【ライブレポート】Rani、酒と音楽と模索が光った<のんべえ騒いじゃえナイト♪>大盛況

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ガールズバンドHysteric Lolitaの解散を経て、2017年9月からソロ・シンガーとして活動をスタートさせたRani。彼女にとって初となる主催イベント<『Raniとガヤ飲み。』のんべえ騒いじゃえナイト♪>が、5月14日にShibuya Milkywayで開催された。

◆<『Raniとガヤ飲み。』のんべえ騒いじゃえナイト♪> 画像(全65点)

出演者はRani自身が競演したいと思って声をかけたモノクローム、CREA、MARKET SHOP STORE、IRIS MONDE、AliA with crownという顔ぶれ。どんな雰囲気のイベント・ライブになるのか? 強者揃いの面々を迎えて、Raniはどんなステージを見せるか? ……そんなことを思いながら会場へと足を運んだ。

開演時間になると、ステージにRaniと今回のイベントのタイトルにも冠されたTV音楽情報番組『MUSIC B.B』内のコーナー「Raniとガヤ飲み。」(2017/10~2018/3放送)でレギュラー共演した赤坂Bar:CERBERオーナーのゲイMaster甲斐雅也(通称:赤坂のパパ♀)と、同コーナーにもゲスト出演したRaniのレーベルメイトである姉御・覇汝家の総長ダリアの3人が姿を現した。Raniの「はい、どーも!」という明るい挨拶に続いて、出演バンドのメンバー達がステージに呼びだされ、客席と一緒にイベントの始まりを告げる乾杯が行なわれた。「じゃあ、今日は楽しんでいきましょう!」という言葉を発した後、Raniはスルスルッと客席後方の物販ブースへ。“えっ? まさか、そこでライブを観るんですか?”と思ったが、彼女自身はまったく屈託のない様子でスタッフと談笑し始めた。

▲AliA with crown

“Raniさんは、そういう感じなんですね”と感心していると、先陣を切ってステージに立ったAliA with crownのライブが始まった。強く訴えかける“激情系”のボーカルとエモーショナル&テクニカルなサウンドの取り合わせを活かした彼らの楽曲は聴き応えがあり、場内の熱気は一気に高まった。イベント・ライブは目当てのバンドが異なるリスナーが集まっているため、スタート直後辺りは漫然とした雰囲気のことも多い。そうさせることなく場内を一つに纏めたのはさすがで、<『Raniとガヤ飲み。』のんべえ騒いじゃえナイト♪>は良い形の幕開けとなった。

▲IRIS MONDE

続いてステージに立ったIRIS MONDEは翳りを帯びたAliA with crownの世界から一転して、キュート&アッパーなライブを展開。ロリータ系シンガー2名によるツイン・ボーカルとEDM/クラブ感を纏ったサウンドで、瞬く間に華やかな世界観を構築してみせた。彼女達の“持っていき力”は光るものがあるし、バック陣の安定した演奏やフックを効かせたライブ運びなども見事。彼女達に牽引されて、場内は一体感に溢れた盛り上がりを見せた。

2バンドのライブ中Raniはずっと物販ブースでライブを観ていて、曲に合わせて手を振ったり、身体でリズムを取ったりと実に楽しそうだった。バンドの転換時間もブース内に留まり、Raniは声をかけてくるお客さん達とフランクに話している。最初はお客さんと距離が近くて大丈夫なのかなと思ったが、彼女のファンの皆さんはすごくマナーが良い。礼儀をわきまえた人ばかりだからこそ、Raniはフラットな状態でいられるんだなと思わずにいられなかった。

▲MARKET SHOP STORE

MARKET SHOP STOREはメロディアスなナンバーでライブをスタートさせた後、2曲目の中間で早くも“煽りパート”に突入した(ちなみに、Raniさんは抑えが効かなくなったらしく、物販ブースから客席に突入して盛大にジャンプされていました)。煽りパートで場内のボルテージを大いに引き上げた後、勢いを保ったままパワフルなナンバーを畳み掛けるライブを展開。メンバー全員が織りなす激しいステージングとアッパーなサウンドに応えて、オーディエンスも怒涛の勢いで盛り上がっていた。

