【インタビュー】人間椅子・鈴木研一的考察「最高にカッコいいMV」

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■誰かが死ぬまでやっていきたい

──『おどろ曼荼羅〜ミュージックビデオ集〜』には封入特典が付いているんですね。

鈴木研一:特賞は、人間椅子のメンバーが会いに行きますというものなので、俺らとしては北海道とか沖縄の人に当たって欲しい。そしたらレコード会社の予算で俺ら遊べる(笑)。

──そういう事を言っていると、都内の人に当選したりするものです。

鈴木研一:遠くに行きたいなあ。島根あたりの温泉に浸かりたい。

──あの、新曲の話も聞きたいんですけど。

鈴木研一:あ、「命売ります」?これはテレビ東京の意見が相当反映されたビデオです(笑)。最初はバンドっぽい映像だったんですけど、ドラマ映像をもっと盛り込んでほしいと言われまして、2回くらい直されたっていう(笑)。でも結果的には躍動感が出て良くなったと思うんですよね。なんだかんだテレビ局の人の言うことは的を射てるんだなって。



──活動30年にして、新たに発見したことはありましたか?

鈴木研一:この曲もそうだし、その前の曲も和嶋君の曲ですけど、彼は締め切り直前まで遊んで遊んで遊んで、そのあと一瞬で作ってるんです。「だったらもっと早く作れよ」ってスタッフは思っているかもしれないけど、それがいい曲を作るコツなんですよ。俺と違って、本当はもっともっと上へ行っていい人だと思うんです。最先端というかトップに行けるぐらいの力はあるんだけど、ハードロックという道を選んだおかげでずっと下の方にいる。もっと上のほうに行って欲しいと思っているから、タイアップでガンガン曲を作っていろんなところから依頼が来ればいいなあと思ってるんだけどね。ハードロックじゃないアイドルものみたいなの曲とか何でも作れるんですよ。もったいないですよね。

──鈴木さんの野望は?

鈴木研一:俺?なんだろう…ハードロックの普及ですかね?

──やっぱり(笑)?

鈴木研一:まだまだ聴いてないCDがいっぱいあるから、もっとガンガン聴きたい。人間椅子の野望という意味では、それは特にない。長く続けられればいい。そこは譲れないんだけど、誰かが死ぬまでやっていきたい。でも残念なことに、爆発的に売れたいっていう気持ちはないんだな、これが。だからね、レコード会社と温度差があるんですよ(笑)。

──ハードロックの人ってみんなそういう精神性だと思うけど。じゃなきゃ、あんな音楽やってないでしょ。

鈴木研一:売れようと思って作ってないですよね。カッコいいと思って作った物が売れたってだけ。AC/DCの『バック・イン・ブラック』だって売れようと思って作ってないですよ。

──ほんとにそう。

鈴木研一:ポップスに歩み寄る姿勢がないから、売れたんすよね。

──レコード会社も、売れようと思って作ってないことは百も承知でしょう。売れる曲を作ってくれって言うリクエストも受けたことないでしょ?

鈴木研一:そうですね。でもそれなりにハードロックを普及しましてですね、日本の土壌に1970年代ハードロックができれば、自然と人間椅子も売れるんじゃないかと。

──ハードロックの土壌を作るというのは素敵なことですね。日本人の10人にひとりくらいはロブ・ハルフォードの名前を知っているようにならないと(笑)。

鈴木研一:それくらいじゃないと人間椅子が売れる状況にはならないですよね。「やっぱモーターヘッドいいやねえ」って会話が聞こえてくるくらい。

▲モーターヘッドのパーカーの中にモーターヘッドのTシャツを着用して満面の笑みを浮かべる鈴木研一

──ナイキのスウッシュマークは街でもよく見るけど、モーターヘッドのロゴはなかなか出会わないもんね。

鈴木研一:これがバンドだって知らないで着てる人もいるんですよね。ザ・ローリング・ストーンズもそうだけど。

──ベルベッド・アンダーグラウンドのバナナ(アンディ・ウォーホル)もそうですね。

鈴木研一:そういう手段でもいいですよ。そこからハードロックを知って聴いてくれればいい。でも、ハードロックがくる土壌はまだまだちょっと見えないな。なんだろ、ゲリラ的に電波流すしかねえのかな?違法電波で(笑)。

──まずは、車に乗って走り回りましょうか。その撮影から始めましょう。

鈴木研一:あはは、そうですね(笑)。

取材・文:BARKS編集長 烏丸哲也

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▲DVD/Blu-ray『おどろ曼荼羅~ミュージックビデオ集~』

DVD/Blu-ray『おどろ曼荼羅~ミュージックビデオ集~』

2018年4月4日(水)発売
■Blu-ray / TKXA-1119 / ¥3,704+税
■DVD / TKBA-1251 / ¥2,778+税

全16曲収録 ※( )内は、オリジナル作品リリース年
りんごの泪(1990)
夜叉ヶ池(1991)
ギリギリ・ハイウェイ(1995)
ダイナマイト(1995)
幽霊列車(1999)
怪人二十面相(2000)
見知らぬ世界(2001)
東洋の魔女(2003)
洗礼(2004)
品川心中(2006)
浪漫派宣言(2009)
なまはげ(2014)
宇宙からの色(2014)
恐怖の大王(2016)
虚無の声(2017)
命売ります(2018)

<おどろ曼荼羅〜人間椅子2018年春のワンマンツアー>

2018年
4月1日(日)香川・高松 Olive Hall
4月3日(火)兵庫・Chicken George
4月5日(木)福岡・DRUM Be-1
4月7日(土)沖縄・桜坂 セントラル (沖縄公演のみオープニングアクト:地獄車)
4月9日(月)大阪・umeda TRAD(前AKASO)
4月11日(水)愛知・Electric Lady Land
4月18日(水)北海道・cube garden
4月20日(金)宮城・SENDAI CLUB JUNK BOX
4月22日(日)青森・Quarter
4月24日(火)栃木・HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
4月27日(金)東京・TSUTAYA O-EAST

<人間椅子提供 地獄の感謝祭〜第三弾>

2018年5月14日(月)東京・TSUTAYA O-WEST
出演:人間椅子/NoGoD
開場18:30/開演19:00
前売り¥5,000/当日¥5,500(別途1ドリンク¥600)
※3才以上要チケット
一般チケット発売日:2018年4月15日(日)10:00〜
チケットぴあ、ローソンチケット、e+
※人間椅子FC先行販売あり

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