【ライブレポート】04 Limited Sazabys、結成10周年アリーナツアー初日「実は俺たち、ここからアクセル踏むんです」

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04 Limited Sazabysの結成10周年を記念するアリーナツアー<04 Limited Sazabys 10th Anniversary Live>の初日が4月29日(日)に開催された。会場となった横浜アリーナにあったのは、彼らのひとつの節目をファンと思い切り祝う華やかさとともに、GEN(Ba&Vo)の言葉を借りれば“普通の兄ちゃんたち”がいかに自らの手でタフに人生を切り開いてきたかという生々しさだった。その両軸が共存していたことがこのライブの感動に繋がったのだと思う。

◆04 Limited Sazabys ライブ画像ページ

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前述の“彼らの現在地”を物語るのが、このライブの前々日は『Mステ』、前日には<ARABAKI ROCK FEST.18>への出演を果たしていたという引く手あまたのスケジュールだろう。そして迎えた今回のステージでも、メンバーが観客の前に姿を現すと頭上に掲げられた“10th”の電飾がまばゆく光り、ボン!という爆音とともに火花が舞ったあと、火柱や砲煙といった特効が1曲追うごとに飛び出して派手なステージ演出が展開されていった。これでもかというほどのエンターテイメント空間に思わず面食らうが、肝心の演奏はと言えば「fiction」「escape」「knife」といったヘヴィでカオティックな選曲で序盤からサイケデリックな世界へ誘い、むちゃくちゃにしようとしてくる。RYU-TA(Gt&Cho)は、「もっとこいやー!」とあの声で焚き付けてくる。そしてこの日最初の挨拶でGENは、「祝いに来てくれたみなさん、本当にありがとうございます。大丈夫ですか、輝きすぎちゃってないですか? 俺たち、いつもより多めに輝こうと思ってます。一緒にいいところに行きましょう」と、いたずらな表情を浮かべてみせた。パンクロックのままエンターテイメントしている4人の姿はとても頼もしい。







フォーリミの結成10周年、というタイミングに意味づけをするなら、それはこの“頼もしさ”だろう。ちょうど5年前にあたる2013年5月にリリースされた2nd mini Album『sonor』(収録曲「Now here, No where」はバンド初の日本語詞曲だ)、翌年2月にリリースした3rd mini Album『monolith』で名古屋のメロコアシーンから全国区へ広がりを見せると、あとは一気に邦楽シーンで着火し、2015年にはメジャーデビューもし、翌年は「今度は僕らがシーンに影響を与える番、そしてシーンを作る番」と宣言して自主フェス<YON FES>を愛知県の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)で初開催。2017年2月に初の武道館ワンマンをおこない、つい先日には今年度の<YON FES>も終演を迎えたばかりだ。さらには今回のワンマンでも披露されたように、最新シングル曲「My HERO」をはじめ、「Squall」「happiness」といったタイアップソングを世の中に次々と発表してきたフォーリミ。着実にステップアップを遂げてきたのである。

この「My HERO」が演奏された際には、終盤のポエトリーリーディングの箇所でヴィジョンに歌詞が映し出されたのだが、“僕らはずっと あの頃と同じ”“生き方探し 全開で冒険”“立ち上がる以外 方法はない”などと、さらなる邁進を誓う力強いリリックに私たちがおのずと期待と興奮を覚えたのも、今まで有言実行してきた彼らだからなせるわざだ。その直後の、「僕らはずっとあの頃と同じ!」という曲紹介で「Remember」へと繋いだ流れも見事だった。また、GENがこの日ステージ上で何回も言っていた「今日は何も考えなくていいから」という台詞が、どれだけたくさんの心を解放したかは言うまでもないだろう。キッズがフォーリミのライブに集結しない理由が見当たらなかった。







MCでも、この10年を振り返る場面が多かった。ツライ時期もあった、と経済面での生々しいエピソードが開陳されもした(笑)。ひとたびトークを始めれば、笑わしにかかる4人が楽しくて、本当に普通の兄ちゃんという感じ。ライブに戻ると、「若い頃に作ったから恥ずかしさがあるけれど、この機会にぜひやりたい」と紹介された曲が「Standing here」だ。10年どころか12年前頃に作られ、前置きした通りに思春期性の高いメロコアナンバーながら、この日の演奏にもリアリティーが宿っていたのは、いまだに青々とした空気感を保つフォーリミならではだ。4分割されたヴィジョンに映し出された4人の顔のアップがとても眩しかったことを覚えている。









