【インタビュー】DRADNATS、4年ぶりアルバム完成「やっと始まるなって感じがします」

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DRADNATSが3月7日、フルアルバム『ONE HiT TO THE BODY』をリリースした。PIZZA OF DEATH RECORDSへの電撃移籍から4年。ドラマー交代劇などを経ながら常にライブハウスに身を置いて着実にキャリアを重ねてきた彼らが、横山健プロデュースによる前作を越えるべく完成させた意欲作には全16曲が収録された。

◆「Get Me Back」ミュージックビデオ 動画

収録候補は約40曲にのぼったという。それらから厳選された16曲は、ストレートなロックチューンあり、無骨なラブソングあり、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンのカバーあり。アレンジの幅を広げつつ、サウンドの核はメロディックパンクに集束されて痛快だ。また、3ピースならではのスリリングな演奏はもとより、適所に散りばめられたソロやオブリ、細部にわたる繊細なアレンジは個々のスキルの高さに裏打ちされたもの。“シンプルを念頭に置いた”というアレンジは、しかしサウンド&プレイ的にも聴きどころに事欠かない。

前作からの4年間をはじめ、新ドラマーSASAMORI加入の経緯、『ONE HiT TO THE BODY』が描くサウンド&ビジョン、同アルバムを引っ提げて行うレコ発全国ツアー<ONE HiT TO THE BODY TOUR>にスポットを当てながら、メンバー全員に訊いたロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■既存曲すら同じ曲をやってるとは思えない
■それぐらい違うんですよ。それが楽しすぎて

──約4年ぶりの新作となりました。移り変わりの早いシーンにおいて、決して短い歳月ではないと思います。この間、どういった気持ちでいましたか?

YAMAKEN:焦りは意外となかったんですけど、メンバーチェンジとかもあったので、歯がゆさみたいなのはありましたね。周りでバシバシやってる同期や後輩に抜かれたりもしてたんで。だから、今やるべきことは曲作りだと言い聞かせてやってました。

──目の前のことに集中しつつ、前へ進もうとしてたと。

KIKUO:メンバーが替わって、“曲作りをもう1回やり直そうとしたタイミングだ”と結構ポジティブなところもあって。改めて、新しいモノを作るという感覚にもなったし。

▲KIKUO (Vo&G)

──改めてですが、SASAMORIさんはどういった経緯で加入したんですか?

KIKUO:SASAMORIは以前BULLというバンドをやってて、僕が働いてる新宿Antiknockで何回かライヴを観たことがあったんです。荒削りなんですけど、とにかく音がデカくて、パンチのある2ビートを叩く印象があったんで、連絡をしたんですよ。

──初めて3人で顔を会わせたときにフィーリングはどうでした?

YAMAKEN:会うときにひとつだけ質問を決めてて、「この世でいちばん好きなバンドは?」と。そうしたら「Pennywise」って答えたので、「採用!」って(笑)。

──ハハハハ。Pennywiseは好きな人も多いですけど、いちばん最初に挙げられるとちょっとビックリしますね。

SASAMORI:もともと、NOFXから(メロディックパンクには)入ったんですけど、Pennywiseは神聖な雰囲気があって大好きなんです。しかも、ずっと変わらずにやってるし。

──ちなみに、DARDNATSにはどういったイメージを持っていましたか?

SASAMORI:僕が言うのもおこがましいんですけど、由緒正しきメロディックパンクをやってるバンドだと思ってましたね。だから、最初に声をかけてもらったとき、嬉しいのもあったんですけど、それよりもビックリしたところがあって。「オレっすか!?」みたいな(笑)。それに、メロディックパンクは大好きなんですけど、やってたバンドはファストコアな1曲1分とかで、フルアルバムを作ったときもトータル15分だったんで(笑)。

──では、スタジオで最初にときの合わせた感触は?

YAMAKEN:まず、音がめちゃくちゃデカくて、これだったらいい意味で新しくなるというか、カッコよくなれるなと感じましたね。面白いことになるだろうなとも思ったし。

──当の本人としては?

SASAMORI:こういった取材で毎回お話してるんですけど、「本物だ!」って感じでした(一同笑)。


──メンバーが替われば、自然と変化する部分はあるんでしょうけど、バンドとしてイメージしたのは今までと同じようなモノでしたか? それとも、大幅に変化したとしても、カッコよければいいような?

YAMAKEN:今までみたく、というのはあんまり意識しなかったですね。自分たちが納得して出すモノがカッコよければ全然OKだなって。

KIKUO:だから、(SASAMORIと)合わせてみて楽しかったですよ。

──ずっと同じメンバーでやってると、言わなくても通ずる部分がありますよね。でも、新しいメンバーには細かい説明や確認が必要なわけで、それが煩わしさやストレスになったりもすると思うんです。でも、楽しかったということは、再構築する喜びがあったという。

YAMAKEN:ホントにそうでしたね。もちろん、今までだったらすんなりできることがそうじゃなくなることもありましたけど、今までになく面白い部分もあったし、あんまり気にならなかったです。

──新生DRADNATSとしての初ライヴが2016年11月。試行錯誤するたいへんさはあったでしょうけど、新しい気づきもあり、ポジティブに臨めたと。

YAMAKEN:それこそ、既存の曲をライヴでやるじゃないですか。それすらも、同じ曲をやってるとは思えないぐらい違うんですよ。それが楽しすぎて。

KIKUO:当然なんでしょうけど、同じフィルでも全然違って、聴こえ方もまた新しかったし。

──そうなると、新作を早く作りたいというモードになりますよね。

YAMAKEN:そうでしたね。やっぱり、ライヴはやってましたけど、言ってもSASAMORIがいないときに作った曲ばっかりだったから、新生DRADNATSとして動き出してはいるんですけど、本当の意味では始まってないですよ。だから、こうやって新作が完成して“やっと始まるな”って感じがしますし。

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