【連載】Vol.045「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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ローリング・ストーンズスがメンフィス・ソウルの素晴らしさを教えてくれた!


▲LP「THE IMMORTAL OTIS REDDING」 from Mike's Collection

アーリー・シックスティーズからアメリカン・ヒット・チューンを親しんでいたなかでモータウン・サウンドをはじめレイ・チャールズやサム・クック、ドリフターズらのリズム&ブルースも楽しむようになった。1964年、僕はまだ中学生のガキのくせに日本リズム&ブルース・ファン・クラブに入会して東京・市ヶ谷の喫茶店“ドナ”でのレコード・コンサートにも出席して“今年は東京五輪~ジ・オリンピックスを聴こう!”でいろいろ勉強した。また丁度その頃から米南部のディープなR&Bをどんどん聴くようになった。その起因となったのがローリング・ストーンズ。彼らのカヴァーしたR&Bのオリジナルを追及してオーティス・レディングを知ったのだ。オーティス63~64年のヒット「Pain In My Heart」!ミック・ジャガーが見事に歌い上げる。そして、よりソウルフルにオーティス!!これぞソウル・バラードの名作だ。


▲LP「OTIS REDDING/Pain In My Heart」 from Mike's Collection

その後エディ・フロイド、ウィリアム・ベル、カーラ・トーマス、サム&デイヴ…、メンフィスのスタックス・レコードのアーティストの虜となり、故・桜井ユタカさんとの交流が僕のR&B熱をアップさせた。「ミュージック・ライフ」65年8月号といえばビートルズ&星加ルミ子さんが表紙としてB4ファンには有名だが、同誌同号48~51頁には“座談会 ローリング・ストーンズを楽しもう”が掲載。中3坊主頭の僕も出席したのだが、そこでML編集部の桜井さんと初めてお会いした。


▲「ミュージック・ライフ」65年8月号48頁 from Mike's Library 協力:シンコーミュージック・エンタテイメント

その直後に「ティーンビート」が創刊され、桜井さんは同誌の編集部でR&B啓蒙に尽力された。僕は新大久保駅近くの編集部に頻繁に訪れ、TB&RSFCのバーター広告なんてこともお願いしたこともある。また六本木の“George's”や新宿の”the other”へ初めて連れて行ってもらった。
そして、69年にはダブル・ダイナマイト、サム&&デイヴがソウルメン・オーケストラを率いて初来日!もちろん完全出席。


▲69年サム&デイヴ初来日公演案内チラシ from Mike's Collection


▲69年サム&デイヴ初来日公演プログラム 2016年にサム・ムーアにサインしてもらった… from Mike's Collection


▲サム・ムーアと筆者

70年代に入って桜井さんはR&Bファンジン「SOUL ON」(手前味噌ながら僕が命名者です)を発行。故・八木誠さん、故・本家義文さん、故・三浦憲さん、故・小清水勇さんらとお手伝いした。


▲「SOUL ON」72年11月号 from Mike's  Library


▲同掲載“B.B.キングインタビュー”右から桜井さん B.B.筆者 from Mike's  Library

そしてコロムビア映画「ワッツスタックス スタックス・コンサート」(我が国では73年夏公開)のプロモをお願いされた僕は桜井さんと「SOUL ON」で全面的にPRを請け負い、小冊子を編集した。故・福田一郎先生はじめ故・中村とうようさん、故・デイブ平尾さん、故・今野雄二さん、故・井上尭之さん、そしてアン・ルイスさんや木崎義二さんらから推薦文を頂いた。


▲小冊子「WATTSTAX」 from Mike's Libaray


▲スタックス・ミュージアムWHATTSTAXコーナー Pic.by Mike

70年代中期以降はルーファス・トーマス、エディ・フロイド、スティーヴ・クロッパー、スティーヴ・クロッパーほか多くのスタックス・レコード縁のアーティストが来日した。同社は活動を停止したけど、その素晴らしい音源とアーティスト魂はしっかりと継承され、現在も多くのファンがメンフィス・ソウルを愛している。


▲スティーヴ・クロッパーと筆者


▲ブッカー・T.ジョーンズと筆者

メンフィスには2度訪問しているが、2015年夏にエルヴィス・プレスリーの墓参りに行った時もちろんスタックス・レコード跡地に建つスタックス・ミュージアムへ。スタックス・ヒストリーからアーティスト紹介、アイザック・ヘイズのキャデラックなど関連のグッズやゴールド・ディスク他が展示。またレコーディングで使用された機材がスタジオにしっかりと置いてある。ソウル・フリークには堪らない、一度は訪れたい聖地だ。


