【インタビュー】地獄ヘルズ、3バンドが合体した地獄のロックンロールアルバムが完成

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THE SLUT BANKSの板谷祐(vo)、戸城憲夫(b)、金川卓矢(dr)と、Droogのカタヤマヒロキ(vo)、荒金祐太朗、そして首振りDollsのナオ(vo)、ジョニーダイアモンド(g)、D’ERLANGERの菊地哲という錚々たるメンバーが顔を揃えた地獄ヘルズ。活動を始めた当初から大きな話題を呼んでいた彼らが、1stフル・アルバム『地獄のロックンロールファイヤー』を完成させた。ロックンロールの匂いとキャッチーなメロディー、パワフルなサウンドなどを融合させた地獄ヘルズの音楽性は独自の魅力と爽快感に溢れている。さらに同作はDIE(key)が参加して華を添えていることも見逃せない。アルバム・リリースを機に、さらに加速していくことを予感させる地獄ヘルズのインタビューをお届けしよう。

◆地獄ヘルズ~画像~

板谷祐 (Vocals) from THE SLUT BANKS
カタヤマヒロキ (Vocals) from Droog
ナオ (Vocals) from 首振りDolls
荒金祐太朗 (Guitars) from Droog
ジョニーダイアモンド (Guitars) from 首振りDolls
戸城憲夫 (Bass) from THE SLUT BANKS
菊地哲 (Drums) from D'ERLANGER
金川卓矢 (Drums,Percussions) from THE SLUT BANKS

■みんなでスタジオに入ったのはレコーディング前日の3時間だけ(笑)
■結構ザックリした感じで曲作りは進めていったんだよね


――まずは地獄ヘルズを結成した経緯などを、話していただけますか。

戸城憲夫(以下、戸城):3年くらい前にDroogと知り合いになって、良いロックンロール・バンドだなと思ったんだよね。それで、対バンをやることにしたら、彼らが首振りDollsを連れてきた。首振りDollsもカッコいいバンドで、それなら3バンドでツアーをやろうよという話になって。それが実現して、アンコールの時にセッションでTHE SLUT BANKSの曲をやったんだ。そうしたら、すごく楽しくてさ。で、Droogも首振りDollsも九州出身のバンドで東北とか北海道には行ったことがないから、行ってみたいと言うんだ。でも、北海道に行こうと思ったら、金が掛かるじゃん(笑)。だったら、3バンドでCDを作って売ろうということになった。Tシャツの売り上げとかじゃ、札幌には行けないから(笑)。それで、3バンドでCDを作って、北のほうにツアーに行って…という風にしていたらすごく面白くなって、3バンド混合のバンドを組むことにしたんだ。

ナオ:そういう流れで地獄ヘルズが始まったんですけど、「やろうよ!」という話がちゃんと出たわけじゃなくて、ライブのアンコールの時に、このメンバーでセッションをやり始めて、気がついたらバンド名義でCDを作ろうということになっていました(笑)。それは、私にとってすごく嬉しいことでしたね。一緒にセッションするとかじゃなくて、このメンバーで音源を作れるんだと思って。3バンドの中では首振りDollsが一番活動歴が浅いので、仲間に入れてもらえることが嬉しかったです。

カタヤマヒロキ(以下、カタヤマ):アンコールのセッションから始まって、“地獄ヘルズ”というバンド名も居酒屋で飲みながら決めた…みたいな(笑)。そんな風にノリの延長で始まったバンドだけど、楽曲とか音のことにはすごくこだわっているし、コンセプトも無い無いと言いながら、しっかりあるんですよ。だから、すごく楽しいと同時に勉強になることが沢山あって、有意義な時間を過ごさせてもらっています。

板谷祐(以下、板谷):俺はどんどん曲ができていく中で、“マジで?”と思ってた(笑)。マジで、やるのかと(笑)。でも、このメンバーで音を出したり、一緒にツアーに出たりするのは本当に楽しいから、否定的なことを言う気にはならなくて。そうこうしている内に、気がついたら巻き込まれていました(笑)。でも、レコーディングしてみたら、このメンバーはすごくバランスが良いし、ノンストレスでやれるんですよ。だから、今は巻き込まれて良かったなと思っています(笑)。