また、その後のフェーズでは、カメラマンに扮してステージ上に登場するという茶番をしっかりと繰り広げたBLUE ENCOUNTの田邊駿一と「climb」を共演し、続いて登場したgo!go!vanillasの牧 達弥とは「Warp」を歌い、同じく邦楽シーンを引っ張るバンドから10周年を祝福されるというサプライズも施された。おわかりいただけるだろうが、今回のフォーリミのライブは特にどこを切り取ってもハイライトのようにスペシャルだ。

だがライブも後半に差し掛かっていた頃のMCでGENはこう言い放った。彼らの視線は未来に向かっていた。「今までは、ただのバンドマンがヒーローになるまでのストーリーでしたが、ヒーローになってからが本編だと思ってます。みなさん、これからもついてきてください、よろしくお願いいたします。……今までひとつひとつ積み上げてきたものを、ここですべて台無しにしませんかという曲を歌ってもいいですか?」

──ひとり、スポットライトを浴びながら、大きく息を吸い込むとギターのアルペジオとともに「Buster call」を噛みしめるように歌い上げていく。「ここから新しい道を作っていきます。みなさん、付いてきてくれますか?」と続けてGENは呼び掛けたが、その前からとっくにオーディエンスの無数の手が挙がっていて鳥肌が立つ。そして「monolith」だ。バンドの真骨頂である高速ビートが加速させた会場のテンションを止められるものは何もなかった。





本編最後のMCも輪をかけて威勢のいい内容だった。「この10年、駆け足でどんどん進んできたように思ってるかもしれないですけど、実は俺たち、ここからアクセル踏むんです。今までは重い衣を着て動いていたような感じ、悟空みたいに。伝わりにくいか(笑)……ここからが俺たちの快進撃でその開会式だし、今までは頂上へ向かうためのただの序章です。ここからアクセル踏んで11年目、12年目と、新しい道を開拓していこうと思ってるんです。これからも俺たちのストーリーの登場人物でいてくれますか? みなさんの未来に光が射しますように! 俺たちの未来に光が射しますように! そして日本のロックシーンに光が射しますように!」

そう言い放ち、晴れやかに打ち上がった本編。それに対して、アンコールでは「最近、世の中おかしくて──」と切り出し、最後の最後できっちりとメッセージを主張した姿も彼ららしいと思う。

SNS上などで一斉に他人のことを叩く風潮を“同調社会”と表現して、「その厳しい目を自分の内側に向けようよと僕は思う」とGENは話した。続けて、「自分が好きなことや好きな人と正直に向き合い、大切にできるのがカッコいい大人だなと思ってます。俺たちまだまだ発展途上。もっともっとかっこよくなって帰ってきますので、今後とも付いてきて、見続けて、確かめに来て下さい。よろしくお願いいたします!」とファンと約束を交わした。そして、「今日は何も考えなくていい。この瞬間を、ただただあと1曲、俺達の曲を感じて、帰ってください。考えすぎて考えすぎて、自分が何かわからなくなってるみなさんに捧げます。自分自身に生まれ変われ!」と叫び、「Squall」が演奏された。自問自答しながらも最後は道を切り開こうとするこの曲。そのあいだヴィジョンに映し出されていたのは、移動車でライブを廻る彼らのこれまでの日常の姿であり、その前で懸命に演奏する4人の生の姿は説得力のかたまりのようだった。



思い起こすと、この日は本編からアンコールまでずっと、絵柄はそれぞれだったものの白地のTシャツ姿で揃っていた4人。その光景はとてもフレッシュであると同時に、でもだからこそいまだに得体が知れず不敵な彼らのイメージにぴったりだった。また新たな道を切り開いていくであろう04 Limited Sazabysの無限の可能性を象徴していた。



取材・文◎堺 涼子(BARKS)
撮影◎ヤオタケシ、Viola Kam (V'z Twinkle)

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<04 Limited Sazabys 10th Anniversary Live >

4月29日(日) 横浜アリーナ
5月5日(土) 日本ガイシホール
5月11日(金) 大阪城ホール

◆04 Limited Sazabys オフィシャルサイト
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