【インタビュー】DOBERMAN INFINITY、「限界のライン」を超えるアルバム

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■EXILEを卒業したオリジナルメンバーは、今も昔も背中を追うべき存在

――ここからは、その他の収録曲を解説していただきます。「OFF ROAD」に続く2曲目に収録された「DO PARTY」は、5thシングルとしてリリースされて、ツアーやライヴでも印象的に披露された楽曲でした。

KAZUKI:リリースする前から昨年のツアー<DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2017 “TERMINAL”>でも披露してきた曲で、僕たちの夏フェス、秋フェス、そして近頃のライヴの4番バッター的な存在だと思います。ここ1~2年のアゲ曲の代表格。今回のアルバムからDOBERMAN INFINITYを聴いてみようという方には「DO PARTY」を聴かずして僕たちの音楽性には入り込めないと思うので、出し惜しみせずに2曲目に収録しました。昨年のライヴに来てくれた方々には、「DO PARTY」のヤバかった光景を思い出していただけると思います。


――3曲目に収録した新曲「Lookin for」は?

P-CHO:DOBERMAN INFINITYの過去の作品を見直した時に、ライヴで絶対に活躍してくれる「99」という曲があります。この曲を超える1曲をトラックメイカーのTRAKSTAくんと生み出したいと思って制作したのが「Lookin for」です。マリアナ政府観光局さんのオフィシャル・イメージ・ソングのお話もいただいていたので、TRAKSTAくんと生み出せる華やかなライヴ感と、マリアナ諸島のイメージをマッチングさせて曲作りしていきました。旅は新たな自分を発見させてくれるものなので、南国の景色を思い浮かべながら、自分の隠れていた一面を見つける引き金になる曲になればと思いながら歌詞を書きました。

――4曲目に収録した新曲「MON5TERS」はCREAMによる全面プロデュース曲ということでしたが、改めて制作の経緯を教えていただけますか?

P-CHO:もともとSWAYと親交のあったCREAMと、昨年の主催フェス<D.Island>で共演させてもらったのがきっかけです。Staxx Tくんのラップはもちろん、CREAMは音楽性がずば抜けて面白いので、DOBERMAN INFINITYをプロデュースしてもらったらどうなるんだろうというワクワク感から挑戦した曲です。結果「こんなにいい化学反応を起こすのか!」というくらいハマりました。自分たちだけでは表現できない、中毒性のあるパーティソングに仕上がったと思います。

――自分たちが書いた歌詞ではないという点も新鮮な感覚だったのではないでしょうか。

P-CHO:ラップしていてもフレッシュな感覚でした。韻の手前の大切さを学びました。聴いたことがあるような韻でも、その手前のボキャブラリーによって聴こえ方がまったく変わるんですよね。それは他の方がライティングしたリリックを歌うから勉強になったことですし、改めてStaxx Tくんのセンスはさすがやなと思いました。

――続く5曲目の「THE NAME」は、北海道日本ハムファイターズ西川遥輝選手の登場曲として制作した楽曲でした。

SWAY:この曲は<DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2017 “TERMINAL”>の札幌公演後に、地元テレビ局の方から提案していただいて実現しました。特定の方に向けて応援ソングを作るのは初めてのことだったので、札幌まで行って西川選手から野球を始めてプロになるまでの半生についてうかがって、それを東京に持ち帰って歌詞を作るという感じで制作していきました。今までにない曲作りという点でも面白かったです。サビの「今輝く」「遥かに高く」という歌詞で西川選手の遥輝という名前を表現していることもあって、タイトルは「THE NAME」にしました。音源としてお届けするのは今作が初めてになるので、みなさんがどのように聴いてくれるのかも楽しみです。

――6曲目に収録されたD.I.×AK-69のコラボレーション・シングル「Shatter」は既発曲ですが、改めて今作に収録されることでリスナーにはどのように届いて欲しいですか?

SWAY:昨年9月にリリースさせてもらってから、AK-69さんの武道館を始めいろいろな場所でAK-69さんと一緒にステージに立つ機会をいただきました。大きなステージだけではなく、クラブ・サーキットをさせていただいたり、楽しい時間が凄く多かったですね。なので、もしどこかのライヴで聴いてくれた方がいたら、その一瞬一瞬を思い出してもらえたら嬉しいです。今年もまたどこかでAK-69さんと一緒のステージに立つチャンスがあったら、この曲をやらせてもらえるかもしれないと考えると、今からワクワクしてしまいます。


――さらにコラボとしては7曲目に収録された新曲「untitled」ではEXILE SHOKICHIさんとCRAZYBOYさんをフィーチャリングしていますが、どのような楽曲に仕上がりましたか?

KUBO-C:この曲にはテーマがほとんどなくて、あえて言うならデタラメがテーマですかね。ノリで楽しくやることを重視して、CRAZY BOYとSHOKICHIくんを招きました。リリックに深い意味はないので、純粋にサウンドを楽しんで欲しい曲です。

GS:タイトルの「untitled」が、この曲を表してします。ヴァイブス重視なんですよね、この曲は。

KUBO-C:トラックメイカーのChaki Zuluくんとも、クラブで踊りがストップしないような曲にしようという方向性で曲作りしていきました。完全にノリを重視した曲です。

KAZUKI:英語がわからなくても洋楽を聴いてアガれるように、ラップのフロウやサウンド・アプローチを楽しんで欲しいです。

SWAY:リリックに意味を持たせないというアイディアもChakiくんからもらったものです。彼の才能を欲しがっているアーティストは凄く多くて、Chakiくんがプロデュースしている曲だから聴くというリスナーもいるほどです。そんな旬なトラックメイカーならではのプロデュースは刺激になりましたし、一緒に制作していて面白かったです。SHOKICHIとCRAZYBOYもこのノリを楽しんでくれていました。


