【インタビュー】NAMBA69、Ken Yokoyamaと“VS”「いろんなものを越えることが出来ちゃう音楽の力」

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NAMBA69とKen YokoyamaによるスプリットCD『Ken Yokoyama VS NAMBA69』が6月6日、PIZZA OF DEATHからリリースされた。2000年のHi-STANDARD活動休止後、それぞれソロとして新たな道を切り拓いてきた2人が、ハイスタ再集結、そして2017年のアルバムリリースや全国ツアーを経て、2018年、各々のバンドによるスプリットというカタチで火花を散らす。スプリットCDのタイトルには“VS”の文字で2つのバンド名がつながれているが、それはどうやら対決というよりガチや信頼を表すもののようだ。

◆「PROMISES」「Come On,Let's Do The Pogo」MV 動画

『横山健の別に危なくないコラム』ですでに語られているとおり、このスプリットは横山健発案であり、「NAMBA69と一緒にやることに意義を見出した」ものだという。そしてNAMBA69は一昨年、4人編成となり自身の新レーベルを設立、着々とライヴを重ねて、バンドサウンドはもとより精神的にもメンバー個々の進境が著しい。つまり、脂が乗って活きのいい状態にある。

BARKSはNAMBA69の4人に、このドラマティックであり規格外のサプライズとも言えるスプリットCDについて、じっくりと話を訊いた。NAMBA69の現在、ハイスタの活動が生んだストーリー、3曲に込められた新機軸など、深く語られたロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■単純に美しいと思ったんですよ
■健さんと難波さんの関係が美しいなと

──スプリットCD『Ken Yokoyama VS NAMBA69』を中心に話を聞かせてもらえればと思いますが、まずはko-hey(G)さん加入後、4人体制になったNAMBA69のライヴは4人のグルーヴが一枚岩になって、フル回転しているような爆発力をライヴを観るたびに感じます。今はバンドの状態が本当にいいんだなと。

NAMBA(Vo / B):うん、4人になってからいきなり楽しくなりましたね。制作もライヴも楽しくなったし、ko-heyのキャラクターもいいしね。3人のときは僕が中心になりすぎる部分もあったし、ko-heyが入ったことでみんなが対等になったから。

──なぜそうなったんでしょう?

NAMBA:役割がはっきりしてきたのかな。作曲をko-heyにも任せられるようになったし、三ちゃん(SAMBU / Dr)がバンドのブッキングとかマネージメント的なこと、K5(G)はグッズのことをやってくれたりとか、みんなの役割ができたことでバンド内が対等になったから。それでメンバーひとりひとりに自信もついたんだろうし、制作やライヴにもそれが出てるのかなと。

▲NAMBA (Vo / B)

──ko-heyさんはいかがですか?

ko-hey:“NAMBAさんとそのほか”という形で世間はNAMBA69を見るだろうなとわかった状態で加入を決めたので、NAMBAさんと肩を並べる人間にならないとダメだなと思ってました。それと、タイミング的にも良かったのかなと。

NAMBA:ちょうどその時期にJMS(インディーズのCD/DVD等の流通やレーベル運営)と一緒に自分たちのレーベル(POP SPEED RECORDS)を立ち上げて、マネージメントも自分たちでやるようになりましたからね。

SAMBU:全部のタイミングが良かったんですよ。欲していた人が集まったことで、自分たちの意識も変わりましたから。

ko-hey:加入してすぐ、求められていない段階から俺は曲を持って行ってましたからね(笑)。

──そうでしたね。K5さんはどうですか?

K5:ほんとにバンドになったなと。NAMBAさんが言ったように、今の4人になって楽しいし、さらにシェイプアップされて、ガチッと固まってる感じはありますね。

──NAMBA69がバンドとしていい流れにある中で、今作のスプリットCD『Ken Yokoyama VS NAMBA69』に辿り着いたんだなと。

NAMBA:ほんとそうですね。今はどこへライヴをしに行っても盛り上がるんですよ。いい感じになってるときに、こういう話が来るんだなって。

ko-hey:それにしても、飛び道具ですよね(笑)。

SAMBU:一番遠いところやったから。まさか、こういう話が来るとは思わなかった。

──一番遠いところとは?

