【インタビュー】ビッケブランカ「面白いと感じたものはどんどんやっていって新鮮な驚きを与え続ける存在でありたい」

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――続いてカップリングについて話しましょう。

ビッケブランカ:「Get Physical」は“ワークアウト”ということをテーマにしたアッパーな曲です。何年か前にラグビーのオールブラックスが試合前にやる“ハカ”を見て、“なんだ、これ? 面白いな”と思って。それで、こういうテイストを活かした曲を作りたいなと思ったんです。“ウォラッ!”みたいなものを(笑)。それが何年も前から片隅にあって、今のビッケブランカというフィルターを通したら、ハカからちょっとチア・リーディングのほうに寄りました。だから、ワークアウトな印象がありつつ華やかさもあるという、ちょっと独特のものにはなったかなと思います。

――イントロの掛け声を聴いてネイティブ・ミュージックっぽさを感じたのですが、あれはハカから来ているんですね。

ビッケブランカ:そう。ハカも元々はニュージーランドの部族が戦う時に、お互いの民族を称え合ってから戦っていたということを受け継いだものだから民族感が強いんですよ。だから、ネイティブ・ミュージックっぽく感じたんだと思います。

――ハカをそのまま使わずに、“楽しくやろうよ!”という温度感に昇華しているのはさすがです。それに、この曲はそこはかとなく幻想的でもあります。Aメロの合間やサビのバックで鳴っているシンセ、間奏のフワフワした音などが、不思議な雰囲気を醸し出しています。

ビッケブランカ:間奏の鍵盤の音とかは、どんな風にしようかなといろいろ考えましたけど、幻想的ということは意識しなかったですね。あとは、この曲は久しぶりに裏声と地声がはっきりと分かれた歌になったなというのがあって。サビの頭は地声でいくんですけど、次に“キュンッ!”と裏声にいったりとか、地声が歌っている中で裏声が叫んでいたりする。音のコントラストがはっきりしていると、“自分はどこにいるんだ?”という感じになります。それも不思議な感じに繋がっている気はしますね。


▲1stシングル「ウララ」<初回限定生産盤>


▲1stシングル「ウララ」<通常盤>

――ビートルズもいろいろな音を効果的に使って世界観を深めていることが多い。影響を受けているんですか?

ビッケブランカ:全く聴いていないし、このまま聴かずにいき切ろうと思っています。僕の基軸になっているのはビージーズとカーペンターズで、その後自分でマイケル・ジャクソンが好きになって…みたいな感じだったんです。ただ、ビートルズという存在はあまりにも大きくて、彼らが登場してから後のミュージシャンであれば直接的にせよ、間接的にせよ、絶対に影響を受けていますよね。だから、僕はビートルズをちゃんと聴いたことはないけど、彼らに影響を受けたアーティストの音楽を沢山聴いているはずだから、間接的に影響は受けていると思います。だから、積極的に聴かなくても良いかなと。それに、今後もし曲作りで完全に行き詰まったとしても、僕にはまだビートルズがあると思うと気持ちが楽になるというのもあるし。なので、それまでは聴かないでおこうと思っています。

――そうですね、今は聴かないことをお薦めしたいです。「Get Physical」は、主眼と客観視という2つの視点で歌っている感じの歌詞も印象的です。

ビッケブランカ:歌詞は、主眼です。設定としては、自分が完全に太った女の人になり切った状態で書いたという感じです。この曲は太っている女の人がいて、好きな人がいる。だけど、周りの人達に「あの人には、あんたは似合わない」と言われて。で、私は痩せることだってできるけど、痩せようともしているけど、別に今のままで良いから…ということを歌っています。

――そういうユニークな発想は、どうしたら出てくるのか不思議です。

ビッケブランカ:自分でも、不思議です(笑)。この曲はハカから入って、それがチアっぽくなり、チアからワークアウトという言葉が出てきて、太った女の人になったという感じですね。意図したわけではなくて、自然と変わっていったんです。僕は自分の小さい経験を書き広げて歌詞にする方法と、全く別の人間になり切って、その人間が感じるであろう感覚を書いていくという2種類の書き方をしていて。「Get Physical」は、完全にその後者という感じですね。

