【ライブレポート】凛として時雨、ツアー<Five For You>ファイナルにみた15年の重み

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凛として時雨が4月30日、Zepp Tokyoにてワンマンツアー<凛として時雨 Tour 2018 “Five For You”>のファイナル公演を開催した。同ツアーは2月14日にリリースされたオリジナルアルバム『#5』を引っ提げて行われたものだ。

◆凛として時雨 画像

5年ぶりのオリジナルアルバム『#5』リリースに伴う今回のツアーは、3月からスタート。進化を続ける現在進行形の3人の姿を見せつけると同時に、結成から15年を経たバンドの歴史の重みも感じさせる、意義深いものとなった。

オープニングを飾ったのは、アルバムでも一曲目に収録されている「Ultra Overcorrection」。イントロから爆発的なアンサンブルで魅了するも、いつもより少しBPMを落とした重心の低いグルーヴが今の時雨らしさを印象づける。TKに機材トラブルがあり、曲間が一瞬空いたものの、すぐにピエール中野がドラムソロでカバーし、アッパーな「High Energy Vacuum」へと繋げたのも流石だった。


「凛として時雨です」というTKの短い挨拶を挟んで、サビでの掛け合いがツインボーカルの真骨頂を感じさせる「Who What Who What」。イントロが始まると会場中にクラップが広がった「I was music」でさらに興奮度のギアが上がると、「DISCO FLIGHT」ではイントロのギターフレーズに合わせて、345がピョンピョンと飛び跳ね、そのままトランシーな空間へと突入。フロアは熱狂に包まれた。

345の歌い出しから始まる「Tornado Minority」、時雨としては珍しい6拍子のリズムパターンが新鮮な「Chocolate Passion」と再び新作からの曲が続き、「a symmetry」ではステージ後方のスクリーンに文字通りシンメトリーな映像が映し出される。TKの弾き語りから始まる重厚な「ten to ten」は345のコーラスが楽曲のドラマ性を高め、ラストの怒濤の展開では照明の演出も加わって、中盤のクライマックスを見事に作り出していた。


ステージに一人残ったピエール中野が「言いたいことはひとつだけ。お酒の飲み過ぎには気をつけてください!」と呼びかけると、YOSHIKIが出演していたテレビ番組を酔っぱらいながら見ていたら号泣し、思わずYOSHIKIにメールをしたというエピソードを語り、「ツアーファイナルなので」と言って、オーディエンスとともにXジャンプ!さらには、「凛として時雨のライブとの美しいコントラストを楽しんでいただければ」と、なんとBGMに「どんぐりころころ」を流しながらのドラムソロを披露。最初はシュールな雰囲気だったものの、徐々に本格的なドラムソロに移行し、手数も足数も多い圧巻のプレイに対して、場内は大歓声に包まれた。

再びTKと345がステージに姿を現すと、TVドラマ『下北沢ダイハード』のオープニングテーマとしてもお馴染みの「DIE meets HARD」へ。こちらもBPMは抑えめながら、しっかりダンサブルで、345の“SEE MORE SEE MORE GUITARS”というコーラスが実にキャッチー。続く「Who’s WhoFO」では天井に吊るされた巨大なミラーボールが光り輝き、スケールの大きなメロディーが場内を包み込む。プログレッシヴな展開の「EneMe」も含め、新作の曲調は実に多彩で、一曲一曲を突き詰めたことが伝わってくる。


終盤には過去の代表曲を並べ、「abnormalize」で345がこの日最もエモーショナルなボーカルを披露、「Telecastic fake show」では演奏の熱はもちろんのこと、サビで一気に持って行く展開から、改めて時雨のメロディーの力を思い知らされる。1stアルバム『#4』からこの日唯一披露された「TK in the 夕景」は、“僕達の未来を見させて 見させてくれ”という歌詞が、15年という月日の重みを感じさせ、感動的に響き渡った。