――8曲目に収録された新曲「Butterfly Effect」は、「BLACK & RED」と「BOW WOW WOW」に次ぐラッパー4人曲ですね。

GS:今までのラッパー4人曲は、ラッパーだから表現できるサウンドやこだわりをアピールする楽曲でしたが、今回は真逆のアプローチですね。DOBERMAN INFINITYにはKAZUKIというボーカリストがいるにも関わらず、あえて女性ボーカルを迎えて制作しました。「Butterfly Effect」という言葉が意味するのは、一匹の蝶の羽ばたきが最終的に大きな出来事に変わるということ。僕たちがこのテーマで曲を作ったのは、EXILEを卒業されたオリジナルメンバーへの想いがあったからでした。みなさんそれぞれの道でエンタテインメントを追求されていて、今もなお新しいフィールドに出て挑戦を続けています。それは本当に尊敬すべきことで、今も昔も背中を追うべき存在です。僕たち年上組(GS、KUBO-C、P-CHO)はEXILEのオリジナルメンバーと出会って10年以上経ちますが、その出会いがなければSWAYとKAZUKIとの出会いもなかったですし、DOBERMAN INFINITYというグループすら存在しなかったと思うんです。この曲はそんなEXILEオリジナルメンバーのMAKIDAIさんが海外で活動されることを発表されたタイミングでもあったので、僕たちからのメッセージを曲にしました。他の収録曲と違うのは、それぞれが1バースしっかりとラップを構成しているところ。それぞれのメッセージをしっかり伝えるべく制作した楽曲です。もちろんMAKIDAIさんに向けて書いた曲ではありますが、例えば親や恩師に対する感謝であったり、その人がいなければ今の自分はいなかったという経験を持っている人には必ず響く曲になっていると思います。ちなみに、アウトロ前の「今も見つめる方向は 拳掲げる放浪者」という歌詞は、EXILEさんのことを言っています。最後の最後に、僕たちが伝えたい言葉をしっかりと言いうことができた、本当に感慨深い曲です。このメッセージがたくさんの方々に届いて欲しいです。

――対して、9曲目に収録されている新曲「Baby」は、「LOVE U DOWN」、「Sorry」に次ぐKAZUKIさんのソロ曲です。

KAZUKI:どんなソロ曲にしようか考えていて、今までは切ない系だったので、今回は違った角度のR&Bに挑戦しました。この「Baby」はストーリー性というよりも、まだつき合って間もない男女の甘い時間、その一夜にクローズアップした楽曲です。ちょっとエロイ感じもあるので、好きな女性に対して男性が歌ってもらえたら、いい口説きソングになると思います(笑)。

GS:つまりKAZUKI自身がモテたかったんやろ?

KAZUKI:まぁ…それもあります(笑)。

一同:(笑)。

KAZUKI:エロイ描写もありますが、つき合ったばかりの男女だからこその不安要素も歌詞に見え隠れするんです。だからこそ、男の本気度が伝わるというか。実は人間味のある男だというところも、歌詞から感じていただけたら嬉しいです。

――さらにラヴソングが続きます。10曲目に収録されているのは、初のXmasソングとなった6thシングル「あの日のキミと今の僕に」です。DOBERMAN INFINITYにとって、どのような位置づけの楽曲ですか?

GS:やっぱりこの曲は今回のアルバムにはなくてはならない1曲ですね。僕たちが本当に苦労して産み落とした楽曲なので、アルバムに収録することで改めてみなさんに聴いていただけたらという気持ちです。DOBERMAN INFINITYの今ある楽曲ラインナップの中で、「DO PARTY」にはない部分を「あの日のキミと今の僕に」が埋めてくれるのかなと思っています。今まで僕たちには冬の代表曲と言われる楽曲がなかったので、みなさんにとっての冬のテーマ・ソングに成長してくれたら嬉しいです。


――11曲目に収録された「#PLAY」は、2017年6月に発売したミニアルバムの表題リード曲でした。

KUBO-C:仕事をしっかりやっているから遊ぶことができるということを、この「PLAY」という曲で伝えたかった。PLAYしているだけでもダメで、しっかり仕事をしているからPLAYがさらに楽しいものになるという気持ちを込めて作った曲です。歌詞を追って聴いてもらうとシリアスに聴こえがちな部分もあるんですけど、僕たち的にはそんなことはない。しっかり盛り上がってもらって大丈夫な曲であり、明日につなげていこうぜという曲にもなっていると思います。今日は思いっきり楽しんで明日からまた仕事しよう、1週間がんばって仕事したから週末は思いっきり遊ぼうという気分になってくれたら嬉しいです。


――今作を締めくくるのは、新曲「春風」です。出会いと別れの季節を経験した人には、タイムリーで心に響く楽曲ですね。

KUBO-C:男の友情的な部分にフォーカスして、親友同士、卒業式というこのタイミングで普段言えなかったことを言ってみようというメッセージの曲です。自分で言うのもなんですが、聴くと胸がアツくなるというか、感動する曲に仕上がりました。アルバムの最後に、また初心に帰れたり、新たな気持ちになれる1曲が収録できてよかったと思います。

SWAY:KUBOさんが触れてくれないので自分から言いますが(笑)、この「春風」は野替愁平出演のドラマ『KISSしたい睫毛』の挿入歌として使っていただいています。

KUBO-C:ごめんごめん! すっかり忘れてたわ(笑)。野替愁平演じるエリートサラリーマンの挿入歌として使っていただいています。果たして睫毛にキスはしたのかどうかもお楽しみに(笑)。


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