【インタビュー】<ルナフェス>J編、「ネガティヴな状況をぶっ壊すのは、やっぱり人」

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LUNA SEA主宰による史上最狂のロックフェス第二弾<LUNATIC FEST. 2018>が6月23日および24日の2日間、幕張メッセにて開催される。現在まで、既に多くの出演アーティストが発表されているが、ジャンルや時代の壁をぶち壊すラインナップには驚きと同時に、常に新しい風を追い求めるLUNA SEAならでのスタンスが溢れて、あまりにも刺激的だ。

◆<LUNATIC FEST. 2018> 画像

そしてLUNA SEAの5人は4月某日、スペースシャワーTV『PREMIERE of LUNATIC FEST. 2018』の特番収録を実施した。BARKSはその現場に完全密着。<LUNATIC FEST.>初回を詳細に振り返りつつ、第二回目となる<LUNATIC FEST. 2018>の意図と意義、出演ラインナップとLUNA SEAとの濃厚な関係性などが赤裸々に語られた貴重なメンバー全員パーソナルインタビューの全文をここに掲載する。その最終夜は、J。

   ◆   ◆   ◆

■<LUNATIC FEST.>になくてはいけないのは
■自分たちが信じてきた音楽、夢、熱

──<LUNATIC FEST. 2018>の話をうかがう前に、記憶を3年前に戻していただきたいと思います。初の試みとして<LUNATIC FEST.>を開催したときのことはJさんの中に、今どのように残っているのでしょうか?

J:自分たちの名前を打ち出すフェスということで、とにかく、ほかのどこにもないものにしたいということは、開催前から考えていたんだよね。そこには意地とかプライドも当然のように渦巻いてて。LUNA SEAは、自分たちがライヴで掴み取ってきた“夢”のようなものを今も追い続けているバンドだし、その神聖なライヴに直結するフェスを自分たちのやり方で作れないかなってずっと思っていたんです。

──それが<LUNATIC FEST.>の根幹だったわけですね。

J:オレ自身が一番イヤだったのは、何の主義も主張もないものになってしまうことで。これだけ長い間バンドをやっていれば、当然知り合いも仲間も増える。そういったやつらと騒ぎたいという気持ちはあるんだけど、それだけとは違う。ここでひとつのカタチを打ち出したいって思ってたんだ。だから、メンバーに言っていたのは「そこに想いがなければダメだよ。絶対に、そういうものしかやるべきじゃない」って。

──要するに、ただ盛り上がればいいっていうものではないということですね。

J:いつの日か、本当の意味でのお祭り的な、何もかも忘れて騒ぐみたいな楽しいだけのイベントもやってみたいけど、<LUNATIC FEST.>になくてはいけないのは、自分たちが信じてきた音楽、夢、熱。そういったものが伝わっていくようなフェスにしたいと思っていたから。

──それは第一回目もそうでしたし、<LUNATIC FEST. 2018>にも引き継がれていくものなんでしょうね。

J:そうですね。

──前回も今回も2DAYS両日ともオープニングアクトはLUNACYです。前回開催直前にBARKSで公開されたインタビューでは、「これだけ凄いメンツが集まってくれたときに、自分たちが最初にやらないでどうするんだって」というようなことをおっしゃってたんですけど、実際そういう感覚でステージに臨んだのでしょうか?

J:まさにそうですね。迎え入れた側としては、やっぱり最初のご挨拶というか、そういう出迎えをするべきだろうと思っていたし、今回ももちろんそう。

──ご自身でもまさか21世紀に、あんな大きな場所であの時代の曲をああいう佇まいでやることになるとは思ってなかったのではないでしょうか。実際、どんな感触だったんですか?

J:いまだにライヴでやってる曲も結構あったりするので、自分の中では、実は線引きみたいなものはなかったりするんだけど。ただ、当時の曲だけで構成したライヴは、当然ながら近年はやったことがなかったので、自分たちも楽しんでいたというかね。

▲<LUNATIC FEST.>初日/2015年6月27日@幕張メッセ

▲<LUNATIC FEST.>2日目/2015年6月28日@幕張メッセ

──前回はオープニングアクトLUNACYの嵐のような3曲があって、その直後、9mm Parabellum Bulletのステージに、いきなりJさんが飛び入りするという怒濤の展開がありました。2日間通しても、かなり飛び入りの頻度が高かったわけですが、ご自身として特に印象に残っているシーンはありますか?

J:出演したすべてのバンドが、あまりにも個性的で異なる熱を持っている、こんなことはそうはないって思いましたね。でも、オレたち自身が観てきた日本のロックシーンやライブハウスシーンって、こうだったよねって。それをすごく感じた2日間でした。若いやつらもいれば、諸先輩方もいて、でも、ここには本物しかいない。もっと言えば、ゲストで来場してくれたみんなもそう。そういう意味ではワクワクしたし、“そうそうこれこれ! この匂い、この感じ!”っていうか。タイムスケジュールが進行していくにつれ、なにがどうなっていくのかわからない緊張感、それはすごく感じましたね。

──Jさんご自身も9mm Parabellum BulletやROTTENGRAFFTY、BUCK-TICKのステージにも飛び入りしたり。そこで解け合えるというか、ステージ上で化学反応みたいなものを感じたと思うんですけど。

J:そういう意味では、たくさんの刺激をもらった2日間でしたね。贅沢すぎるかなって思ったくらい、いろいろな経験をさせてもらった。パズルのピースがはまっていくというか、そんな気持ちになる2日間で、もう感謝しかないです。

──演奏していないシーンでひとつ印象的だったのが、AIONのオープニングで、いにしえのお姿というか、“ベースローディーですか?”みたいな感じで登場しましたが、あのときの心境は?

J:オレ自身がまだLUNA SEAを始める前にAIONのローディーをやっていた時代がありまして。そこでライヴハウスの作法とか、音楽に対する情熱とか、いろいろなものを学んだんです。その経験がなければ、今のオレは存在していない。だから、オレたちの初めてのフェスに絶対に出演してほしかったし、いろいろな想いを抱えて、あの日、スタッフをやらせてもらいました。

──そういった意味では、前回はLUNA SEAよりも上の世代と、そしてその先に続いていく若い世代をLUNA SEAがつないでいたような感触を受けたんです。逆に言えば、そういった立場に立てるのは自分たちだけだっていう意識もあったんじゃないかと思うのですが。

J:本当にそうですね。今は音楽シーンの縦軸が分断されている時代かもしれないけど、規模でもなく、キャリアの長さでもなく、純粋な熱さの部分で、上の世代と下の世代をつなぐ役目は、オレたちができるはずだと思ってました。

──そして実際にそれができた。

J:でも、オレたちはセッティングしただけで。そこに居た若いバンドのみんなに、その後どんな変化が生まれただろう、新しい世界が広がってくれていれば本望だなって。それはお客さんとして来てくれたみんなに対しても同じ気持ちなんですよ。今まで観たことがなかったバンドに触れたときに、どんなことを思っただろうって。

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