【インタビュー】THE FOREVER YOUNG「一度きりの時間が僕の中で永遠で、それがあるから進んでいける」

twitterツイート

2017年6月にシングル「また逢える日まで」をリリース後、バンド初の47都道府県全国ツアーを経験した“エバヤン”ことTHE FOREVER YOUNGが、2018年5月2日に新作ミニ・アルバム『聖者の行進』をリリースした。ツアー中に各地のリハーサル・スタジオにこもって制作されたという今作は、女性によるポエムリーディングから始まるという、斬新かつ挑戦的な構成に驚かされる。そこにあるのは、過去を振り返りつつ前に進み続ける現在進行形のリアルなバンドの姿だ。充実感が伝わってくる傑作となった今作について、メンバーの2人、クニタケ ヒロキ(Vo.Ba)とオガワ リョウタ(Dr.Cho)に話を訊いた。

◆THE FOREVER YOUNG~画像&映像~

■自分を「聖者」という言葉に例えて奮い立たせるというか
■綺麗な言葉で攻めたい気持ちでこのタイトルにしました


――『聖者の行進』を最初に聴いたときに、いきなり女性の声でポエトリーリーディング(「誓いの詩」)が始まったので、正直戸惑いました。このオープニングはどんな発想から生まれたものなんですか。

クニタケ ヒロキ(以下、クニタケ): Struggle For Pride(ストラグル・フォー・プライド)というハードコア・バンドに、1曲目に女性の声が入る作品があるんですけど、それを一時期よく聴いていたんです。アルバムの構成を考えていたときに、そこから着想を得た感じです。「誓いの詩」はライヴでもSEで使っていて、ライヴ、作品、全部の幕開けを女性の声で始めたいという気持ちがありました。そこから2曲目の「さくらの時」にバーって入っていく、爆発力を出したかったんです。

オガワ リョウタ(以下、オガワ):クニちゃんから、「こういう感じでやりたい」ということを聞いて、構成がちゃんとできていていいなと思いました。

――「誓いの詩」があったことによって、1枚の作品になって行った感じですか。

クニタケ:土台にはなっていますね。他の曲ができる前に、「誓いの詩」から始まる構成で行きたいという気持ちはありました。

――前回のシングル発売後に行った47都道府県ツアーの最中に、リハーサルスタジオに入って制作を行っていたそうですね。ツアーを回りながら、インスピレーションを受けて曲作りしていったんですか?

クニタケ:制作に対して前向きだったというか、「次の作品を出したい」という気持ちがずっとあったので、ツアー中でもリハスタに入っていたんです。

オガワ:まあ、キツかったですけどね。車で全国47都道府県を回ることってなかったので。ライヴは楽しかったですけど、色々良い経験になりました。


――「誓いの詩」の最後に、「聖者」という言葉が出てきますね。ここからアルバム・タイトルの『聖者の行進』が取られているのでしょうか。

クニタケ:そうです。『聖者の行進』という言葉の並びや響きが好きだったというのもあるんですけど。47都道府県ツアーを回ったときに、ライヴで自分が不甲斐ないなと思ってしまったり、自信がないときがあったんです。そういうときに、元カノだったりとか、好きな人、家族、友だちとか、誰かと過ごしたときを思い出すことがあって。こんな僕でも一度だけでも誰かと交わった時間が、リアルな時間だったなって思ったんですよね。そういう人たちに選ばれた自分を「聖者」という言葉に例えて奮い立たせるというか。それは、聴いている人たちにも当てはまることなんです。あえて「聖者」という綺麗な言葉で攻めたいっていう気持ちでこのタイトルにしました。

――「誓いの詩」は、yonigeの牛丸ありささんがポエトリーリーディングしているんですね。どんな繋がりから実現したものですか。

クニタケ:もう、昔からの知り合いなんです。牛丸ちゃんが18歳くらいのときに、パンクのイベントでテキーラガールをやっていて。「ああ、かわいい子おるなあ」みたいな感じで知って以来(笑)。それから、yonigeを始めた頃に、「バンドを始めました」って言いに来てくれたりとか。めっちゃ昔から知っています。

――ポエトリーリーディングを収録する上で、牛丸さんとは内容についてかなり話をしたんですか?

