【ライブレポート】GLIM SPANKY、初の武道館に8000人集結「ロックを楽しむ夜に」

GLIM SPANKYが5月12日、自身初となる日本武道館でワンマンライブ＜GLIM SPANKY LIVE AT 日本武道館＞を開催した。超満員の8000人が見守る中、結成より10年間で生み出した楽曲の数々を全力でパフォーマンスし、ロックの聖地を震わせた。

◆GLIM SPANKY 画像

メンバーの登場前から、歓声が鳴り響く日本武道館。老若男女を問わず、幅広い層が埋め尽くした客席には子どもを連れた家族の姿も。メンバーが一人一人登場すると、その歓声はボルテージを上げて既にライブが最高潮を迎えたかのようだ。

1曲目は「アイスタンドアローン」。圧倒的な存在感を感じさせる重厚感な楽曲に続いて、「焦燥」「褒めろよ」と生み出した楽曲の数々を披露していく。スクリーンには映像を使用するなど、まるで音楽とアートが融合したミュージアムを感じさせるGLIM SPANKYならではの世界観を築いた。



そして、8曲目の「お月様の歌」を演奏後、松尾レミ(Vo)はMCでこう語った。

「こんなにロックが好きな友達が集まったから、今日はそういうロックを楽しむ夜にしましょう」──松尾レミ

その後は、映画『ONE PIECE FILM GOLD』主題歌「怒りをくれよ」、テレビ朝日系列『警視庁・捜査一課長 season2』主題歌「美しい棘」など、新旧の楽曲を織り交ぜつつ、緩急のあるビートがグルーヴしていく。また、現在放送中のテレビ朝日系列『警視庁・捜査一課長 season3』主題歌「All Of Us」の東京初披露は、日本武道館の大空間を壮大なスローバラードで染め上げた。“毎日を一生懸命生きている誰もが、明日への一歩を踏み出すためにそっと背中を押す”、そんな温かく力強い楽曲が場内を包み込んだ。





「ここはロックの聖地で、ビートルズだったり、ボブ・ディランだったり、レッド・ツェッペリンだったり、数々のスター達がやってきた場所。それと同じ環境で、いや、当時とは違うかもしれないけど、こういう音を聴いてやっていたんだと思うと、ロックキッズとしてはすごく感慨深いです」──松尾レミ

「武道館を演るにあたり、取材をしていて、とにかくカッコいいことをやろうと話していました。決まった時には正直埋まるのかなと思っていました。これ以上チケットが無いという状況では無かったので、お客さんがいなくて、寂しい武道館だったらどうしようと松尾さんと話していました。でも、始まった瞬間から、こんなに素敵な景色を見させていただきました。やってきて本当に良かったと思いました。ありがとうございます」──亀本寛貴

感動的なMCの後には、映画『不能犯』の主題歌「愚か者たち」を披露。本編最後にはライブ定番曲の「大人になったら」を熱演し、その演奏に涙を流す人が見受けられるほど多くの観客の心に染み渡っているようだった。



「自分たちが好きな音楽を、好きなファッションで、好きな思想で曲げずにやり続けていても、こうして仲間になってくれるあなた達がいるので、私達はやり続けることができています。本当にありがとうございます」──松尾レミ

アンコールではこう感謝の言葉を述べて、初の武道館公演が大盛況のうちに幕を閉じた。ロックの聖地である日本武道館で“ロックは生きている”ことを証明し、この日集まった老若男女すべての観客を、バリエーション豊かな音魂で楽しませたGLIM SPANKY。王道ロックを解き放つ彼らのサウンドは、今後も多くの人々の心に響き渡るに違いない。


GLIM SPANKYは5月9日、テレビ朝日系 木曜ドラマ『警視庁・捜査一課長 season3』(主演:内藤剛志)主題歌となる4thシングル「All Of Us」をリリースし、デジタル先行配信された同曲がiTunesロックアルバムチャートで1位を獲得している。

撮影◎HAJIME KAMIIISAKA