▲CREA

今回のイベントは良いバンドが揃っているなと思う中、続くCREAのライブは爽やかかつメロディアスなナンバーから始まった。激しいMARKET SHOP STOREの直後ということに力むことなく自分達の持ち味を発揮して、ライブが始まると同時に場内をCREAの色に染めたのは見事といえる。秀でた歌唱力を誇るボーカルをフィーチュアした軽やかにドラマチックな楽曲にオーディエンスは熱気と温かみを併せ持ったリアクションを見せ、CREAのライブ後の場内は爽やかな余韻に包まれていた。

▲モノクローム

モノクロームは、ハード&メロディアスなナンバーを続けて聴かせるライブを披露。ヴィジュアル系とハードロックを融合させた感のある彼らは、個性的かつ面白い存在といえる。美しさと“尖り”を湛えたMiLa(vo)の立ち居振る舞いとバック陣のテクニカル&シュアなプレイの組合せが生み出す世界観は魅力に富んでいて、強く惹き込まれた。上々な客席の反応からもポテンシャルの高さが伝わってきた。

バンドの転換時間になるとライブを終えた出演者達が物販ブースに顔を出し、場内はバンドとお客さんが触れ合う場と化す。<のんべえ騒いじゃえナイト♪>というタイトルにふさわしく、良い感じにアルコールが廻った人が多く、喫煙もOKだったため、場内はパーティー会場を思わせる華やかさとなった。今回のイベントは、見たいバンドのライブが終わると会場を去ってしまったリスナーは皆無だったようだ。

▲Rani

場内が良い雰囲気で賑わう中、いよいよトリを務めるRaniのライブが始まった。バック陣が奏でる「テキーラ」に合わせて、Raniがステージに登場。客席から熱い歓声と拍手が湧き起こる中、「本気出してかかってこいや!」というRaniの声が響き、続けてパワフル&メロディアスな「REAL」と「革命」が演奏された。激しいステージングを展開しつつ力強い歌声を聴かせるRaniの存在感は圧倒的だし、ファットにドライブするサウンドも心地好い。Raniのライブが始まると同時に、場内のボルテージがさらに高まったことがはっきりと感じられた。

その後はファンク・テイストが香る「Retaliation」(新曲)やハードなサウンドとエモーショナルな歌を活かした「誓」などをプレイ。全身を使って感情を表現しながら歌うRaniの姿はライブにかける気迫を感じさせると同時に、華やかさを放っている。彼女はここに至るまで競演者たちのライブを見てきたことでテンションが上がり、“よし、自分も!”という気持ちでステージに立ったようだ。“他のバンドには負けない”といったネガティブな気持ちから生まれる気合ではないだけに、彼女のステージは爽快感や明るさに溢れていた。もう一つ、激しくいきあげていながら歌のピッチは安定していたし、曲調に合わせた表情の使い分けや抑揚の効かせ方など、シンガーとしての実力を十分に発揮してみせたのもさすがといえる。

MCを挟むことなくライブは進み、本編のラストソングとして「デビガール」が演奏された。幅広さを見せた後にダンサブルなナンバーを持ってくる構成が決まってオーディエンスの熱気はさらに高まり、Milkywayの場内はイベントの締め括りにふさわしい盛大な盛り上がりとなった。


アンコールに応えて再びステージに姿を現したRaniは、「本日ですね、私初めて主催ライブをやらせてもらいました」と改めて挨拶。「こんなに沢山の人が集まってくれるとは思っていなかったので、感謝しています。私だけの力では実現できないことを素敵なバンドさんやスタッフ、そして皆さんのお陰で実現することができました。皆さん、本当にありがとうございました」という彼女の言葉に、客席から温かみに溢れた拍手が沸きあがっていた。

<『Raniとガヤ飲み。』のんべえ騒いじゃえナイト♪>は出演者の顔ぶれが良く、進行もスピーディーで、場内の雰囲気は終始良くて非常に楽しめた。良質なイベントになったのは、Raniの人柄が大きな要因だったことは間違いない。本当に驚かされたが、Raniはすべての競演者のライブを観て、声援を送り、リアクションし、ライブの合間には来場者とコミュニケーションを取っていた。つまり、3時間以上に亘って物販ブースに立ち続けた後、ライブを行なったのである。彼女の中にはオーディエンスや他バンドのメンバーに楽しい時間を過ごしてもらいたいという強い気持ちがあったことがうかがえる。そんなRaniの主催ライブだからこそ良質なバンドが集まり、月曜日にも拘わらず多数のリスナーが来場したのだろう。楽しいイベントだっただけに、Vol.2、Vol.3の開催を大いに期待したい。

取材・文◎村上孝之
写真◎片山拓


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