クニタケ:いや、特に話していなくて、リリックを見てもらってそのままです。普段、牛丸ちゃんが話している感じが、冷たいけどぬくもりがあるような感じなので。好きなように読んでもらいました。

――「誓いの詩」があるから、2曲目の「さくらの時」がより勢いよく聴こえますね。これはどうやって生まれた曲ですか。

クニタケ:卒業シーズンにも寄せたワードを入れてみようと思って、そういう言葉を散りばめているんですけど、一番言いたいことは、“夢の合間に ここでまた逢おう”という言葉。「さくらの時」というタイトルの曲ですけど、卒業シーズンに限らず、1年中やれる曲になったと思います。


▲クニタケ ヒロキ (Vo.Ba)

――「さくらの時」はMVも作られていますが、エンディングでオガワさんが自転車に乗って鼻歌を歌っていますね。これは音源の方には入っていないですよね。

オガワ:あれは、監督さんと話してああいう感じで終わるのがいいんじゃないかなって。楽しかったですね。

――クニタケさんはずっと歌いながら、ものすごい速度で自転車で激走していますけど。

オガワ:自転車に、GoProを付けて撮っているんです。ずっとチャリで走ってました。

クニタケ:都庁や歌舞伎町を一人で全力疾走しながら歌っていました。歌舞伎町は緊張しましたね。ヤバかったです(笑)。

――この曲のライヴでの反響はいかがですか?アルバムが発売されてから約1ヶ月経つわけですが。

クニタケ:新しい曲たちの反響は、めちゃくちゃいいですね。オリジナルメンバーが二人になって、サポートメンバーに助けてもらって制作したミニ・アルバムだったというのもあるんですけど、今までのTHE FOREVER YOUNGで一番良い作品ができたと思っているんです。「伝わってるな」っていう、うれしい気持ちがあります。

オガワ:ライヴでは、1曲目の「誓いの詩」から、自分のハイハットのカウントから2曲目にバーンと入る幕開けなので、その瞬間にお客さんの「待ってました!」っていう気持ちが表れているのがよくわかるんです。「キター!」っていう感じで、それがめちゃくちゃ気持ちいいですね。

――今まで以上に、手応えを感じている?

クニタケ:そうですね、手応えはすごくあります。このアルバムをみんなが好きになってくれて、それが広がっていることがよくわかります。

――今回、クニタケさんが「小郡駅」でアコースティック・ギターで弾き語りをしていますね。これは初の試みですか?

クニタケ:初めてです。アコギで曲を作ること自体、今作が初めてなんです。これまでは、ベースで鼻歌を歌って作っていたので。弾き語りをやらせていただく機会が増えて幅が広がりました。「12月15日」もアコギで作った曲です。ツアー中に思いついて、八戸のスタジオで作りました。曲ごとにツアー先のどこどこのスタジオで作ったっていう思い出がありますね。

――ライヴが終わった後に、ホテルで曲を書いたりしていたのでしょうか。

クニタケ:いや、ライヴが終わったら、毎日酒を飲んでいました。

オガワ:(笑)。

クニタケ:ライヴの次の日に、スタジオに入ろうって決めておいて、そのときまでに一つのメロディを作って行こうとか、そういうノルマを自分に課して制作して行ったんです。あとは思いついたらアコギをなるべく触ったりしていました。

――アコギを弾いて歌うクニタケさんに、オガワさんはどんな印象を持っていますか?

オガワ:すごくいいですね。バンドとはまた違うというか、純粋に歌だけの力を感じます。ギターはまだ始めたばかりなので、そんなにテクニカルなことはできないですけど、それを補うくらい歌の力がナチュラルに出るので。それはめっちゃ良いなと思います。

――確かに、シンプルで声が近いので、メロディがより耳に残りますよね。何度か聴かせてもらったんですけど、道を歩いていたときにふと、“どうしようもないぜ どうしようもないぜ”って鼻歌で出てきたんですよ。「あれ、これ誰の曲だっけ?」って思うくらい自然に。

クニタケ:ははははは!ありがとうございます。

――最初に出てくる“小郡駅前たいこうは”っていう歌詞は……。

クニタケ:これは、地元にあるめっちゃ安い焼き鳥屋なんです。昔から、地元で友だちと集まるときはここで飲んでいて。僕は今も(福岡県)小郡市に住んでいるので。

オガワ:こういう曲も、弾き語りだからできる曲だと思います。バンドじゃできない曲というか。そういうところがめっちゃいいなって思います。

◆インタビュー(2)へ
twitterこの記事をツイート

この記事の関連情報