【インタビュー】H!dE、恋愛小説を読むような感覚で受け取ってもらいたいベストアルバム『うたものがたりコレクション』
「恋が叶う!」と評判になり、YouTube再生回数がオフィシャルチャンネルで578万回、通算で650万以上というH!dEが、この楽曲も含むベストアルバム『うたものがたりコレクション』を5月9日にリリースする。新曲2曲に加え、楽曲をシリーズ化して物語のように表現する独自の連作スタイルの集大成ともいえる16曲が詰まった今作。彼の歩んだ5年間が凝縮されただけでなく、「Pinky Ring」シリーズも新曲「アイコトバ~Pinky Ringの誓い~」で、ついに完結する!
◆H!dE~画像&映像~
■H!dEとはどういうアーティストなのかというのを1枚にまとめたくて
■今回は初のアルバムにしてベストアルバムという形にしました
――楽曲を作るようになってからは長いんですか?
H!dE:いえ。普通の大学生をしていたので、最初はなんの知識もなく曲も作れず人前で歌ったこともないという感じでした。でも、一時期、渋谷でやっていた路上ライブにはまって。テレビで見たことがあるようなアーティストが路上ライヴをしているのを見て、それをきっかけに、お客さんの立場として路上ライブを見に行くようになったんです。それから次第に、見に行く立場から見せる立場になりたいと思うようになって。
――どういう感情が芽生えたんでしょう?
H!dE:お客さんを見ていたら、感動して泣いてる人がいたり、楽しんで笑顔になるのを目の当たりにしたんです。アーティストのMCを聞いていても、その思いを歌で表すのはすごいなぁと感じて。この日をきっかけにというより、徐々に自分も歌で何か伝える側になりたいと思いはじめて。
――そこからの行動は速かったの?
H!dE:すぐに動き出せたというわけではなかったんです。音楽をやりたいと思ってからちょっと期間があって、実際に始めたのは音楽スクールに通い始めてからです。そこでキーボードを手に入れてコードを覚えて、曲を作るようになっていったんです。でも、自分自身で路上ライブを始めた頃はカバー曲が多かったですね。最初は二人組で活動をしていたんですが、その時は相方が楽曲を作っていたんです。自分で本格的に曲を作るようになったのはソロになってから。自分でその曲を歌って人前で発表するようになるまでには5~6年かかりました。
――修行時代があるわけですね。
H!dE:はい。最初は「晴れのちくもり」という曲をYouTubeにアップしたんです。せっかく作ったから、ライブだけでなくいつでも聴けるようにな状態で残しておきたいと思って。それがYouTubeを使うきっかけでした。
――H!dEさん、話し声もいい声ですね。
H!dE:音楽スクールに行くようになってから声を褒められるようになったんですけど、それまではずっと声がコンプレックスだったんですよ。歌うと、この声も個性になるんだなってやっとわかった。ただ、しゃべっている声を褒められることはないですね。顔と声が合っていないってよく言われます(笑)。
――そんなことはないと思いますけど、歌声とはまた違いますね。
H!dE:歌う時はちょっとトーンを上げていますしね。恋愛ソングだとそっちのほうが合うんじゃないかと思って、意図的に。MCでも今のトーンで喋ることはあまりないかも。どちらかと言うと歌声に近い感じで、ちょっと上げて、届くようにしているので。取材とか打ち合わせの時くらいしかこのトーンでは話さないんですよ。
――もったいないです。歌声も音楽のスタイルも、いろいろ模索したんでしょうね。
H!dE:そうですね。だから、悩んで乗り越えてきたH!dEとしての物語も、今作のベストアルバム『うたものがたりコレクション』を聴いていると思い出すんです。
――5年間の活動の集大成と言ってもいいですね。
H!dE:はい。H!dEとはどういうアーティストなのかというのを1枚にまとめたかったので、今回はベストアルバムという形にしたんです。しかも、ベストにして初のフルアルバムなんです。以前、ミニアルバムを出したことはあるんですけど、リリースは配信が多かったので。H!dEのことを知ってくれる方が増えるきっかけになった「Pinky Ring」も配信のみでしたし。この曲はもちろん、今まで作って来た「うたものがたり」という数曲でひとつの物語になっている作品も、アルバムのために作った新曲も含め、アルバムのすべてで僕の名刺がわりになるようなベストな16曲を選曲しました。
――「Pinky Ring」も「うたものがたり」も、1曲で完結するのではなく、シリーズとして物語が続くというのが特徴的ですね。今回のアルバムにも収録されていますが、全部で4種類のシリーズがあります。H!dEというアーティストを知る上でも、どうしてそういう風に作品を作るようになったのか知りたいんですが。
H!dE:きっかけは、ふとしたアイデアでした。最初、アニメーションでミュージックビデオをやってみないかというお話をいただいたんですが、一曲だけで終わるのもなぁと思って。ちょうど当時、H!dEというアーティストの形を模索している最中でもあったんです。それで、三作を繋げて物語にしようというアイデアが浮かんで、それをやらせてもらったのがきっかけなんです。YouTubeにアップしたら、再生回数がどんどん増えたので、「うたものがたり」というのをH!dEのスタイル、新しいジャンルのようにできないかなぁと。悩み抜いてこのスタイルにたどり着いたということではなく、本当にふとしたきっかけだったんです。
――どんな風に楽曲を作るんですか?まずは全体のプロットを作って、1曲ずつに分けて行くの?
