【インタビュー】デズデモーニア「歌は深く音はダークでアグレッシヴ…でもキャッチー」

ポスト

デズデモーニアの8年振りとなる4thアルバム『アングウィッシュ』が4月25日に発売となった。アグレッシヴで強力なグルーヴをもった、ルクセンブルクが誇るメロディック・デス・スラッシュ・サウンドだ。

◆デズデモーニア映像&画像

1990年代中盤の欧米デス・メタル・シーンに影響を受けた彼らの音楽性は、AMON AMARTHの持つキャッチー性/AT THE GATESのストレイトでオールド・スクールな気質とメロディ/BOLT THROWERが見せるグルーヴを醸し出すものだ。ルクセンブルク・メタル・シーンの先頭を駆け行くバンドとして、20年もの年月をかけアンダーグラウンドで強力なファン・ベースを築き上げ、デモ集と3枚のスタジオ・アルバムを発表してきたバンドだ。

自らのルーツを基盤に置きながらマッシヴなサウンドを求め、彼らはフレドリック・ノルドストローム(AT THE GATE、IN FLAMES、ARCH ENEMY、HAMMERFALL、OPETH、DIMMU BORGIR)へミックスとマスタリングを依頼することで、さらにアグレッシヴでクリアな輪郭がアルバムに加味されている。


──8年振りとなるアルバムの登場ですね。

トム・ドーサー(B、Vo):『アングウィッシュ』の発売が決まってうれしいの一言さ。このアルバムに注ぎ込んだ情熱を感じて欲しいね。

──新作ではどのような音楽を目指していたのですか?

トム・ドーサー:クールでヘヴィな力強いメタル・レコードだ。基本はこれまでと変わらないけど、より発展させることは常に目指しているよ。デス/スラッシュのリフとデス・ヴォーカルを主軸にロックン・ロールのアティテュードを持っている。重要なのはリスナーがヴォーカルを理解してくれるという点だ。

──前作のリリースから8年が過ぎましたが、その間の活動は?

トム・ドーサー:『Existence』を2010年にリリースしてからは、2年位プロモーションとライヴを行っていた。そしてバンド結成15周年を祝した大きなライヴを行った。ルクセンブルクの全メタル・バンドが集結したんだ。それから曲を書き始めたけど、ギタリストが脱退しドラマーは活動休止を望んでいたので、やむなく活動を停止させることにした。後、新ギタリストにデイヴィッドが加入してからは、曲作りに専念して少しずつリハを行った。まるでリハビリさ(笑)。2017年に入ってから曲を準備して新作のレコーディング作業に入ったという感じかな。

──もともとデズデモーニアはどのようにして誕生したバンドですか?


トム・ドーサー:ルクセンブルクで高校生だったギターのマークとドラムのトムが結成したんだ。1994年のことだ。それからオレが加入してよくジャム・セッションを行っていたな。オレたちはエクストリーム・メタルをプレイしたルクセンブルグで初めてのバンドなんだよ。でもこの手の音楽は受け入れてもらえずライヴを行うのにも苦労の連続だった。でもアンダーグラウンドで懸命に活動してきたことで、今につながっているんだと思う。SOILWORKを筆頭に、様々なバンドと一緒に切磋琢磨してきたからね。

──DESDEMONIAというバンド名はどういう意味ですか?

トム・ドーサー:自然と出てきた名前で空想的な名前なんだ。よく聞かれる質問だけど、あまり深い意味は持っていないよ。

──曲作りはどのように行っているんですか?

トム・ドーサー:いつもリフからだね。ギタリストが作り出すリフが命だ。それを基本にリハを行い、リズム、歌、メロディを作りアレンジを施していく。いつもキャッチー性とヘヴィなものをうまく合成できるように考えているんだ。これが最も重要視している点で、歌は深く音はダークでアグレッシヴ…でもキャッチーなフィーリングも兼ね備えている。それがデズデモーニアなんだ。

──影響を受けた音楽はどのあたりですか?

