【インタビュー】シンガーソングライターみきなつみと第一興商がコラボ、高らかに歌声を響かせる

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2015年、高校2年生の春にライブ活動を始めた直後から大きな注目を集め、瞬く間にシーンで頭角を現したみきなつみ。3月14日にリリースされる彼女の1stミニ・アルバムは、エモーショナルな楽曲や優れた歌唱力、19才ならではの瑞々しい感性を湛えた歌詞といった、彼女の魅力が満喫できる一作となっている。

■私は今しか書けない歌詞ということをすごく大切にしています
■恋愛も日常も今の自分にしか感じられないことがきっとあるから


――まずは音楽的なバックボーンなどを教えてください。

みきなつみ(以下、みき):私の両親は音楽が大好きで、家とか車の中とかでいつも音楽が流れている環境で育ったんです。父は洋楽が好きで、ビートルズとかエアロスミスとかをよく聴いていて、お母さんはJ-POPのYUKIさんとかCHARAさん、Coccoさんとかを聴くことが多かったですね。私も子供の頃から音楽が大好きで、よく家で歌っていました。ちゃんと歌いたいなと思うようになったのは、小学校の高学年の頃です。友達とカラオケに行った時に上手いねみたいなことを言ってくれて、“あれ? 私、上手いのかな”と思って。それで、その気になりました(笑)。

――友達の言葉が、良い転機になりましたね。歌い始めた頃は、どんなアーティストが好きでしたか?

みき:YUIさんです。母に薦められて聴いて、すごく良いなと思って。私が歌いたいと言ったら、ギターもやってみたら良いんじゃないかと言われたんです。私はピアノを習っていて、ギターもカッコいいなと思っていたんですね。それで、家にあった父のギターも触るようになって、中学生の時は“チャラチャラッ”と弾くくらいでしたけど、高校に入ったタイミングでちゃんとやろうと決めて。そこからギターも本格的に弾くようになって、曲作りも始めました。


――他の人の曲を歌っているだけでは物足りなくなったんですね?

みき:そう。私は阿部真央さんも好きで、何度もライブとかに行って、すごくカッコいいなと思っていて。自分もああいう風にギター1本で魅せられるようになりたいと思ったし、自分の言葉を発したいと思って、曲を作るようになったんです。

――とはいえ、曲を作ろうと思っても、すぐに作れるものではない気がします。

みき:それが、わりとスンナリ作れたんですよ。それまでに好きなアーティストのカバーをいっぱいしていて、好きなコード進行とかが身体に入っていたんですね。それに自分なりのメロディーを乗せて、歌詞を乗せてというところから入っていきました。今でも曲を作る時は、基本的にギターからですね。ギターを持って、なんとなくつま弾いたりしているとメロディーが降ってくることが多いので。

――ということは、ずっとアコギの弾き語りをされてきたんですね?

みき:本当は高校に入ったらバンドを組もうと思っていたんですけど、入学した学校には軽音部とかがなくて。だったら一人で良いやと思って(笑)。それで、弾き語りでいくことにして、ストリートもしていました。


――現在19才ですから、かなり短期間で頭角を現したことになりますね。では、3月14日にリリースされる1stミニ・アルバム『きみとわたしとメロンソーダ』について話しましょう。今作を作るにあたって、テーマなどはありましたか?

みき:私は今しか書けない歌詞ということをすごく大切にしていて、今の自分は10代から20才になるところなんですね。恋愛に対しても、日常で感じることに対しても、音楽に対しても、今の自分にしか感じられないことがきっとあるなと思って、それを音源に残したいという気持ちで制作に入りました。

――アルバムを聴いて、それは伝わってきました。10代の思い出がまだ身近なところにあるけど、そこから卒業して大人になりたいという気持ちや、自分にいま一つ自信を持てないといった19才ならではの感性が表現されています。

みき:19才というのは子供と大人の間でモヤモヤした感じがあって、それを表現したかったんです。なので、それが伝わったなら良かったです。

――伝わりました。それに、『きみとわたしとメロンソーダ』は温かみがありつつエモーショナルなアルバムに仕上がっていますね。

みき:私はエモーショナルな感じがすごく好きで、そこを打ち出したいと思っていました。そうじゃないと、自分の作品とは言えないので。それに、バンド感のある生々しいサウンドということにもこだわりましたね。私はバンドも大好きなんですよ。シンガーソングライターという括りに収まりたくないというか、もっと幅広い層の人に聴いてもらいたいという想いがあるので、入り込みやすいかなというところで、バンド感のあるサウンドでいくことにしました。

――本当に自分が提示したいと思うものを、形にされたことが分かります。アルバムに向けて曲を揃えていく中で、キーになった曲などはありましたか?

みき:最後に入っている「朝よ、こないで」です。この曲があったからアルバム・タイトルの“きみとわたしとメロンソーダ”という言葉も出てきましたし。「朝よ、こないで」の歌詞に、メロンソーダが出てくるんです。「なんで、メロンソーダにしたの?」と聞かれることが多いんですけど、メロンソーダというのは子供っぽいジュースですよね。アルバムのジャケットはメロンソーダをこぼしている写真で、そこから抜け出したいという気持ちを表しているんです。子供から大人になりたいけど、まだなり切れないという。それに、「朝よ、こないで」は、今回の中でも一番シンプルなアレンジにしたというのがあって。私の原点は弾き語りなので、それを感じさせる曲にしたかったんです。歌詞も恋愛を歌っているけど、幸せな状態を描いているんじゃなくて、“前に進む”ということがテーマになっていて。そんな風に、「朝よ、こないで」は今の自分がそのまま形になっているような印象があって、すごく大切な曲になったと思います。

――「朝よ、こないで」はウォームかつせつない曲で、歌もフワリとしているので、幸せな恋を描いているのかと思ったんですね。そうしたら、そういう恋からは卒業したいという歌詞で“そうなのか…”と思いました。

みき:そう、そういう歌なんです。「Dear」は“大好き! 幸せ!”という10代らしい歌詞ですけど、「朝よ、こないで」は現実を見始める歳になってくると、そういう別れもあるんじゃないかなと思って作った曲です。

――10代と20代では、恋の仕方も変わりますよね。10代の頃は“恋に恋してる”という場合が多い気がします。

みき:そう思います。好きになってしまうといろんなことが見えなくなって、もう絶対にこの人で最後…みたいに思ってしまうという。自分も、まだ全然そういう感じですけど(笑)。でも、これからは変わっていくんだろうなという気がしています。

◆インタビュー(2)へ
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