ジミ・ヘンドリックス、ジョニー・ウィンターとのレコーディング秘話

ツイート

ジミ・ヘンドリックスの未発表スタジオ音源からなるニュー・アルバム『ボース・サイズ・オブ・ザ・スカイ』のプロデュース、エンジニア、ミックスを手がけたエディ・クレイマーが、当時の制作秘話を明かしている。

◆ジミ・ヘンドリックス画像、動画

『ボース・サイズ・オブ・ザ・スカイ』は、2010年の『ヴァリーズ・オブ・ネプチューン』、2013年の『ピープル、ヘル&エンジェルス』に続く3作目の未発表録音集となるアルバムだ。1968年1月から70年2月の間にスタジオ録音された音源より、10曲の未発表曲を含む全13曲が収められている。

生前のジミ・ヘンドリックスの作品すべてに関わってきたクレイマーは、ヘンドリックスとジョニー・ウィンターが1969年にニューヨークのスタジオ“レコード・プラント”で行なった本作収録曲「Things I Used To Do」のレコーディングの様子を次のように振り返っている。

「NYのシーン・クラブでジョニー(・ウィンター)がジャムっていた時、ジミが入ってきて、ふたりのジャムが始まった。意気投合して、ジミが“これスタジオでやろうぜ!”ということになってあの曲(「Things I Used to Do」)が録音されました。想像してみてください! 8th Avenueを真夜中に歩いていて、シーン・クラブから出てくるジミ・ヘンドリックスに出くわす場面を。羽根のついた帽子をかぶり、あのコスチューム、あのアクセサリー、ストラトを持ち、20人ばかりを従えて道を伸し歩き、堂々とレコード・プラントへ入っていく様子を。車を止めてしまう勢いでした! いや、実際に車が止まったのですが……。スタジオがセットアップされ、2度ばかりリハーサルをやり、あっという間にマスターが仕上がりました!」

Photo by Chuck Boyd

また、ヘンドリックスの作詞方法についても次のようなエピソードが明かされた。

「レコード・プラントで目撃したことをお話しましょう。彼は、歌詞をいろんなものにメモして持ち込むのです。たとえば「Gypsy Eyes」の時。彼はポケットからバッグからいろんな紙切れを取り出しました。ホテルのメモ帳、封筒、紙マッチの表側、とにかく書けるもの何にでもアイデアを書きつけて持ってきました。そのバラバラの紙切れをじっと見ながらそれを組合せ、最終的にリーガルパッドの黄色い紙の上に歌詞を書きつけます。そして、それをスタジオに持ち込んで歌うのです。時には完全に仕上がった歌詞を持ってくることもありますが、ホテルで手に入れたあれこれの紙切れに書きつけてくることの方が多かったですね」

▲エディ・クレイマー Photo by Chris Lopez

なお、アルバムからは現在、ジョン・ヴォンドラセックが監督を務めた「Lover Man」のミュージック・ビデオも公開中となっている。


ニュー・アルバム『ボース・サイズ・オブ・ザ・スカイ | Both Sides of the Sky』

■日本盤CD
2018年3月14日(水)発売
SICP-5667 ¥2,400+税
※初回デジパック仕様 / 解説・歌詞・対訳付 / ジョン・マクダーモットによる英文ライナー付

■輸入盤国内仕様アナログLP
2018年3月28日発売
SIJP-63~64 ¥5,500+税
※完全生産限定盤 / 日本オリジナル帯 / 解説・歌詞・対訳付 / ジョン・マクダーモットによる英文ライナー付 / 180gx2LP / Gatefold Sleeve仕様

収録曲(CD、輸入盤国内仕様アナログLP共通)
1. Mannish Boy(*)
2. Lover Man(*)
3. Hear My Train A Comin’(*)
4. Stepping Stone(*)
5. $20 Fine(*)(+)
6. Power Of Soul(^)
7. Jungle(*)
8. Things I Used To Do(#)
9. Georgia Blues(++)
10. Sweet Angel(*)
11. Woodstock(*)(+)
12. Send My Love To Linda(*)
13. Cherokee Mist(*)

(*)Previously unreleased
(^)Previously unavailable extended version
(+)Featuring Stephen Stills
(#)Featuring Johnny Winter
(++)Featuring Lonnie Youngblood


この記事をツイート

この記事の関連情報