345が「こんなにたくさんの方が来てくださって嬉しいです」とオーディエンスに感謝を伝え、「追加公演もあるので、また会場で会いましょう」と告げると、ラストはアルバムでも一番最後に収録されているタイトルトラック「#5」。じっくりと、演奏と歌を噛み締めるように進む序盤から、中盤で突如カオティックなパートへと移行し、後半で“鮮やかな夕景達よ”という歌詞とともに上り詰めて行く展開はカタルシス十分だ。アウトロではTKが絶叫と共にギターを投げ捨て、壮絶なインパクトを残してライブが終了。耳をつんざくハウリングが鳴り止むと、会場中から感嘆の拍手が贈られていた。



凛として時雨は、5月4日に<VIVA LA ROCK FES>へ出演するほか、6月にはこのツアーの追加公演として<凛として時雨 Tour 2018 “Five For You” 〜Vacuum The Hall Edition〜>と称した東京国際フォーラムAおよび、大阪フェスティバルホールでのワンマンライブを予定している。

取材・文◎金子厚武
撮影◎河本悠貴

■<凛として時雨 Tour 2018 “Five For You”>2018.4.30@Zepp Tokyoセットリスト

01. Ultra Overcorrection
02. High Energy Vacuum
03. Who What Who What
04. I was music
05. DISCO FLIGHT
06. Tornado Minority
07. Chocolate Passion
08. a symmetry
09. ten to ten
10. DIE meets HARD
11. Who’s WhoFO
12. EneMe
13. abnormalize
14. Telecastic fake show
15. TK in the 夕景
16. #5

■全国ツアー追加公演<凛として時雨 Tour 2018 “Five For You” 〜Vacuum The Hall Edition〜>

6月01日(金) 大阪フェスティバルホール
Open 18:15 / Start 19:15
(問)清水音泉 06-6357-3666
6月11日(月) 東京国際フォーラム ホールA
Open 18:15 / Start 19:15
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
▼チケット全席指定 ¥5,400 (税込)
※高校生以下の方は会場にて¥500-キャッシュバックあり。
※小学生は年齢を証明できるものを、中学生・高校生の方は学生証をご持参下さい。
※キャッシュバックは、当日ご来場された方に限ります。後日の対応はございませんので、当日お受取り忘れのない様お気をつけ下さい。
一般発売:2018年4月7日(土) AM 10:00

■<TK from 凛として時雨 presents“error for 0 vol.4”>


2018年10月25日(木) なんばHatch
OPEN 18:30 / START 19:15
▼出演者
TK from 凛として時雨 / ACIDMAN
(問)清水音泉 06-6357-3666

2018年11月1日(木) 新木場 STUDIO COAST
OPEN 18:30 / START 19:15
▼出演者
TK from 凛として時雨 / ACIDMAN
(問)HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

▼TK from 凛として時雨Support member
Drums: bobo, Bass:吉田一郎, Piano:世武裕子, Violin:佐藤帆乃佳
▼チケット
・1F立見 ¥4,860 (税込/D代別) ※整理番号順入場
・2F着席指定席 ¥5,400 (税込/D代別) ※公演中は着席にてご覧頂きます(立見観覧不可)。
※高校生以下の方は会場にて¥500-キャッシュバックあり。
一般発売日:2018年7月21日(土)
【オフィシャルチケット先着先行】
受付期間:2018年5月1日(火)20:00~5月13日(日)23:00
受付URL https://l-tike.com/st1/tkerror4
入金受付期間:予約日含めて2日間
取扱券種:1F立見/2F指定
※お一人様1申し込み最大2枚まで購入可能
※一般発売日12:00より発券スタート

■<ピエールフェス THE FINAL>


7月18日(水) 恵比寿LIQUIDROOM
OPEN&START 18:00(OPENと同時にDJスタート)
▼出演
LIVE:X SUGINAMI / Maison book girl with カオティック・スピードキング and more
DJ:DJピエール中野(凛として時雨) / DJ ダイノジ / DJ やついいちろう(エレキコミック)
▼チケット
オールスタンディング¥4,500 ※ドリンク代別
【オフィシャル第3次先行】
受付期間:2018年4月30日(月・祝)17:00~5月6日(日)23:00
受付URL https://l-tike.com/st1/pierrefestickethpweb
※お一人様1申し込み最大4枚まで購入可能/当選者発券期間:5月12日(土)12:00~

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