【レポート】<BARKS presents HAIOKA PREMIUM LIVE>、カワサキが提案する“五感で楽しむ空間”でのアンビエントな大人の夜

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5月22日(水)、東京・神田にある商業施設「マーチエキュート神田万世橋」のカワサキショールームにて、<BARKS presents HAIOKA PREMIUM LIVE>が行われた。

◆<BARKS presents HAIOKA PREMIUM LIVE> 画像

「カワサキショールーム マーチエキュート神田万世橋」は、川崎重工業の前身、川崎築地造船所創業の地とも隣接する職人の街・神田に、オートバイのメーカーである「カワサキ」が新たに提案する“ライフスタイルを発信する場”として期間限定でオープンしているショールームだ。


そんな特別な空間で、この度パフォーマンスをするのはエレクトロニカ系アーティストのHAIOKA。HAIOKAは昨年、リック・グレハン監督のドキュメンタリー映画『ZAN〜ジュゴンが姿を見せるとき〜』で劇伴を担当、年末には全く違う作風のテクノトラック「Reentry」をリリースするなど、精力的に活躍中である。



「カワサキショールーム」は複数の店舗が連なる共有スペースでもあり、HAIOKAの得意とするアンビエントサウンドにはもってこいのスペース。この日も平日の夜にもかからわず、『ZAN』サウンドトラックからの生パフォーマンスを期待したファンたちが多数集った。

19時15分、定刻通りに始まった<HAIOKA PREMIUM LIVE>。オープニングは2013年にリリースしたEP「Harumi」のタイトルナンバー「Harumi」だ。早めの4つ打ちに緩やかに揺蕩う琴の音が印象的な作品で、会社帰りだと思われるサラリーマンをはじめ、集まった人たちが早速身体を揺らす……。HAIOKAのアンビエンスが、1912年に完成した赤煉瓦造りの万世橋高架橋で自然と作り出され、加えて「カワサキ」がプロデュースする“五感を楽しむ”空間というコンセプトが、1曲目から程よくマッチしている。



2曲目は2013年に発表されたアルバムのタイトルトラックで、オリエンタルな情緒漂う「Blowin' in the wind of love」、そして太鼓、笙、鈴などHAIOKAの考える“日本の音”を全面に押し出した、不思議な浮遊感を感じられる2016年のアルバム『Riwaindo』収録の「Green Tea」と続く。

「Zekka」ではリアルタイムでのエフェクトを多用したボーカルを披露したHAIOKA。美しいピアノと図太いシンセの対比、その間を繋げるようなマシンライクなボーカル音という、絶妙なバランス感を楽しめる作品で、こちらは2015年のアルバム『From Ash Hill』収録。5曲目となる「Love is left」も同アルバム収録で、こちらも“声”を中心とした楽曲。こちらはほぼノンビートで、荘厳なシンセ音が耳に残る1曲。赤煉瓦造りのホール内で聴くこの音は、特別な広がり感を見せていたようにも感じた。



次の曲のイントロが始まると場の雰囲気が変わった。「ZAN」である。緩やかなビートが始まって登場したのは、この日のスペシャルゲスト、石垣優(やなわらばー)。映画『ZAN』の中でも特に象徴的な一曲となっている「ZAN」は、モニターに映し出された沖縄をモチーフとした映像も相まって、雄大な沖縄の海を思い起こさせる。そこにはもちろん、石垣の沖縄民謡独特の歌唱法がピッタリとマッチする。ループするHAIOKAのアンビエントなトラックに石垣の声、そこに音楽的な展開はほとんどないが、ズーッと聴いていたいという不思議な感覚に、来場者は囚われたはずだ。


最後に披露されたのは、サウンドトラック『ZAN』のオープニグを飾る「Tsuki Nu Kaisha」。こちらも音数は決して多くないものの、石垣の“声”とHAIOKAのシンセ音が身体を包み込むような暖かく優しい1曲だ。この度、カワサキが提案する“五感を楽しむ”空間で行われた特別なパフォーマンス。終演後、HAIOKAもここの音響をいたく気に入った様子で「演者としても音の響きが気持ちよかったですね。今度は違う編成でライブを披露してみたい。」と語った。

特別な空間で特別なひと時を過ごす……。この日訪れた来場者は、この「カワサキショールーム」で、まさに五感を楽しむ体験ができたはず。次回のイベントは未定となっているが、本稿を読んだことで興味を持った方は、ぜひ一度「カワサキショールーム」に足を運んでいただきたい。


[セットリスト]

01. Harumi
02. Blowin' in the wind of love
03, Green tea
04. Zekka
05. Love is left
06. ZAN
07. Tsuki Nu Kaisha

撮影:Ikuya Nishikado
取材・文:BARKS編集部

◆カワサキショールーム オフィシャルサイト
◆イベントページ
◆HAIOKA オフィシャルサイト
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