【インタビュー】HYDE、ソロ再始動第一弾シングル完成「新しい自分が始まる」
HYDEが再び、ソロとして本格的に動き始めた。2017年11月に報じられたVAMPSの活動休止から、ほとんどインターバルを置くことなく2本のツアーを発表、そのうちの1本であるアジアツアー<HYDE ACOUSTIC CONCERT TOUR 2018 - 黑ミサ ASIA ->が大盛況のうちに終了した。そして6月29日からはいよいよ国内ツアー<HYDE LIVE 2018>がスタート。これに先駆けて、ソロ再始動第一弾にして8thシングル「WHO’S GONNA SAVE US」が6月20日にデジタル先行配信、6月27日にシングルCDがリリースされる。
◆HYDE 画像
「WHO’S GONNA SAVE US」は、プロデューサーにニコラス・ファーロング(Nicholas Furlong)を迎えてアメリカにて制作されたもの。シンセサイザーとヘヴィロックの融合を具現化させた新境地にして、ホラー映画『シャイニング』をオマージュしたミュージックビデオも必見だ。さらなる進化を遂げたHYDEと、リリースされるニューシングルについて訊いたオフィシャルインタビューをお届けしたい。
◆ ◆ ◆
■ソロ再始動の第一弾として
■相応しい曲になった
──ソロとして動き始めて、改めて実感されたことなどありますか。
HYDE:ソロって自由なんだなと思いましたね。自分の考え方にしてもすごくフレキシブルになったというか、VAMPSはVAMPSでフットワーク軽く、やりたいことをやっていたと思うんだけど、いざソロを始めてみると、それでも固定概念に囚われていたんだなって。今となってはなんでもアリ、なんならロックにこだわることもないし、そういう自分をもう一回楽しんでみようかな、と。
──自由さを特に感じるのは、どういうところでしょう。
HYDE:自分の裁量ひとつでいろんなことが決まっていくところかな。例えば今回のシングルを決めるときも、周りのスタッフはみんな他の曲を推していて、この曲がいいって言ったのは僕だけでしたから(笑)。
HYDE:いや、僕にはこれ以外、考えられなかった。最初からこの曲を第一弾にするって決めてたんですよ。他にも曲はいくつか作っていて、そっちもすごくいいんだけど、周りのみんなは“この曲の良さがわからない”ってぐらいのレベルだったから“マジか!?”と思って。でも、そのときはまだミックスが今の形になる前の段階だったので、僕自身、たしかに気に入ってない部分はあったんです。だったら僕が責任を持って自分の好きな曲にしないとダメだな、と。日本に持ち帰って再構築しよう、と。
──制作自体はアメリカで進められていたんですよね。
HYDE:そうです。『UNDERWORLD』(VAMPSの4thアルバム/2017年発表)でのやり方が僕にはすごくよかったし、手応えもあったので、今回のソロでもそれを踏襲したいと思って。この曲に関しては僕が作ったデモを元にプロデューサーのニック(Nicholas Furlong)と作業していったんだけど、彼の手掛けたミックスに対して、ちょっと違うなっていう部分が出てきたんですよね。その後も何回かミックスし直してくれたんだけど、どうしても妥協できなくて。結局、スケジュールの都合で日本に戻らないといけなくなってしまったので、そのときに素材を全部日本に持ち帰って、日本のエンジニアがそれを再構築したんです。
──だからクレジットに“Original Mix”“Additional Mix”と表記されているわけですか。
HYDE:そう。再構築といっても、ニックが作ったミックスをなるべく壊さないようにしながら、僕の理想の形にしたっていう感じですけど。ニックはヒットメーカーで、いいサウンドを作るから、なるべくそこは曲げたくないんですよ。彼のサウンドを上手く活かした状態で、絶妙に僕のやりたい構成にしていったというか。でも、ときには妥協も必要だなと僕は思ってるけどね。妥協してよかったなって思ったことも実際に何回かあるから、結果として。
──それも最初におっしゃった“固定概念に囚われない”ことかもしれないですね。
HYDE:できる限りないほうがいいけどね。妥協し過ぎると、完全に自分の曲じゃなくなっちゃうから。自分の曲でもなく、自分が好きな曲でもないっていう(笑)。そんなのはダメでしょ?
──完成した「WHO'S GONNA SAVE US」はHYDEさん自身、納得できる音になっていますか。
HYDE:もちろん! やっとできましたよ(笑)。ミックスを始めたのが3月くらいだから……ま、ニックも忙しいからずっとかかりっきりってわけじゃなかったんだけど、僕的には最初の目的は達成したかなって。ソロ再始動の第一弾シングルとして相応しい曲になったと思ってます。
──『UNDERWORLD』のやり方を踏襲するというのは、やはり目指しているのは世界水準のサウンド、アメリカで認知される音楽だということですよね。ただ、このシングル曲に関しては『UNDERWORLD』の単なる延長線上ではなく、より洗練された新しい世界が広がっている印象を受けたんです。アメリカンロックの王道でも、ゴリゴリのラウドミュージックでもない、ヘヴィだけれど端正なサウンドが少し意外でもあって。
HYDE:シンセとヘヴィロックを融合させた感じだね、今回は。もともとのデモはもっとEDMっぽかったんですよ。それをニックがロック寄りに音像をタイトにしていって、今の形はその中間かな。果たしてこの曲がアメリカ人の好みかっていうとまた別の次元だけど、キャッチーだし、自分の個性も出せていると思うし、自分なりにはいい方向なんじゃないかなって。ただ、今後発表していく曲はまた全然違うもの、バラエティに富んだものになっていくんですけど。
──そもそも曲作りはいつ頃から始められたんですか。
HYDE:たしか“(HYDE Christmas Concert 2017)-黑ミサ TOKYO-”が終わったくらいかな。要はVAMPSが活動休止を発表してから。だから去年の12月くらいだね。
──ストックしていた楽曲などは……。
HYDE:ない(笑)!
──VAMPSの活動休止を決めてから、ソロとして何ができるか考え始めたんですね。
HYDE:そうだね。わりとフラットというか一回ゼロにして、これからの計画を練り始めて。最初は1年ぐらい休もうかなとも考えたけど、そんな場合じゃないなと思って、曲を作り始めた感じ。
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