【対談】奈緒(アルルカン) × 玲央(lynch.)、「本気でぶっ倒しに行くつもり」

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■lynch.に対する敬意はあるけど
■それだけで対バンするのは違う──奈緒

──でもバンドの物事をいちいち全員から了解を得るって大変じゃないですか?

玲央:大変ですし時間もかかりますけど、それこそがバンドを続けていく秘訣だと思っているんで。僕、今までやってきたバンドってずっと自分がリーダーだったんですけど、最初にやってたバンドはメンバーの意見をわりと無視しちゃってたんです。「これが正しいと思うからもうやっといたよ」とか事後報告的な感じで。で、それって僕がやったことが正しいかどうかよりも、メンバーがそこに参加できなかったってことに対して不信感をもってしまうんですよ。

奈緒:あと、疎外感もありますよね。

玲央:そうそう。だから「これはダメだな」って。で、その後にやったバンドは逆にみんなの意見を聞き過ぎたんです。

▲玲央(lynch.)

──自由にやってもらうのとどこが違うんですか?

玲央:今の自分はちゃんとバンドの5分の1として主張したり発言しながら全体の舵を取るんだけど、前のバンドの時はメンバーの意見を受け入れようとして自分がパンクしてしまったんです。

奈緒:聞きすぎると自分の意見はとりあえず置いといてってなっちゃいますもんね。

玲央:そのバランスが非常に難しいんですよ。自分の主張もちゃんと出しつつ、みんなの意見をまとめて、バンドが正しい道に舵を取っていくっていうのが。けど今はそれが上手くやれているので自分自身もストレスフリーですし。突飛な意見が出てきて対処が難しいと思うこともあるけど、それすらも楽しいって思えるから。

奈緒:難しいのが楽しいんですか?

玲央:楽しいよ。むしろ難しいことのほうがバンドって楽しい。

──それこそ葉月くんだって扱いが簡単なフロントマンではなくて。むしろ難しいタイプだと思います。

玲央:難しいですね。うちの場合、葉月だけじゃないですけど(笑)。だから最初の頃はやっぱり悩むこともあって。「なんで理解してくれないんだろう?」って。そこから、相手が理解しやすい言葉選びとか、言うタイミングとか、どう伝えたらわかってもらえるんだろうっていうのを考えるようになって。自分の伝えたいことは曲げず、伝え方をとにかく探って。今はそこまで苦労しなくなりましたけど。「あ、今言ったほうがいいな」とか「今はやめたほうがいいな」ってわかるんで。

奈緒:僕もなるべく言い方とかを相手によって伝わるように考えて話すようにしてます。「この言い方だと喧嘩になるな」とか「こう言うと『うーん』ってなっちゃうだろうな」とか、そういうのがやっと最近わかるようになってきたというか。同じことをメンバー4人に言うにしても、そのタイミングとか言葉遣いは変えますね。

▲奈緒(アルルカン)

──暁くんも面倒くさいフロントマンだし(笑)。

奈緒:はははは。例えばベースの祥平に言ったことを同じ言い方で暁に伝えても、たぶん納得しないんですよ。でもまだ言い方とかタイミングとか掴みきれてないところがあって、たまにミスるんですよ。「あ、今じゃねぇな」とか。

玲央:あとは日によってそれぞれの精神状態も違うし。

奈緒:そうですよね。だからいつもメンバー向けの説明書みたいなのを書くんですけど、その通りにならない時があって、説明書を書き換えるべきかどうか悩むんですけど、それを状況によって判断しなくちゃいけないのが大変で。

玲央:そういう時は説明書の下に※印をつけて「場合により仕様が変わります」って書いておくといいよ(笑)。

奈緒:なるほど(笑)。

──ははは(笑)。そろそろ話をまとめますが、このイベントのタイトルはどういう意図で?

奈緒:暁が「闇に笑う」っていう言葉がいいっていうところから「laughing in the dark」っていうタイトルになって。もちろんlynch.に対する敬意はあるけど、それだけで対バンするのは違うと思うんですね。だから闇=lynch.でそこに対する挑戦っていう意味合いがあるっていうことを暁が言ってました。

玲央:僕らの曲に「roaring in the dark」っていうのがあるんですけど、そことひっかけてもらったのかなって思ったんだけど……。

奈緒:違うみたいです(笑)。

玲央:だから挑戦的なタイトルだなと思って。でもそういう生意気さはすごく好きなんで。

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