己龍、「力尽きるまで歌い続ける」

己龍が4月28日、中野サンプラザで＜全国単独巡業「磑風舂雨」＞千秋楽公演を行った。

◆ライブ画像

最新シングル「春時雨」が、オリコンメジャーデイリーチャート4位を獲得。同作品を手に行った＜全国単独巡業「磑風舂雨」＞中には、通算500回目となる単独公演数も記録。今年活動11年目のバンドにしては、非常に多くのワンマン本数を重ねている。すでに＜四十七都道府県単独巡業＞も四周経験している。己龍は通常のワンマンツアーでも30本前後は当たり前のように行っている。それだけ全国津々浦々にファンがいる…というよりも、みずから積極的に足を運び続け、全国各地に己龍を支持するファンたちを増やし続けてきたと言ったほうが正しいだろう。

今回の千秋楽公演は中野サンプラザだったが、このステージを踏むのも二回目のこと。ここ最近の巡業の千秋楽公演はキャパシティの大きなライブハウスで行うことが多く、ホール公演は2016年8月に行った日本武道館公演以来となった。この日のライブでは、和太鼓を中心に和楽器を鳴らす東京打撃団とのコラボステージも登場。遠海准司（Dr）とのセッションを皮切りに、「見世物鬼譚」「阿吽」「桜花爛漫」で和楽器の演奏を交えた激しくも雅な演奏を披露。


アンコールでは黒崎眞弥（Vo）が抱えている目の病気が進行しており、何時どうなるか先のことは自分でもわからないと告白。強い光を浴びるライブなど、音楽活動面は眞弥の目の病魔の進行を悪くすることはあれど良くすることはない。それでも彼は己龍に心救われている人たちがいる限り、力尽きるまで己龍として活動することと歌い続けることを宣言。「黙って俺について来い!」と叫んでいた。

ライブの中、己龍から新しい報せが2つ届けられた。一つ目が、7月11日に通算19枚目のシングル「無垢」を発売すること。彼らが何故「無垢」という楽曲を、今このタイミングで掲げたのかがとても興味深い。メンバー自身も「いい曲」と舞台上で連呼していた。ヴィジュアル面でも、インパクトのある真っ白い衣裳を披露。これまでずっと真紅の髪色だった参輝が無垢（白）色な髪に変化している。

二つ目が＜東名阪単独巡業「遠塵離垢」（おんじんりく）＞の開催だ。今回の巡業は、東名阪と三ヶ所のみになる。東名阪に絞った単独巡業は、彼らの歴史の中でも初のこと。これまである程度定められた流れや規模を持った活動展開を描いてきた己龍だけに、今回の巡業の発表は意外とも言える。さらに名古屋公演と大阪公演を7月14日と16日に終えたあと、千秋楽公演は2ヶ月弱もの間を空け、9月7日の新木場STUDIO COASTにて行われるとのこと。


この理由は、この夏に己龍が所属するB.P.RECORDSとDOG in the PWOなどを擁するResister Recordsが＜シバきあい!!＞と題した合同ツアーを7月20日より8月いっぱいかけて行うため。そのツアーを終えた勢いを持って己龍は、9月7日に新木場STUDIO COASTを舞台に行う千秋楽公演に突入する。そのためにあえて単独巡業を絞った形を取ったというわけだ。今年の春にも＜均整を乱す抗うは四拍子＞ツアーへ参加したように、今年の己龍はイベントライブへ積極的に参加している。あえて武者修行の場へとみずからを駆り立て、自身へ新たな刺激を注入し続けている様子だ。他にも7月7日にファンクラブ会員・子龍限定公演を新宿RUIDO K4で実施。8月3日には、毎年恒例となった九条武政（G）の生誕祭も名古屋BOTTOM LINEで開催されることが決定している。

ライブ写真◎KEIKO TANABE
文◎長澤智典
編集◎BARKS





◆己龍 オフィシャルサイト