▲スタックス・ミュージアム/オーティス・レディング・コーナー Pic.by Mike


▲スタックス・ミュージアムに展示されているスティーヴ・クロッパーが60年代に使用したギター Pic.by Mike


▲スタックス・ミュージアム内で有料撮影してもらうとこのようなショットに仕上がる。後日サム・ムーア、スティーヴ・クロッパー、ブッカー・T.ジョーンズにサインしてもらった…。

ということで長~くなってしまったけど、実はここまでがイントロ。今回はスタックス、メンフィス・ソウル関連情報をいくつか紹介させていただく。

【スタックス・レコード・ガイド・ブック】書籍


▲提供:スペースシャワーネットワーク

まずは「スタックス・レコード・ガイド・ブック」。
ブルース&ソウル・レコーズ編ということで、実にマニアックに掘り下げているところが嬉しい。レーベルの歴史、スタックス・ミュージアム紹介、シングル・ディスコグラフィーなどにしっかり注目。そして各コラムも見逃せない充実ぶり。本書のメインはやはりアルバム・ガイドだ。パート1では、カーラ・トーマス、ルーファス・トーマス、マーキーズ、ブッカー・T&MGズ、ウィリアム・ベル、オーティス・レディング、サム&デイヴ、マッド・ライズ、エディ・フロイド、アルバート・キング、アイザック・ヘイズ…。彼らの作品集が網羅。スタックスが一番輝いていた時代、僕はその空間をほぼリアル・タイムで体現した。それだけに、充実した紹介ぶりは嬉しい限りだ。そのほかバーケイズ(71年に赤坂MUGENのハコバンとして来日。インタビューしたなぁ)、ステイプル・シンガーズ、ソウル・チルドレンら多くの素晴らしきアーティストが勿論紹介されている。
本書にも登場するアルバム『STAX/SYAT IN SCHOOL DON'T BE A DROP OUT』に楽しむことにしよう。


▲CD「STAX/SYAT IN SCHOOL DON'T BE A DROP OUT」 from Mike's Collection

【約束の地、メンフィス~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~】
そして、昨年このコラムでも何回か記させてもらったメンフィス・ソウル・ミュージックの魅力をふんだんに伝えてくれる映画「約束の地、メンフィス~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~」が、多くのファンの要望に応えて7月25日にBlu-ray、DVDとしてリリースされる。


▲提供:CURIOUSCOPE

『約束の地、メンフィス~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~』は同地からどういった背景でグルーヴ感あふれる音楽が誕生していったかという足跡が描かれているが、これは単なる歴史物語ではない。レジェンドたちがコンテンポラリーな若いミュージシャンと共演。まさに20世紀の文化が21世紀へとしっかり継承されていくシーンをしっかり映し出している。メンフィス・ソウル&ラップ、歴史と未来の作品。監督のマーティン・ショアはこう言う、「生けるレジェンドと現代のスターとのコラボレーションという試みで、アメリカの宝石である音楽という文化に、過去にない新たなソウル・ミュージックを生み出すことが出来たと思っている」
そしてもう一人、本作の重要人物として忘れられないのがローレンス・ブー・ミッチェル。メンフィス・ソウルの重鎮でアル・グリーンの育ての親であり、ハイ・レコードのオーナ、ロイヤル・スタジオを音楽玉手箱として発展させた米国音楽史にその名を残すウィリー・ミッチェル(1928-2010)の息子だ。本作のプロデューサーでディレクター、エンジニア、そして出演者でもある。昨年6月の映画公開時にブーは来日しトーク・ライヴも行った。


▲映画「約束の地、メンフィス~テイク・ミー・トゥー・ザ・リバー~」プログラム from Mike's Collection

オーティス・クレイ、ボビー・ブルー・ブランド、ウィリアム・ベル、ボビー・ラッシュ、スヌープ・ドッグ、テレンス・ハワード、フレイザー・ボーイ、リル・ピーナッツ…。まさに音楽の真の姿が表現された。

Session1.「サポーズド・トゥ・ビー」ブッカー・T.ジョーンズ with ノース・ミシシッピ・オールスターズ featuring アル・カポネ
Session2.「愛なき世界で」オーティス・クレイ featuring リル・ピーナッツ
Session3.「プッシュ・アンド・プル」ボビー・ラッシュ featuring フレイザー・ボーイ
Session4.「イフ・アイ・シュド・ハブ・バッド・ラック」チャールズ・マッスルホワイト
Session5.「シッティング・オン・トップ・オブ・ザ・ワールド」 ヒューバート・サムリン featuring エリック・ゲイルズ
Session6.「ウォーク・アウェイ」テレンス・ハワード with ハイ・リズム・セクション
Session7.「消えゆく太陽」ボビー・ブルー・ブランド featuring ヨー・ガッティ
Session8.「アイ・フォーガット・トゥ・ビー・ユア・ラヴァー」ウィリアム・ベル with スタックス・ミュージック・アカデミー学生 featuring スヌープ・ドッグ
Session9.「ウィッシュ・アイ・ハド・アンサード」メイヴィス・ステイプルス with ノース・ミシシッピ・オールスターズ

