【インタビュー】ライオット「ライオットというマシンのスイッチを入れる。それが30年間やってきたこと」

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2012年にバンドの創設者であるマーク・リアリが他界後、残されたメンバーのドン・ヴァン・スタヴァン(B)とマイク・フリンツ(G)によって新たにスタートしたRIOT V(日本ではライオットのまま)が、『アンリーシュ・ザ・ファイア』(2014年)に続く第2弾アルバム『アーマー・オブ・ライト』を完成させた。

◆ライオット映像&画像

スピード感溢れるピュア・メタル・ナンバーを満載したこの作品は、名作『サンダースティール』(1998年)の流れを汲んだ作品とも言える。その『サンダースティール』でも数多くの曲を書き、現在も曲作りの中心を担っているドンにこの新作について語ってもらった。




――新作の『アーマー・オブ・ライト』はスピーディーな曲が数多く収録されていますが、どういったアルバムにしたいと考えていましたか?

ドン・ヴァン・スタヴァン:前作の『アンリーシュ・ザ・ファイア』は、マーク・リアリと彼のレガシーへのトリビュート・アルバムとして作ったんだけど、その後俺たちは先に進むことにした。新しい契約も獲得して、新しい曲を書き始めたんだけど、俺は『サンダースティール』から関わっているから、そのルーツに戻って『サンダースティール』のようにエキサイティングなものを書きたいと思っていた。だから、基本的に新作は2018年版の『サンダースティール』と言えると思う。よりプログレッシヴでよりエッジが利いていて素晴らしいヴォーカルが楽しめる。それが俺達が目指していたものだったんだ。

――歌詞にコンセプトはあるますか?

ドン・ヴァン・スタヴァン:コンセプトというのは特にないよ。今回はシンガーのトッド・マイケル・ホールがヴォーカル・メロディと歌詞を沢山書いている。過去の作品では大半の歌詞も俺が書いていたけど、今回のアルバムでは彼らしさを発揮しているという感じだよ。アルバムのタイトルも彼が考えたものだし、歌詞の多くを書きアイディアも出している。1stシングルとして「ヴィクトリー」がリリースされたけど、このタイトルも、戦いについての曲というだけでなく、俺達がバンドを続けていることが勝利だという曲でもあるんだ。『アーマー・オブ・ライト』というのは聖書の一節(ローマ人への手紙13章12節)に出てくる表現でもあって、善対悪/闇の中の光という感じで上向きな感覚がある。前向きなアルバム・タイトルだよ。だから、特にテーマというのはないけど、とにかく音楽的にも歌詞の面でもポジティヴなアルバムを作りたかったんだ。

――トッド・マイケル・ホールは声のレンジが広いのでどんな曲でも歌えると思いますが、彼の声を活かした曲作りは意識していますか?

ドン・ヴァン・スタヴァン:彼を発見した俺達はラッキーだったよ。ミシガンにいる俺の友人が、彼のことを俺に話してくれたんだ。ジャック・スターのBURNING STARRのアルバムで歌っているシンガーが凄いとね。それで聴いてみたら本当に素晴らしいと思ったので、電話を入れてみたところ、彼もこのバンドに凄く興味を示してくれた。彼は『サンダースティール』を聴いていた世代だから、このバンドのことをよく知っていたし、挑戦にも前向きだった。俺にも彼が相応しいスタイルであることはわかっていた。彼は非常にレンジが広い声の持ち主だから、ライオットのあらゆる時代をカバーすることができる。かなり多様だが彼には問題なくやれるよ。しかも彼はユニークな声の持ち主でもある。高音も出せて、しかもテクニックも備えていて、堂々としたところもある。彼には限界がないことも知っているから、かなりクレイジーな曲を書いても、彼なら上手くやってくれることが俺達にはわかっているんだ。アグレッシヴな曲ではロブ・ハルフォードのように凄い高音で歌うこともできるし、スティーヴ・ペリーのように凄くメロディックに歌うこともできる。彼はオールラウンドなんだ。このバンドに新たな生命を吹き込んでくれたと思う。ルックスも最高だ。ヘラクレスのような体格なのに天使のように歌う(笑)。それも俺達にはピッタリ合っている。

――以前のライオットとアルバム制作で何か変わった点はありますか?


ドン・ヴァン・スタヴァン:変わったところがあるとすれば、曲作りのスタイルだけだろうな。俺達は多才なミュージシャンの集まりだ。凄く長く音楽をやっているし、あらゆるタイプの音楽を聴いている。俺はヘヴィ・メタルだけを一日中聴いているわけではないし、モータウンのファンでもあればクラシック・ロックのファンでもある。どんなものも聴くよ。マイク・フリンツ(B)もそう。でも、ライオットのアルバムを作るとなると、ライオットというマシンのスイッチを入れる。それが俺達がこれまでの30年間やってきたことだ。だから、そのスタイルはそのままだ。唯一少し変わったところがあるとしたら、俺達のシンガーはほとんど何でもやれるから、それが俺達にちょっと違ったことをやるチャンスを増やしてくれているということだけだろう。そして、それが素晴らしい結果を生み出している。ライオットは「ファイト・オブ・ザ・ウォリアー」や「サンダースティール」(共に『サンダースティール』に収録)のような凄く速い曲を書くことで知られているけど、「マリアン」(『ザ・プリヴィレッジ・オブ・パワー』に収録)のような非常にコマーシャルでメロディックな曲を書くことでも知られている。その上、トッド・マイケル・ホールのようなシンガーがいるんだから限界がないんだよ。彼が加わって彼ならではのスタイルも持ち込まれた。だから、ライオットのスタイルだけど、ヴォーカルの素晴らしさが更に際立っているかもしれない。

