【人間椅子連載】ナザレス通信Vol.48「メンバー紹介」

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人間椅子が29年間撮りためたMV集「おどろ曼荼羅」の実演販売ツアーが終わりました。足を運んでくれた皆様、MV集を買ってくださった皆様、本当にありがとうございます。今回は桜の開花の時期と重なったので何箇所かで久々に「桜の森の満開の下」を演奏しました。これはデビュー前のライブで最後を締めくくっていた曲で、後半の盛り上がる部分でメンバー紹介をしていました。その話をMCで語っていたら、和嶋くんから「ギター和嶋慎治、ドラム上館徳芳、そして僕が鈴木研一」という紹介の仕方がおかしかったと指摘がありました。そういえば30年間忘れていましたが、そんな変な言い回しをしていました。思い出すと恥ずかしくなる、ほろ苦い記憶です。和嶋くんは本当によく昔のことを覚えているなぁ。

デビューしてからはそんな変てこな紹介は辞めて、演奏終了後にお互いに相手を紹介する今の形に落ち着き、今に至ります。和嶋くんは僕のことを「日本一の白塗りベーシスト、鈴木研一!」と紹介してくれるのですが、日本に白塗りのベーシストがそんなに何人もいる訳もなく、すごく限られた中での日本一だなぁといつも思うのですが、盛り上がっている中突っ込むのも野暮なのでやり過ごしています。自分は和嶋くんの紹介をなるべく毎回違う言い方をしようと心がけているのですが、前もって考えておくわけではないので、とっさにいまいちな紹介をしてしまうことがよくあります。「ロック界のパワースポット、和嶋慎治!」「宇宙からの使者、和嶋慎治!」などはまだいいほうで、「日本一ひげとめがねの似合うギタリスト、和嶋慎治!」などは言ってから「しまった」と後悔するのですが、時既に遅しです。ぼーっとして特に浮かばなかった時は大体「ギターの魔術師、和嶋慎治!」と当たり障りのない言い回しで済ましてしまいます。この言い方をした時は僕が疲れているんだなと思ってください。最後に和嶋くんの「そしてみんなの兄貴、ナカジマノブ!」で締めて終わりです。

デビュー前に、何で曲中でメンバー紹介をしようとしたのか考えた時、思い当たるのはFOCUSの「Hocus Pocus(邦題 悪魔の呪文)」ライブテイクの衝撃です。この曲はプログレ界だけでなく、ロック界全般においても特別な異彩を放つ、一度聴いたら頭から離れることのない名曲です。歌詞はなく、ヨーデルのような裏声で同じフレーズが延々繰り返されます。全楽器がバカテクで凄い緊張感に満ちていますが、特に目立つのはJan Akkermanのギターです。ギター小僧必聴です。スタジオ盤だと「MovingWaves」というアルバムで聴くことができます。名盤なのでダウンロードで一曲だけ買うのではなく、CDで聴いてほしい一枚です。この曲が収録されたライブ盤「FocusAt The Rainbow」も名盤です。クライマックスはやはり「Hocus Pocus」で、歌も含めてすべてのプレイがスタジオ盤の5割増しです。ひとしきり盛り上がった後に静かにキーボードが流れる中、メンバー紹介になります。一人ごとに転調して、ミュージカル風に大げさなのがとても愉快です。この愉快な味わいを出そうと思って真似たつもりが、「そして僕が鈴木研一」の痛い感じに仕上がってしまっていたのは残念なことです。


芋づる式に昔のことを思い出したのですが、「メンバー紹介歌」という曲まで作っていました。この曲はお互いが相手をディスる歌詞で、ほめ殺しする今の芸風とは真逆の内容でした。それにしても人間椅子はメンバー紹介が大好きなバンドです。

今回のマイベストテープ~和嶋くんダブルネックギター購入記念、12弦ギターが聴ける曲

A1.Hotel California / EAGLES
A2.'39 / QUEEN
A3.As Tears Go By / THE ROLLING STONES
A4.Eight Miles High / THE BYRDS
A5.Still...You Turn Me On / EMERSON,LAKE&PALMER
B1.Stairway To Heaven / LED ZEPPELIN
B2.Living Loving Maid / LED ZEPPELIN
B3.The Song Remains The Same / LED ZEPPELIN
B4.Over The Hills And Far Away / LED ZEPPELIN
B5.BRON-YR-AUR / LED ZEPPELIN=

『おどろ曼荼羅~ミュージックビデオ集~』 

4月4日(水)発売
Blu-ray Disc:\3,704(税別) TKXA-1119
DVD:¥2,778(税別)TKBA-1251
全16曲収録



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