【ライブレポート】D’ERLANGER、再結成10周年ファイナルで「これからも強く美しく」

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D’ERLANGERが4月22日、豊洲PITにて<D'ERLANGER REUNION 10TH ANNIVERSARY FINAL>を開催した。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆D’ERLANGER 画像

2017年4月22日の豊洲PITでの<REUNION 10th ANNIVERSARY -薔薇色の激情->よりスタートした再結成10周年アニバーサリーは、オリジナルアルバム『J'aime La Vie』リリースをはじめ、2回におよぶ全国ツアー、トリビュートアルバム『D’ERLANGER TRIBUTE ALBUM ~Stairway to Heaven~』リリース、さらに同トリビュート参加アーティストを迎えた主催イベント<D’ERLANGER presents ABSTINENCE'S DOOR #008 / #009>の開催など、1年をかけて華やかに10周年を駆け抜けた。

そして、そのグランドフィナーレとなる公演が<D’ERLANGER REUNION 10TH ANNIVERSARY FINAL>だ。2017年と同じく、4月22日に豊洲PITにて締めくくられるところにもドラマを感じるが、なによりも、そこで彼らがみせたのは祝祭の大団円などではなく、現在進行形のバンドの姿であり、11周年に向かう意志だった。



暗転した場内に歓声が響く中、SEの「Kilmister」が観る者の意識を日常から切り離すように禁断の扉をゆっくりと開ける。オープニングはアルバム『J'aime La Vie』の幕開けと同じく、「Harlem Queen Complex」「Harlem Queen Romance」。「Harlem Queen Complex」で不穏な音像を渦巻かせると、一気に弾ける「Harlem Queen Romance」がフロアのテンションをぐいぐいと引き上げていく。すでにそこはD’ERLANGERの独せん場となっていたことは言うまでもない。その後も妖しげなムードをまとった「Dance with me」で会場を揺らすと、kyoのロックヴォーカリストとしての色気が滲み出るメロウな「Je t’aime」などのミディアムナンバーが、その魅惑的なサウンドで観客をどっぷりと酔わせた。

「そろそろ本領を発揮していこうか。火を付けてやろうか!」──kyo(Vo)

と言い放ってシャウトを決めると、「dummy blue」から中盤戦がスタート。地鳴りのように重く響くSEELAのベース、ソリッドに切り込んでくるCIPHERのギターリフ、そしてTetsuが繰り出す強靭なビートがフロアーを焚き付ける様は圧巻で、同曲が再結成後のキラーチューンの代表格となっていることを再確認した。また、楽器陣のアドリブがTHE CLASHの「London Calling」のイントロへと発展したかと思えば「Singe et Insecte」へと雪崩れ込んでフロアの大合唱を誘うと、甘くメロディックな「Vanilla」や爆発的にキャッチーな「LULLABY」でも観客たちの歌声が会場の壁を震わせた。



「これからも強くて美しいD’ERLANGERを4人で奏でたいと思います」──kyo

1990年のメジャーデビュー時のことなど、これまでを軽く振り返った後、kyoがそう話すとディープな「Love me to DEATH」から終盤戦へ。床を突き上げるようなグルーヴの「Noir-D’amour」や魅惑的なラブソング「BABY」と、再結成後にリリースされたアルバムからの楽曲が連続投下されて本編が締め括られた。

そしてアンコールで披露されたのは、やはりアルバム『J'aime La Vie』のナンバーだ。ジャジーなエッセンスを持つ「Everlasting Rose」で場内を再び妖艶な空間に染め上げると、そのムードを掻き消すように同アルバムでも最後を飾るハードチューン「沈む」が放たれる。途轍もない熱量を秘めるスリリングなバンドサウンドと、kyoの激情的なヴォーカリゼーションは、1990年のデビュー当時でも、2007年の再結成当時でもない、現在のD’ERLANGERだからこその衝撃だ。そして、オーラスでは今後の代表曲となること必至の「バライロノセカイ -Le monde de la rose-」が何度もフロアを爆発させ、まさに会場が熱狂の渦と化する中、<REUNION 10th ANNIVERSARY>が幕を下ろすのだった。

しかし、最後に意外な(?)サプライズが。Tetsuが「祝11周年、たまには慣れないことをしてみよう」とすでにステージを後にした他の3人を呼び込んで、なんと生まれて初めてという記念撮影が敢行されることに。ある意味、これこそが祝祭の大団円の瞬間だった言えるだろう。場内には最高の笑顔が咲き乱れていた。


『J'aime La Vie』というアルバムの楽曲たちが全国ツアーや主催イベントのライヴによって進化していることを実感し、お約束的な過去曲の連投など必要としないバンドの現在進行形の姿も体感した本公演。kyoもMCで「<REUNION 10th ANNIVERSARY>は今夜、ここで幕を閉じますけども、すぐに新しい物語が始まります。2018年もたくさん素敵な景色を一緒に見れたらなと思います」と語っていたとおり、5月に<D'ERLANGER TOUR 2018 "in the Beginning...">が控えており、そのサブタイトルが意味するように、この終演をもって11年目が始まった。ツアーが終わってもすぐにツアーという、このライヴバンドとしての姿勢が再結成後の10年間を突き動かし続けたD’ERLANGERのモードでもある。つまり、まだまだこれからも彼らは突き進むということだ。

■<D'ERLANGER REUNION 10TH ANNIVERSARY FINAL>4月22日@豊洲PITセットリスト

SE. Kilmister=Old NO.7
01. Harlem Queen Complex
02. Harlem Queen Romance
03. LOVE is GHOST
04. Dance with me
05. Mona Lisa
06. Je t’aime
07. dummy blue
08. Singe et Insecte
09. Vanilla
10. Angelic Poetry
11. LULLABY
12. Lome me to DEATH
13. Noir -D’amour
14. BABY
encore1
01. Everlasting Rose
02. 沈む
encore2
01.バライロノセカイ -Le monde de la rose-

■<D'ERLANGER TOUR 2018 "in the Beginning...">

5月19日(土) 福岡DRUM Be-1
open17:30/start18:00
5月26日(土) 梅田クラブクアトロ
open17:00/start18:00
5月27日(日) 梅田クラブクアトロ
open16:00/start17:00
6月10日(日) 仙台darwin
open16:30/start17:00
6月16日(土) 名古屋クラブクアトロ
open17:30/start18:00
6月17日(日) 名古屋クラブクアトロ
open16:30/start17:00
7月14日(土) EX THEATER ROPPONGI
open17:15/start18:00
▼チケット
【福岡・梅田・仙台・名古屋】
前売 ¥6,000(税込)
当日 ¥6,500(税込)
※オールスタンディング・ドリンク代別
【EX THEATER】
前売 ¥6,500(税込)
当日 ¥7,000(税込)
※全席指定・ドリンク代別
【プレミアムシート(梅田・EX THEATER公演のみ)】
[梅田公演]
プレミアムシート:¥10,000(税込)
※プレミアムグッズ付き・ドリンク代別
[EX THEATER公演]
プレミアムシート(1F前方) ¥11,000(税込)
※プレミアムグッズ付き・ドリンク代別
※プレミアムシート(指定席)はKIDS BLUE先行のみ
※未就学児童入場不可/小学生は要保護者同伴・有料
※EX THEATER公演のシートマップは後日発表致します。

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