――速い曲が多い中、「コウト・イン・ザ・ウィッチズ・アイ」はメロディックでミドル・テンポな曲ですね。

ドン・ヴァン・スタヴァン:「コウト・イン・ザ・ウィッチズ・アイ」は、グルーヴ感がたっぷりのロックのフィールがある曲として書いたんだ。意識的にそういう風にこのアルバムを組み立てているんだよ。ずっと壮大な曲ばかりではいけない。速くてアグレッシヴな曲だけを12曲も入れるわけにはいけないんだ。俺達はレイドバックした曲もやることでも知られている。だから、俺達のディープ・パープル風のスタイル、「サイン・オブ・ザ・クリムゾン・ストーム」(『サンダースティール』に収録)や「メタル・ソルジャーズ」(『ザ・プリヴィレッジ・オブ・パワー』に収録)のようなよりグルーヴィーで拳を突き上げたくなるような、凄くレイドバックした曲をやりたくて書いたんだ。それから、この曲のブリッジ・セクションではホーンの音が聴こえる。あれをやることにしたのは『ザ・プリヴィレッジ・オブ・パワー』を讃えるためだ。あのアルバムにはホーン・セクションが入っていたからね。だから、ちょっとしたノスタルジアも込めて、このブリッジ・パートにサックスやトランペットを入れたらどうだろうと思ったんだ。それで、コーラスが始まる直前にホーン・セクションが入れたら、本当に良い仕上がりになった。これは間違いなく昔を懐かしく思い出させるものにもなっているし、元々楽しく書けた曲だったけど、ホーンを入れたことで、さらに良いものになったよ。

――ボーナス・トラックの「サンダースティール(2018 Version)」を入れようと思った経緯は?


ドン・ヴァン・スタヴァン:レコード会社のニュークリア・ブラストの担当者から提案されたんだ。アニバーサリーに相応しいものとして「サンダースティール」を入れようと。でも、アイコン的な曲を作り替えるのは嫌だという人達がいるのはわかっているし、俺も最初はためらった。「サンダースティール」はとても重要な曲だし、ライオットの最大ヒット曲のひとつだよ。でも、担当者から「君が書いた曲だろ? 君がマークと一緒に書いたんだから、君の曲だ。君が30年後に引き継ぐんだ」とメッセージをくれて、俺はやることにした。もう身体に染み込んでいるので、レコーディングはあっという間に終わったよ。レコーディングの前に、俺は「オリジナルと同じようにアグレッシヴにやろう」と言って、幾つかのパートを変えることを提案した。それがこのヴァージョンだ。全く同じではないんだ。中盤によりモダンな感じのパンテラっぽい凄くヘヴィ・メタルらしいブレイクダウンを入れているけど、基本的には構成は変わっていないよ。初めて聴き返した時は、昔の思い出が蘇ったね。30年前のライオットらしく聴こえたよ。

――今後の予定について教えてください。

ドン・ヴァン・スタヴァン:3月に行なった日本公演をシューティングしたから、ライヴDVDが出る。俺達にとって本当に特別なものになるよ。大々的なショウをやって素晴らしいものになったからね。それと、他の予定で決まっているものとしては、大規模なフェスティバル出演がある。<Wacken Open Air><Leyendas Del Rock>…<Headbangers Open Air>では俺達がヘッドライナーを務める。LOUDNESSも出るしクールなバンドがたくさん出る。そういったフェスティバルが3週連続で週末にあって、その間にもショウがあるから、実質的には5週間のヨーロッパ・ツアーを6月から8月の間にやるという感じになる。それから、自国のアメリカでもプレイする予定だよ。

取材・文:Jun Kawai
写真:Mikio Ariga


ライオット 『アーマー・オブ・ライト』

2018年4月25日日本先行発売
【初回限定盤CD+ライヴCD】¥3,000+税
【通常盤CD】¥2,500+税
※日本語解説封入/歌詞対訳付き
1.ヴィクトリー
2.エンド・オブ・ザ・ワールド
3.メサイア
4.エンジェルズ・サンダー, デヴィルズ・レイン
5.バーン・ザ・デイライト
6.ハート・オブ・ア・ライオン
7.アーマー・オブ・ライト
8.セット・ザ・ワールド・アライト
9.サン・アントニオ
10.コウト・イン・ザ・ウィッチズ・アイ
11.レディー・トゥ・シャイン
12.レイニング・ファイア
13.アンビリーフ ※ボーナストラック
14.サンダースティール <2018 ヴァージョン>
ボーナスCD<キープ・イット・トゥルー・フェスティバル 2015> ライヴ
1.ライド・ハード・リヴ・フリー
2.ファイト・オア・フォール
3.オン・ユア・ニーズ
4.ジョニーズ・バック
5.メタル・ウォリアー
6.ウィングス・アー・フォー・エンジェルス
7.サイン・オブ・ザ・クリムゾン・ストーム
8.ブラッドストリーツ
9.テイク・ミー・バック
10.ウォリアー
11.ロード・レイシング
12.ソーズ・アンド・テキーラ
13.サンダースティール

【メンバー】
トッド・マイケル・ホール(ヴォーカル)
ドン・ヴァン・スタヴァン(ベース)
マイク・フリンツ(ギター)
ニック・リー(ギター)
フランク・ギルクライスト(ドラムス)

◆ライオット 『アーマー・オブ・ライト』レーベルオフィシャルページ
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