金川卓矢(以下、金川):俺は初めてDroogとか首振りDollsと対バンした時から、こいつらと曲を作ったりライブをしたら楽しいだろうなと思いました。それは、彼らとは年齢が近いからというのもあったと思う。なにせ、普段は大先輩の中で一人だけ若い……いや、若くはないけど(笑)、年上のレジェンド・クラスの方々に揉まれているから、同世代のバンドと対バンできるのはすごく楽しくて。だから、このメンバーでバンドという形になって、アルバムも作ることができて良かったなと思います。

ジョニーダイアモンド:本当に、気づいたらこんなに凄いことになっていたという感じだし、このバンドは初めてのことが多いんですよ。こんなに大人数のバンドは初めてだし、ギター二人でやるというのも初めてなんです。“初めて尽くし”だから新鮮さがあるし、勉強になることもいっぱいあって、ずっと楽しくやれています。良い機会を与えてもらって、ありがたいなと思いますね。

荒金祐太朗(以下、荒金):戸城さん、板谷さん、金川さんは本当に凄いプレイヤーですし、僕もツインギターは今まで経験がなかったんです。だから、このメンバーで演奏することが大きな糧になっています。特にレコーディングできて、そこでいろんなことを学べたというのは大きいですね。地獄ヘルズの活動を通して吸収できるものは、もう全部吸収してやろうと思っています。


――皆さん充実感を得ながら地獄ヘルズを楽しまれているんですね。では、1stアルバム『地獄のロックンロールファイヤー』について話しましょう。アルバムを作るにあたって、構想などはありましたか?

戸城:それは、あまり考えていなかった。このメンバーで良いなと思うものを形にすれば、結果は自ずとついてくるだろうと思っていたから。それに、バンド名が地獄ヘルズだからさ(笑)。どういう音楽が合うかは改めて話し合わなくても、みんなイメージできただろうし。それに、ギタリスト二人が、俺達の知り合いにはいないタイプだから。俺らの世代のギタリストで周りにいるのはジェットフィンガーとか、そんなのばっかりだから(笑)。要は、メタル系ギタリストだよね。俺はロックンロール・ギターがすごく好きだし、(荒金)祐太朗とジョニーがギターなら、俺が作った曲もTHE SLUT BANKSとはまた違ったテイストになるだろうというのがあって。だから、制作に入る前にメンバーで綿密に話し合って…みたいなことはなかった。そもそもね、今回は曲ができるまでのやり取りが、グループLINE上だけだったんだ(笑)。首振りDollsは、北九州在住だから、みんなで集まって音を出せる機会がなくて。それで、俺がデモテープを作って、曲構成を書いたのをグループラインに上げて、それにボーカルの三人が交換日記みたいなやり取りをして詩をつけて…という感じだった。今回はナオとジョニー、祐太朗が書いた曲も入っているけど、それも彼らが上げたデモを俺がちょっとアレンジして、大体の曲構成だけを決めていって。みんなでスタジオに入ったのは、レコーディング前日の3時間だけだったんだ(笑)。そんな風に、結構ザックリした感じで曲作りは進めていったんだよね。

――そういうやり方でバンド感のある作品になったのは、さすがです。『地獄のロックンロールファイヤー』の軸になっているのはロックンロールが香る独自のハードロックで、なおかつキャッチーという方向性ですね。

戸城:一言で言えば、70年代っぽいような気がするんだよね。俺は70年代のロックが好きだし、Droogと首振りDollsのメンバーも若い世代なのに、そういうのが好きなんだ。彼らは、現代っ子ではないんだよね。それに、キャッチーということは常に意識している。だから、地獄ヘルズの楽曲は、自分の中にあるロックンロールを形にしたという印象かな。『地獄のロックンロールファイヤー』に入っている曲は、もう全部気に入っているよ。

ナオ:私もどの曲も好きですけど、特に思い入れがある曲をあげるとしたら「デストロイヤー」です。戸城さんのデモにはメロディーもついているんですけど、この曲はメロディーがほとんどついていなくて私が考えたんです。だから、思い入れが強いし、一番ふざけられた。作詞に関しても、歌に関しても一番ちょけれたというか、ロックンロールの良い意味でのふざけた部分が出せたかなと思います。

戸城:他の曲は俺がメロの指定をしたけど、「デストロイヤー」はサビとか中間の“泣き”のところだけ考えて、Aメロはボーカル三人に、好きなように歌ってもらう予定だったんだ。1曲の中で三人それぞれの個性を出せたら面白いだろうなと思って。そうしたら、ナオ君がメロディーを考えて、“デストロイヤー!”というリフレイン・コーラスも勝手につけてきたという(笑)。それがすごく良かったから“三人の個性案”は却下して、ナオ君のメロディーでいくことにしました。