トム・ドーサー:ルーツはロックとメタル…特に1970年代ロック、1980年代のスラッシュ、1990年代のデスかな。大きな影響を受けたのはANNIHILATOR、SAMAEL、IRON MAIDEN、MOTORHEAD、METALLICA、ATH THE GATES、OPETH、CANNIBAL CORPSE、AMON AMARTHだね。でも音楽だけでなく街に溢れている音、例えば車のエンジン音、木の葉が舞う音、鳥の鳴き声とかにもインスパイアされて、自身の音楽へと活かしているよ。

マーク・ドーサー(GO):俺はこのバンドで歌っている兄のトムに影響された。METALLICA、GUNS N' ROSES、SLAYERは強烈だった。それからSCORPIONS、AC/DCなんかを聴いていたんだけど、ギターを始めるとエクストリーム系やデス、ブラック・メタルに興味を持った。でも多くのバンドにインスパイアされたよ。

デイヴィッド・ワグナー(G):俺はメロディックなものが大好物なんだ。METALLICAのジェイムス・ヘットフィールドには大きな影響を受けた。彼のタイトで速いダウンストロークはすごいよ。もちろんソングライターとしても尊敬している。他にもIN FLAMES、ARCH ENEMY、OPETHも大好きだな。

トム・ドーサー:俺はメタルに影響を受けてベースを始めたんだ。ロックを中心に様々なジャンルの音楽を聴いてきた。特にSAMAEL、ANNIHILATOR、CANNIBAL CORPSE、MACHINE HEADなんかが好みのバンドかな。BLACK SABBATH、DEEP PURPLE、LED ZEPPELINなどクラシック・ロックもいいね。

トム・ミシェルズ(Dr):影響を受けた音楽が多すぎて説明するのが難しいけど、俺はデス・メタルがプレイしたくてドラマーになったんだ。特にCANNIBAL CORPSEとOBITUARYには衝撃を受けたな。イゴール・カヴァレラ、ミッキー・ディー、ヴィニー・ポール、ニール・パートは、ドラマーとして尊敬している。

──今作『アングウィッシュ』では、ミックスとマスタリングにフレドリック・ノルドストロームが起用されていますが、どういう経緯ですか?


トム・ドーサー:AT THE GATESやARCH ENEMY、OPETHのプロデュースで知られる彼と仕事がしたかったんだ…伝説のプロデューサーだからね。彼はオレたちの音楽を気に入ってくれて喜んで引き受けてくれた。作業はとてもプロフェッショナルで、多くのアイディアが交わされた。彼はデズデモーニアの型を崩すことなく効果的なサウンドを創り上げてくれたよ。ファットで輝く心地よいものへと手を加えてくれたと思う。彼とは、現在のシーンや音楽業界のこと、家族や人生についてもいろいろと話す機会があってね、プロデューサーとして一流だけどそれ以上に人として尊敬できる落ち着きのある素晴らしい人物だったよ。

──ニュー・アルバムの中からオンエアするとしたら、どの曲を選択しますか?

トム・ドーサー(B、Vo):MVになっている「Endless Fight」だろうな。スラッシーなリフとキャッチーな歌詞とコーラス…ストレイトで分かりやすい曲だと思う。「Anguish」も曲中盤でリズムが変わるところが好きな曲だ。最初はプログレッシヴで速くヘヴィだけど、次のパートはクラシックでロックな雰囲気がある。「Cross The Line」はちょっと変わった曲調で、アルバムの中で最も重厚でグルーヴィーな曲だと思う。スタッカート気味のリフがアルバムの中でも際立つ存在になっている。

──日本でのライブも是非実現させてほしいです。

トム・ドーサー(B、Vo):できる限りライヴ活動を続けて、音楽的のも成長していくことだよね。もっと多くの人たちにオレたちの音楽を聴いてもらいたい。国境は関係なく全世界の人にね。

──日本のメタル・ファンも来日を待っています。

トム・ドーサー(B、Vo):日本のメタル文化に初めて気が付いたのは1989年だった。お店で見つけた日本からの輸入盤のオビに書かれた日本の文字が全く理解できなかったんだ。日本にはエキゾティックなものを感じていたし、それから日本の音楽にも興味が湧いてきた。それ以来いつか日本でプレイして、日本の文化についてもっと知ることが夢なんだ。みんなの前で『アングウィッシュ』をプレイすることを想像すると興奮してくるよ。


デズデモーニア『アングウィッシュ』

2018年4月25日発売
BKMY-1065 2,222円(税抜価格)
※日本盤仕様(帯、プロフィール、インタビュー付)
1.Reaper Of Souls
2.Anguish
3.Cross The Line
4.Endless Fight
5.Revenge
6.Abysmal
7.Deceiver
8.Out Of Sight
9.Weakness
Produced by Desdemonia
Mixed and Master by Fredrik Nordstrom

Line-up ;
■Tom Dosser(B、Vo)
■Marc Dosser(G)
■Tom Michels(Dr)
■David Wagner(G)
この記事をポスト

この記事の関連情報