SAMBU:今までだったら、こういうアイデアは出てこなかったと思うんですよ。それは難波(NAMBA)さんがHi-STANDARD(以下ハイスタ)として動いたことが大きかったんやろうし、NAMBAさんがNAMBA69で積み上げてきた部分も大きい。そこにko-heyが加入してNAMBA69に勢いが増してきたから……本当にこのタイミングで良かったと思います。もろハイスタ・ファンの俺からすると、ハイスタで全国をがっつりツアーした後、難波さんと健さんの2人が各々でやってるバンドでスプリットを出すイメージなんてなかったから。ファンとしても驚き。

NAMBA:そうだよねぇ(笑)。

SAMBU:こんなことがあるんやな!って。

NAMBA:これは、健君から突然来た話ですからね。しかも、<Hi-STANDARD 2017全国ツアー「THE GIFT」>の前ですから。

▲スプリットCD『Ken Yokoyama VS NAMBA69』

──ええ、今回のスプリットは横山健さんの提案だったわけですよね?

NAMBA:うん、「今年頭にレコーディングしない?」って。すげえ話だなと思って、それからメンバー3人にも相談しました。で、「やりましょう!」と。

ko-hey:単純に美しいと思ったんですよ。もちろんこの話をゲットして、駆け上がってやろうという気持ちもあったけど、それを飛び越えて、健さんと難波さんの関係が美しいなと。だから、是非やりましょう!と。

──このスプリットを語る上で、2017年のハイスタの動きはハズせないですよね。ニューアルバム『THE GIFT』発表、それに伴うレコ発ツアーで絆がさらに深まったと言っていいのでしょうか?

NAMBA:それが大前提ですね。お互いに認め合って、尊敬し合える関係になれたから、スプリットの話にまでおよんだわけで。健君が電話で言っていたのは「ハイスタで作品を出して、ツアーをやり終えたことで、一段落して、Ken BandとNAMBA69、それぞれのバンド活動に戻っていく。そのときにどうするか」ということで。それを健君が考えた結果だと思うんですよ。「ハイスタをやってる2人のバンドが各々作品を出すより、その2バンドがスプリットをリリースして、一緒にツアーを廻ったほうが、この2バンドが君臨していることをはっきり提示できる」と言われて。

──ああ、なるほど。

NAMBA:そりゃそうだよなと思いましたよ。Ken Bandがスプリットを出したいからNAMBA69が選ばれたわけではなく、「NAMBA69と一緒にやるためにスプリットという形を選んだ」と健君は言ってましたね。

ko-hey:2017年にハイスタがツアーで動いているときにもNAMBA69は自主企画をブチ込んでたんですよ(笑)。ただ、必然的にNAMBAさんが動けない時期もあったので、悔しさもありつつ、俺はハイスタのツアーを3ヵ所ぐらい観に行きました(笑)。で、俺たちは俺たちでNAMBA69の次の展望を三ちゃんと話してたので。ハイスタが動いていてもNAMBA69が止まるということがないように。

SAMBU:だからNAMBAさんには「ハイスタ、思いっきり頑張ってください!」と伝えたんです。ハイスタのツアー初日(10/26@渋谷TSUTAYA O-EAST)も観に行ったんですけど、いちファンとして「いいなあ!」と思ったし、そこは割り切って考えてましたからね。

K5:ハイスタのライヴを観れたのは嬉しかったですね。俺はツアー初日とファイナル(12/14@さいたまスーパーアリーナ)を観ましたけど、特にさいたまはライヴ自体が魔法にかかってて、「すげえな」と思いました。自分のバンドでもやりたいけど、観られただけで幸せ(笑)。

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