【インタビュー】MONKEY MAJIKが生み出した“神秘”

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MONKEY MAJIKが3月21日、11枚目のオリジナルアルバム『enigma』をリリースする。

本作のテーマはその名の通り、“enigma=神秘、謎、解き明かせないもの”。2017年4月〜7月にかけて47都道府県のライブハウスを巡るツアーを敢行し、日本をその目で見てきた彼らが、日本独自の概念や相反する複合的な魅力を“enigma”として表現したという。気になったのは、このテーマをもとにどんな歌詞が生まれたのかだ。より深くアルバムの世界へ入り込むには内容を理解することが必須だと考え、英語の歌詞の部分を和訳したうえで彼らから詳しく話を訊いた。

これまでそのストーリーについて多くを語ることがなかったMONKEY MAJIKが歌詞に込めた思いとは。

  ◆  ◆  ◆

■これは完全にジャパニーズアルバムだね

──アルバムのテーマは47都道府県ツアー前に決めていたものですか? それともツアー後に?

Maynard(Vo&G):ツアーのあとですね。アニメのインスピレーションとか、和楽器を入れたニュアンスとか日本のエッセンスが入った曲が2〜3曲できていて、少し見えてきた部分があったので「せっかくだったらじゃあそういうテーマにしようか」ってなんとなく思っていたんです。もちろん無理やりにではないんだけど、ちょっとテーマを設けたら制作がすごく楽しくなっていきました。

Blaise(Vo&G):ツアーで100日くらいかけて全国を周っていたから、毎日ライブだけじゃなくて散歩もして、おもしろいところや行ったことがないところにたくさん行きました。お寺とか神社とか、聞いたことがない場所が多かったです。そんな1年を過ごしていたなかで洋楽っぽい曲を作ったら合わないなって。絶対にそこからいろんなインスピレーションがきましたね。

▲Blaise(Vo&G)

──日本のどんなところに神秘的な部分を感じますか? 今仰ったように、やはりお寺や神社などのクラシックなものに対してでしょうか。

Maynard:日本はクラシックでありながらすごくモダンな国だと思うんです。日本の文化の研究者などはよく“enigma”っていう言葉を使いますし、パラドックスが多い国って表現することが多い。でも、実際に住んでみて、神秘的だなってそんなに思ったことはないんです。住んでいると自分のホームになるし。でも、外から見てたしかにそういう風に感じるところもあるよなって。住んでいる人は気づかないかもしれない、その時点で神秘的なんですよね。ミステリーが魅力なんじゃないかな。今回のアルバムでは、そこにすごくインスパイアされたような気がします。

──日本のようにモダンとクラシックが混在していて、どちらも文化として成り立っているような国は珍しいんですか?

Blaise:もちろん。アメリカやカナダとか、ヨーロッパの国は時代とともにどんどん変わっていきましたけど、日本にはクラシックな部分がちゃんと残っています。美しさ、それだけで新しい文化になっていると思いますね。そのエッセンスをこのアルバムで使いたくて、いろんなジャンルの曲を入れました。演歌っぽい曲、R&B、HIPHOPのビートも入っている。これは完全にジャパニーズアルバムだね。

▲TAX(Dr)

──今まで英語の歌詞の訳を出したことって無いですよね。

Maynard:無いですね。

──なので今日はそこに切り込んでみたくて。歌詞の内容に触れながら進めさせてください。1曲目「Tokyo lights」はどのような曲ですか?

TAX(Dr):東京を“光の森”に例えているんですが、強い光を生み出すところに生物って吸い込まれていくじゃないですか。そこで織り成すストーリーを描くにあたって、生きているものの存在が人間だけって感じにしたくなかったんですよね。そこを行き交うのは人なのか、動物なのか、虫なのか。ファンタジーな感じにも仕上げたいっていう気持ちがあって。それの起点になるもの、核になるものは何かなって考えて、まずは日本橋を起点に考えてみたらおもしろいかなと思ったんです。日本橋にはシンボルとして麒麟と獅子の像がありますが、それが生物たちが行き交う姿をおもしろおかしく空から見下ろしているというような世界観を表現しました。

──実際にある彫刻をモチーフにして想像を膨らませたんですね。

TAX:でもそれって、日本橋ができたときから続いていて、そこから考えると今も昔も変わらないだろうし、これから先も変わらないだろうと思ったんです。この曲がずっとフレッシュなままでいられるにはどうしたらいいかなっていう部分も意識しながら作った曲ですね。

──いろんな生物が集うという点で、東京出身じゃない人だからこそ感じられることを歌った曲なのかなと思いました。さっきMaynardさんが仰っていたように、東京で生まれ育った人には街の賑やかさやビルの明かりなどは珍しくないものだと思うので。“海”でも“山”でもなくて“森”という言葉を使った理由もわかってスッキリしました。

TAX:そこに吸い寄せられるっていう集合体になってくると、森っていうことになっちゃうのかなって(笑)。

DICK(B):分解できるってことね(笑)。

Blaise:英語の歌詞だと「The diamond in the sea」、「海」っていう単語も入っています。地図で見ると日本はダイヤモンドみたいな形の国に見える。海のなかにある大きいダイヤモンドっていうイメージだね。北海道の形の印象に引っ張られているからかもしれないけど。

◆インタビュー(2)へ
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