H!dE:「うたものがたり」シリーズに関しては脚本みたいなものをまず作りますね。どう二人の物語が進行していって最後はどうなるのかストーリーを考えてから、この部分をこういう曲にしよう、この部分はアップテンポにしようとか、そういう流れで作っています。
――まずはプロットなんですね。
H!dE:そこが一番大事かもしれない。全体としての物語もそうですけど、物語を知らない人が1曲だけ聴いてもわかるようにしています。ただ、物語を通して聴いたほうが、一曲だけではわからなかった登場人物の気持ちがわかると思うんです。そういう仕掛けはありますね。全体の物語としても、1曲としても、両方で楽しんでもらえたらなぁと思っています。恋愛小説を読むような感覚で受け取ってくれたらいいですね。
――「うたものがたり」の最初のシリーズは「Pinky Ring」ですよね。アルバムにはその5年後のストーリーが新曲「アイコトバ~Pinky Ringの誓い~」として収録されていますね。
H!dE:はい。11曲目「Aitai ~約束の場所~」、12曲目「キセキ ~再恋story~」も同じシリーズです。結ばれたあとに時間が経って別れてしまう話と、そのあとにもう一度再会して恋に落ちるというストーリーがあって、そこで完結していたんです。でも、「Pinky Ring」という曲をきっかけにたくさんの人が知ってくれて、そのおかげで今があるなと思っているので、ベスト盤を出すときに、それに繋がるいまの形……自分自身と重ね合わせて、何か曲を送り出したいなということで、5年後のストーリーとして「アイコトバ ~Pinky Ringの誓い~」を新曲として書きました。曲の中では二人がプロポーズを経てパートナーになるというプロポーズソングにもなっているという。
――「Pinky Ring」シリーズはこの曲で完結なんですか?
H!dE:よく言われるんですけど(笑)、一応これで完結のつもりではあります。描こうと思えば描けると思うんですけど。でも実は「キセキ ~再恋story~」の段階でも僕は完結って言ってたんですよ。なのに、今回、さらにその先の話を書いちゃったので、「完結」と言い切れはしないんですけど。僕の中では一応、完結のつもりではあります(笑)。
――「恋は幻」「BAKAみたい!」は、「夢の中で出逢う恋」シリーズということで、ちょっとファンタジーなんですね。
H!dE:これはちょっと挑戦です。夢の中で恋をして、次の曲ではその相手と現実の世界で再会をするという。それまでのシリーズは、基本、共感できるとか、みんなが経験したことがあるようなわかりやすい物語をシリーズにしていたんですけど、最新作の「恋は幻」から始まるストーリーは、現実離れした夢物語になっています。
――最新作ということは、この続きもあるんですか?
H!dE:いや、一応、これはもう完結しています。このアルバムに収録した4シリーズはすべて話は今のところ完結しています。
――13曲目から16曲目に収録されている「KAKUSHIGOTO」のシリーズでは「OSOROI」で女の子側の視点で描いてますね。
H!dE:これもチャレンジでしたね。男の子側と女の子側と違う目線の曲でそれぞれの思いを描いた、すれ違うストーリーになっているんです。これができたのは、たまたま女の子に相談を受けたのがきっかけで。好きになってしまった相手が友達だったと。でも今さら思いなんか伝えられないという相談を受けて。のちのち、この話を膨らませて何か物語ができないかなぁと思っていたんです。何かしら、曲を作るきっかけっていうのは、誰かから聞いた話だったり、実話を元に膨らませていることが多いですね。最新の「夢の中で出逢う恋」シリーズ以外は。
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