――なるほど。僕は、違う解釈をしていました。

ビッケブランカ:本当ですか? それは、ぜひ聞きたいです。

――全く的外れですけど、“彼を4倍に ×4してくれたら さらに倍にしてくれたら 釣り合って2倍×4”という言葉から、彼女に対して自分は本当にダメな男で、もっと大きな男にならないといけないと思っている男性の心情だと思ったんです。それと同時に、そんな彼を信じている女性の心も描いたのかなと。

ビッケブランカ:良いですね、それもまた。実は、それは本来この曲で書きたかったことなんですよ。“自分が彼女にふさわしくない”という歌詞を書こうと思っていたけど、どんどんコンセプチュアルになっていって、主人公も変わっていったんです。でも、今の話を聞いて、元になったものが残っているんだなと思いました。

――そうなんですね。音楽は、本当に面白いですよね。続いて、3曲目の「Black Rover」にいきましょう。

ビッケブランカ:これは最近作った曲ですけど、僕の昔のままやれたロック・チューンです。この曲を作った時は、もう振り切ったろうと思って形にしました。激しい曲だけど、しっかりしたメロディーがあって、ピアノが効いていて、エモいという曲です。

――この曲も独自のものに仕上がっていますね。

ビッケブランカ:歌唱法が地声にいったり、裏声にいったりというのが激しいから、独自な感じになっていますね。それに、こういうサウンドでピアノが鳴っているというのも珍しい気がするし。面白いというか、聴いてくれた人が“ハッ”とするようなものにはなったかなと思います。

――「Black Rover」は、本当にカッコいいロック・チューンです。今作を締め括るのは「今ここで逢えたら」という、せつないスロー・バラード。

ビッケブランカ:「今ここで逢えたら」は10年前くらいに書いた曲で、どういう気持ちで書いたかはもう覚えていないです(笑)。春に終わりを告げた昔の恋が、春になると思い起こされるということを歌ったバラードで、長い年月を経て、今回ようやく音源化されました。これは、歌詞もメロディーも当時から変わっていない。だから、多少子供っぽい表現というか、拙い感じがあるんですけど、それがこの曲には合っているから、そのままにしました。ただ、今回の音源に入れるにあたって、“グッ”と抑えられた状態のバラードというか、歌い上げないバラードというところに着地させることは意識しましたね。

――10年前に、こんなに良い曲を書かれていたんですね。それに、この曲の歌詞は、やや中性的な言い回しになっていませんか?

ビッケブランカ:僕が意識したのは中性的なイメージではなくて、“子供が歌っている感”というか。哀しみのあまり退化してしまった状態になったつもりで書きました。それが、中性的に感じるんだと思います。

――崩れ落ちそうになっている心情が、見事に表現されています。抑揚を効かせたボーカルも聴き応えがありますし、一番力強く歌う聴かせどころの展開パートが英語というのも良いですね。

ビッケブランカ:それは、10代の頃の“ガァーッ!”とやっていたものが、まだ残っているんですよ。ピアノを弾いていない頃に作った曲だから、ギターが左右を“バァーッ!”と埋めていて、エモく歌うというアレンジになっている。展開パートの歌詞は、スタッフに日本語にしようよと言われるかなと思ったけど、誰もそういう人はいなくて。自分のことを信じてもらえているんだなと改めて思いました。

――自身の美意識やこだわりが、そのまま反映されていることが分かります。さて、「ウララ」はテイストの異なる良質な4曲が揃っていて、ビッケさんの幅広さが分かる一作になりましたね。

ビッケブランカ:僕は音楽性の路線を、どこにも持たないでおこうと思っているんです。カッコいい、面白いと感じたものは、どんどんやっていきたい。いろんな曲を提示してもブレたと言われないというか、むしろ常にブレているというか(笑)。ビッケブランカといえば、こういう路線でしょう…ではなくて、“ビッケブランカは、こんなこともやるんだ”“今度は、こういうことをやったんだ”という新鮮な驚きを与え続ける存在でありたいと思っています。

――今回のシングルを聴くと、それを実践されていることが分かります。もう一つ、「ウララ」のリリースに伴って、6月にツアーも行うんですよね?

