけの一つにSeiyaが「ヒカリト氏の楽曲なら絶対に上に行けるから、俺は一緒にやりたいです!」って強く言ってくれたんです。真夜中に家まで車で来てですよ?ここぞって時に彼は一番熱い気持ちを伝えてくれるんです。

レイス:悠は物事を冷静に判断できる。そこは結構リスペクトしてます。

ヒカリト:自分含め他のメンバーも一度こうと決めたら勢いだけで進みがちな部分もあるんですが、そんな時に悠は冷静に「ちょっと待て」と言ってくれる人。誰かが感情的になっていたら収めてくれるし、バンドのことを客観視できる男です。デザインやグッズ周りも彼が担当していますよ。

悠:ロゴ、グッズのデザインなどは、ほとんど僕がやってるんです。

――そこまで自家製だったんですね!

ヒカリト:音源や楽曲は勿論、バンドの事は出来る限り自分達でやる、外注はしない、というモットーがあるんですよね。

悠:第三者に頼むとどこかで妥協してしまうこともあると思うし、思い通りのものができないこともあるから…。

ヒカリト:自分たちで自分たちが納得出来るものを作りたいと思っています。


◆インタビュー(2)へ

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