――「デストロイヤー」は、デンジャラスな歌中とメロディアスなサビ・パートのコントラストも光っています。あと、ナオさんは、今回「ヤバいヤツ」という曲を書かれていますね。

ナオ:「ヤバいヤツ」は、アルバムを作るから、なにか1曲書いてきてという話になった時に、地獄ヘルズでやるなら、こういう曲をやりたいなと思って作った曲です。テーマ的には、不良っぽいというか、地獄っぽいというか。酒とかをイメージしながら曲作りと作詞をしました。メロディーに関しては地獄ヘルズ向けに…みたいなことは全く意識していなくて、自分の中から自然と出てくるものを活かしたんですけど、それを板谷さんとカタヤマ君が歌っているのがすごく新鮮で、面白かった。“こんな風になるんや”と思いました。

カタヤマ:僕の中で印象が強いのは、2曲目に入っている「Welcome to the HELLZ」です。1曲目の「地獄の一丁目」はオープニングSE的なインストなので、「Welcome to the HELLZ」が実質的なアルバムの1曲目ですね。で、歌い出しの“ハロー ようこそ地獄の奥底まで”というのを僕が歌っているんですけど、「そこは、“こんにちは!”という感じで歌って」と言われて(笑)。それで、地獄感をイメージしつつ爽やかに“ハロー”と歌っているので、ぜひ聴いて欲しいです(笑)。

――たしかに、バンド名や写真を見てドロドロした世界をイメージしていたら歌い出しがイケメン声で、“あれっ?”と思いました(笑)。

カタヤマ:アハハ(笑)。でも、使うことにしたのは最後に歌ったテイクで、それまでの歌録りで声がガラガラの状態だったんですよ。それまではもっと嗄れていなくて、きれいな感じだったんですけど、フィットすることを考えて嗄れた声のトラックにしたんです。それは正解だったかなと思いますね。

板谷:今回は、やっぱりナオ君が書いた「ヤバいヤツ」とジョニーが書いた「地獄のサンダー超特急」、祐太朗君の「ヘルズ・ボーイズ」が強く印象に残っています。戸城さんと俺はTHE SLUT BANKSでずっと一緒にやっているから、戸城さんの曲は自分の庭みたいな感覚なんですよ。だから、三人が書いた曲を歌うのが新鮮でした。こんな感じで…というメロディーやアレンジがあったとしても、歌はニュアンスとかも大事だから、その辺を踏まえて伸び伸びと歌わせてもらえたのが楽しかったです。

金川:どの曲も楽しく叩けたけど、強いて1曲あげるとしたら祐太朗が書いた「ヘルズ・ボーイズ」かな。『地獄のロックンロールファイヤー』は全体的にハードロックだったり、バッドボーイズな感じが出ているけど、「ヘルズ・ボーイズ」はDroogっぽいというか、結構ポップな曲ですよね。THE SLUT BANKSにはあまりないし、首振りDollsにもない感じの曲を戸城さんがアレンジして、俺らが演奏することでゴリゴリな感じになったのが面白かった。最初はシャープなエモ系みたいな感じだったのが、ぶっといロックになりましたね。「ヘルズ・ボーイズ」は元々のデモの時から良いなと思っていたこともあって、俺の中で推し曲です。

荒金:ありがとうございます(笑)。「ヘルズ・ボーイズ」はナオ君と同じように、なにか1曲書いてきてと言われて。せっかく一緒にやるなら自分がやっているDroogっぽいニュアンスを聴いた人に感じてもらえるものにしたいなと思って書きました。あとは、ツインギターでやるのは初めてなので、ギターの絡みがあるようなアレンジにしたというもあって。それに、ライブで演奏した時にお客さんも盛り上がれるというか、一緒に遊べるような曲にしたいと思いながら作っていきました。

ジョニーダイアモンド:僕が好きなのは、最後に入っているバラードの「腐るまで」です。もちろんゴリゴリな曲も好きだけど、この曲はデモを聴いた時に感動してしまって、めちゃめちゃ良いなと思って。「腐るまで」が最後に入っていることで、アルバムを聴いた人は“ごちそうさまでした。ありがとうございました”という感じになりますよね。「腐るまで」というすごいタイトルだけど、染みる歌詞というのも良いし。僕は、この曲があることで、地獄ヘルズが一層楽しくなったんです。

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