【ライブレポート】ハロウィン、伝説が日本に帰ってきた

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ジャーマン・メロディック・メタルの先駆者として、1980年代から多くのフォロワーを産み出し今なおトップに君臨し続けているハロウィンが来日中だ。2017年から現行メンバーに加え歴代メンバーであるマイケル・キスク(Vo)とカイ・ハンセン(G、Vo)が参加した7人編成で<Pumpkins Unitedワールドツアー>を敢行しており、日本公演が決まると瞬く間にチケットは完売し、再追加公演まで発表される旋風を巻き起こしている。

歴代メンバーが参加する期間限定ツアー自体は昨今そう珍しくはないものの、ハロウィンにマイケル・キスクとカイ・ハンセンが参加するとなれば、これは歴史的な1ページとなる。六本木のEXシアターを皮切りにジャパン・ツアーが遂に開幕、定刻にスタートしたツアー初日のステージは、ロビー・ウィリアムズの「Let Me Entertain You」が流れ終わると、彼らのキャラクターであるお化けカボチャが描かれた幕が降り、バックスクリーン上のかの名曲「Halloween」のMVとともに始まった。






ステージ下手にはマイケル・キスク、上手にアンディ・デリスが登場し、ツインヴォーカルでの「Halloween」にはオーディエンスの歓迎ぶりも尋常ではない。そしてマイケル・ヴァイカート、サシャ・ゲルストナー、カイ・ハンセンでのトリプルギターという何とも贅沢な共演がいよいよ全貌を見せた。

アンディがキスクを紹介し、同じくツインヴォーカルでの「Dr.Stein」、そしてキスクがソロでの「March of Time」と続くとこれを2018年に観ている現実感がいよいよ増してきた。これは夢ではない。

「If I Could Fly」に続き「Are You Metaaal?」と観客に問いかける「Are You Metal?」ではアンディソロ、「Rise and Fall」ではキスクが再びソロで登場とシンガーは交互な場面もあるが、ギタリストは終始3人で進行する。ヴァイカートは若干控えめにカイをフューチャーしたプレイに徹しており、ベースのマーカス・グロスコフとともに長年バンドを維持してきた二人は円熟味も増して貫禄を見せている。



何度も「アリガトウ!」と日本語で感謝を伝えるアンディ、ソロパートから後半キスクが参加しての「Perfect Gentleman」はオーディエンスとの掛け合いも加えますます場内のボルテージが上がった頃、ハッピー・ハロウィンのジングルでカイ・ハンセンによる「Walls of Jericho」メドレーが展開する。これには涙腺崩壊した者も多かったであろう、すでに冒頭からそうだった者も再びの涙腺崩壊タイムだ。当時を観ていないファンも多い現在、オリジナルラインナップでのステージはもはや伝説であり、その上カイが歌う「Starlight」「Ride the Sky」「Judas」「Heavy Metal(is the Law)」は世界中が夢に見た瞬間なのだから。

バックスクリーンの映像は終始各曲ごとにキャラクターとドラマがあり、アルバムジャケットのアートワーク、当時のMVともミックスした今回のオリジナル映像だが30年前からの記憶を思い起こしながら楽曲を噛み締められる演出になっている。

「僕の髪も長くて痩せていたよね(笑)」とキスクの冗談も交じえたMCで歌い始める「A Tale That wasn't Right」、ドラムソロのコーナーでは他界したオリジナルドラマー、インゴ・シュビヒテンバーグの映像が映し出されると涙腺崩壊も何度目かもうわからないほどだが、現ドラマーであるダニ・ルブレとのツインドラムソロも嬉しい演出だった。今回のツアーがインゴの事も忘れていないファンの想いとメンバーの想いが溢れたものである事が心底嬉しく思えた。

ギタリスト3人がオールフライングVで並んだ「A Little Time」は実に凛々しきものであったし、サシャは常に若々しくアクティブなパフォーマンスを披露、アンディもソロ見せ場である終盤「Sole Survivor」「Power」では90年代のバンドを支えてきた自信が特に感じられた。




「一番最初の頃の曲だよ、僕らも50代になってしまった」とカイが紹介したクライマックスは初期の名曲、「How Many Tears」。アンディ、カイ、キスクの順に歌い始めたトリプルヴォーカルというトドメで本編は2時間超えにて終了。アンコールでの代表曲「Eagle Fly Free」「Keeper of the Seven Keys」「Future World」「I Want Out」での場内大合唱はもちろんだが、今回の新曲である「Pumpkins United」は現在のバンド、このツアーを表現した歌詞の内容にも実に感慨深いものがある。ただ今回のツアーはあくまでも限定的なものであり、バンドにとってはある意味ひとつの区切りなのではないかとも感じるが、しかしツアーを体験したからこそ今後の彼らにも新たな期待が持てる。まだ2018年も3月だが、ツアー体験者たちの多くは今年のベストライブパフォーマンスはハロウィンになってしまうのではないか。

オーラスにはカボチャバルーンの登場で場内をハッピーハロウィン色に染め上げ締めくくった3時間超に及ぶ彼らのジャパンツアーは今月27日まで続く。この機会を見逃してはならない。




文:Sweeet Rock / Aki
写真:Yoshika Horita

<Helloween ~Pumpkins United World Tour 2018~>
2018.3.16 EX Theater Roppongi
1.Halloween
2.Dr.Stein
3.March of Time
4.If I Could Fly
5.Are You Metal?
6.Rise and Fall
7.Waiting for the Thunder
8.Perfect Gentleman
9.Kai Hansenメドレー
~Starlight
~Ride the Sky
~Judas
~Heavy Metal(is the Law)
10.Forever and One
11.A Tale That wasn't Right
12.I Can
~Drum Solo~
13.Living Ain't No Crime ~ Little Time
14.Why
15.Sole Survivor
16.Power
17.How Many Tears
~Encore1~
18.Invitation ~ Eagle Fly Free
19.Keeper of the Seven Keys
~Encore2~
20.Pumpkins United
21.Future World
22.I Want Out
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