【鼎談】千秋[DEZERT] × 尋[NOCTURNAL BLOODLUST] × 暁[アルルカン]、「最強でしょ？ 何も考えず遊ぼって感じなんだから」

■バンドなんて、どこでやったって自由
■ヴィジュアル系こそ何やったっていい──尋

──主催者がいちばん暴れて騒いでるっていうのもね。

千秋：だから、ノクブラの曲はムズいですけど、オレがギター持って飛び入りすることもあるかもしれない。DEZERTがトリなので何やったっていいじゃないですか。暁とは一回弾き語りやろうかなって。

暁：ははははは！

尋：その話、聞いてた？

暁：以前、1回やったことあるんですよ、ふたりで弾き語りを。

千秋：オレはもうハモりも練習してるから。ノクブラは種類こそ違うけど、オレもゴリゴリ系は好きだからギターで混ざってやろうかなと。

尋：入場から出てきたらいいんじゃない？　オレの代わりに（笑）。

千秋：主催じゃなかったら、絶対やらないですけどね。オレは楽しければいい。アルルカンの堕門ちゃん潰しに行くのもありだし（笑）。

暁：ははは。見たいかもしれない（笑）。

千秋：ノクブラだったら、ウォールオブデスの指揮ぐらいとってもいいかな。

尋：じゃあ、オレは暁くんと同じ髪型にするわ（笑）。

暁：できないでしょ？

尋：ウィッグつけて。

暁：そこまでするんだ（笑）。

千秋：じゃあオレは脱ぎますわ。尋くんみたいにムキムキに仕上げて。

▲尋[NOCTURNAL BLOODLUST]

──この短期間で筋肉を（笑）。

千秋：そう、“アイツのプロ意識すごいな”ってなりますよね（笑）。さっき2年前の話をしたのは、あの頃は勢いでやってたけど、今はそれぞれ良い意味で考える時期に来てると思うということで。オレが思うに、何も考えずにグワーッて動いてたバンドって結局、解散してるんじゃないかな。考えてる人たちだけが残っている気がする。だから、このイベントツアーも何か考えるキッカケになればいいし、刺激を受けてまた自分の場所に戻るような。みんな考えてるから、さっきの企画意図みたいな話が出てくるんだろうし、だけど、何が正しいのかわからないから“とりあえずやってみようぜ”っていうことなんです。

──この3バンドが中心になって盛り上げてくれるんじゃないかっていう期待をしている業界人も多いと思うんですよね。

千秋：そういうヤツらは関係者しょ？ 上からの意見はどうでもいい。ただ、チケット買って見に来てくれてる人から、オレがはしゃぎすぎて「アイツ、うざい」って言われたら反省するけど。

──反省するんですか？

千秋：します、嫌われたくないもん。人から嫌われたいなんて、ただのヤバいヤツでしょ（笑）。

尋：前回の【This Is The “FACT”】でも「嫌われたくない」と言ってた（笑）。

千秋：だからノクブラで舞台上手に行きすぎて「Natsuちゃんが見えない。邪魔」って言われたら気をつけるし、「もっとギター練習して来い」って言われたらするし、「オマエ、メタルわかってない」って言われたら聴くし。

尋：まぁ、楽しいことやるのが前提だから否定したり、悪く言うのはどうかな？と思う。言うヤツもいないと思うけどね。

千秋：（暁に）いる？

暁：否定じゃないやろうけど「千秋が苦手」っていうのはあるかもね。でも観て欲しい。オレはどの千秋も楽しみ。

尋：それってイメージが先行してるんじゃない？　ノクブラも「激しいから無理」って言われるけど、ライブに来たら絶対楽しいし。

▲NOCTURNAL BLOODLUST

──あと、3バンドとも“異端”って形容されることが多いんじゃないかと思います。その辺についてはどう思ってます？

千秋：オレらはいちばんストレートなバンドですよ。ほかに異端なバンド、いっぱいおるよな？

尋：オレは言われてたけどね。「化粧しないでメタルやれよ」って言われたし。

──ノクブラはヴィジュアルとかラウドの境界線を作らないで活動してきたバンドですもんね。

千秋：そのスタンス、続けてほしいですね、日本にこんなバンドいないから。オレは“ラウドに殴り込み！”とか怖くて無理です（笑）。ノクブラには個人的なファンとしても続けていってほしい。

尋：最初はメタルで、ヴィジュアル系で土台を作って、またメタル畑でやったり。もともと、どっちでもやりたかったんですよ。自分的にはもともとやってたから、別に殴り込みに行ってないんです。でも、やり続けたことで昔は異端って言われていたのが、今はそれが当たり前に変わったから。

暁：場数ですね。

尋：みんなの視野が狭かっただけです。バンドなんて、どこでやったって自由だし、特にヴィジュアル系こそ何やったっていいジャンルでしょ？　最初は「何でここでやってるの？」みたいに扱われてたから“何でそんな言われ方しなきゃいけないの？”と思いながらやってて。結果、続けることが大事だったっていう。DEZERTはそういう言われ方しない？

千秋：オレらはバンドのスタイルとしてはオーソドックスだと思う。ギターを持って歌うと「普通のロックバンド目指してるの？」って言われて、「いや、弾きたいから弾いてるんですけど」みたいな。ヴィジュアル系ってなんでもありだと思うし、いつからそんな「これはやっちゃダメ」みたいな先入観ができたんだろう。つまんないよね。アルルカンなんて、この中でもひときわ衣装がスゴイでしょ？

暁：ははは！

千秋：オレら絶対、あんな衣裳着られへんもん。その点で独自のスタイルというかパフォーマンスなんじゃないかなって。オレらはずっと衣裳変わらないし、オレはずっと白シャツやし。

暁：僕はずっと、普通だと思ってやってるよ。

千秋：アルルカンは普通じゃないよ。昔、国立代々木第二体育館でやった＜Tokyo Chaos＞のイベントに出た時、アントマンみたいな衣裳やったもんな（笑）。

暁：あ～、あったね。

千秋：すっげえピチピチで正義のヒーローみたいだったから、ずーっと楽屋でイジってたんですよ。「『アベンジャーズ』に入れるよな」って（笑）。だけど、そんな派手な格好してるのにライブが始まったらめっちゃ熱くて、でも、その違和感が心地悪くはないんですよ。“見てる人はどう思うんやろ？”ってアルルカンにすごく興味持って。

──暁さん、千秋さんに反論ないんですか（笑）？

暁：いや、さっき言ったように、僕は普通だと思ってるんで。

千秋：タイトル変えようか。【This Is The“FUTU”】（笑）。

尋：【This Is The“BASIC”】（笑）。

──【This Is The“STANDARD”】（笑）。

暁：いいですね（笑）。

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