ビッケブランカ:ツアーは、僕自身がすごく楽しみにしています。「ウララ」を聴いてもらっても分かるように、ライブではいろんな曲をやっているんですよ。アップ・ダウンも激しくて、ドーン!”始まって、中盤で“ストーン!”と落ち切って、また“パッ”と盛り上がる…みたいな構成になっています。ピアノを弾くシンガーソングライターというと、落ち着いた雰囲気のライブをイメージするかもしれないけど、僕のライブはどちらかというとフィジカルですね。もう僕自身がステージで無秩序なダンスを踊っていますから。ピアノをしっかり弾くシーンもあるけど、曲によってはマイクを持って“ポーン!”と前に出て歌うし。ずっとピアノを弾きながら歌うライブも良いけど、ステージを全力で駆け抜けたい。そういうスタンスのライブなので、みんなで身体を動かして“ワァーッ!”と騒ぐ曲もあれば、じっくり聴く曲もあるという風に、いろんな楽しみ方をしてもらえると思います。それに、最近は会場が大きくなってきて、いろいろ演出だったり、装飾だったりができるようになったんですよね。なので、それも楽しみにして欲しいです。

取材・文●村上孝之

ビッケブランカは、カラオケの第一興商が強力プッシュする4月度D-PUSH!アーティストに決定しており、「ウララ」はすでに配信済み。「今ここで逢えたら」は4月3日より、「Get Physical」「Black Rover」は4月6日より配信される。また「ウララ」のミュージックビデオは、カラオケ背景画像の本人出演映像(今だけクリップ)に4月3日から順次配信。さらに、カラオケ演奏の合間に放映される音楽情報コンテンツ「DAM CHANNEL」内のD-PUSH!コーナーにゲスト出演し、パーソナリティとのトークを楽しませてくれる。DAM express(目次本)でも、D-PUSH!ページにてインタビュー記事、アーティスト写真、ジャケット写真が掲載される。そしてリリース情報、インタビュー記事がclubDAMサイト(http://www.clubdam.com)でも掲載される。カラオケ店やWEBで、ビッケブランカとの出会いを楽しんでほしい。

◆インタビューの続きはコチラのサイトで

リリース情報

1stシングル「ウララ」
4月18日(水)発売

<初回限定生産盤>
AVCD-94050/B \2,160(税込)
-CD-
01. ウララ
02. Get Physical
03. Black Rover
04. 今ここで逢えたら
-DVD-
FEARLESS TOUR 2017 at Akasaka BLITZ
01.OPENING
02.Take me Take out
03.アシカダンス
04.Broken
05.追うBOY
06.Want You Back
07.さよならに来ました
08.Stray Cat
09.THUDERBOLT
10.Moon Ride
11.Slave of Love

<通常盤>
AVCD-94051 \1,296(税込)
-CD-
01. ウララ
02. Get Physical
03. Black Rover
04. 今ここで逢えたら

ライブ・イベント情報

<ビッケブランカ ULALA TOUR 2018>
6月1日(金) 札幌cube garden 18:00 / 19:00
6月8日(金) 仙台enn 2nd 18:00 / 19:00
6月15日(金) 福岡BEAT STATION 18:00 / 19:00
6月22日(金) 名古屋ReNY limited 18:00 / 19:00
6月23日(土) 梅田Shangri-La 17:00 / 18:00
6月29日(金) SHIBUYA TSUTAYA O-EAST 18:00 / 19:00

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