【映像特典(予定)】※Blu-ray&DVD共通
●ウィリアム・ベル&スヌープ・ドッグ 共同インタビュー
●“Be Like Me”バーケイズ×8Balls and MJG 未公開セッション映像
歌詞にローリング・ストーンズ登場なのだ
●“I'll Take You There”作曲秘話 アル・ベル特別インタビュー
●劇場予告

【封入特典(予定)】※Blu-ray&DVD共通
●オリジナル・ブックレット
●特製アウター仕様

※内容・仕様・特典等は予告なく変更となる場合がございます。あらかじめご了承下さい。

最後に出演者のブッカー・T.ジョーンズとホッジス・ブラザース(チャールズ・ホッジス牧師)に本作について語ってもらおう(昨年来日時のマイ・インタビューから)。

●ブッカー・T.ジョーンズ
*ミシシッピ音楽殿堂の関係者からノース・ミシシッピ・オールスターズを紹介された。彼らとレコーディングして、僕たちの家族をディキンソン家にも連れて行ってくれた。彼らとのセッションはとても素晴らしかった。アル・カポネも出演していたね。そして、この映画がUS公開された直後に亡くなったメイボン“ティーニー”ホッジスは僕のベスト・フレンド。僕の家に何度も来てくれたし、一緒に過ごした時間も多かった。彼と2人のホッジス兄弟はハイ・レコードの心で魂だった。とても親しい仲間たちだった。ティーニーは僕の高校の最初のガール・フレンドと結婚したんだ(笑)。良い結婚をして子供たちにも恵まれた。彼が亡くなったのは本当に辛かった。亡くなる直前にティーニーに会うことできた。彼と兄弟たちはウィリー・ミッチェルやアル・グリーン、アル・ジャクソンの資源だったね。そしてウィリーはその全ての中心だった。彼を抜きには誰もここにいなかっただろう。そして息子のブーも素晴らしい人物。プロデューサーとして良い仕事をしている。彼は歴史をしっかり継承しているのだ。これが音楽を愛する者の真の姿だ!

●チャールズ・ホッジス牧師
ある日ブー・ミッチェルから「チャールズ伯父さん」と電話があった。私は彼を甥っ子と呼ぶ。「ドキュメンタリー映画を作る企画があるから参加してくれないか」。TV番組『エンパイヤー』の人気俳優テレンス・ハワードが映画制作に興味を持っているということだった。話を聞いてみた。テレンス・ハワードは歌を歌い、人生のストーリーを語り始めた。スタジオの全員が長時間聞いていた。彼はとても優れた才能の持ち主。ギターだけでなくピアノも弾ける。家にも来てくれ、45分ぐらいインタビューされたよ。そこから全てが始まったのさ。ウィリアム・ベルが加わり、亡くなったオーティス・クレイやチャールズ・スキップ・ピッツ、ボビー・ブルー・ブランド、さらにリル・ピーナッツ、スヌープ・ドッグ。スヌープ・ドッグが参加するなんてまったく知らなかった、凄く驚いた。彼の参加がこの映画にとても大きな衝撃を与えたんじゃないかと思う。
いくつかの要素をミックスする必要があった。当然のことだけれど、キング牧師暗殺のことも。この事件がメンフィスや世界に与えた影響などだ。そして我々がメンフィスの音楽に対して当時感じていたことに舞い戻る必要があった。ある一時期、メンフィスの音楽は最高のものだった。世界中からその音を求めてレコーディングにやって来た。ロッド・スチュワート、キース・リチャーズ、ボズ・スキャッグス、メリッサ・エスリッジ。このドキュメンタリー映画がメンフィス音楽の新しい扉を開けてくれたのではないかと思っている。
ブー・ミッチェルはとても良い耳を持っている。ウィリーとはまた違ったレベルに音楽をもっていく能力があると思う。フレッシュなアイディアもあるし、冒険をすることを恐れない。また彼の周りには一緒に冒険をする人たちもいる。世の中で最も会いたい人物の一人だろうね。音楽をよく知っている。数年前にはマーク・ロンソンの「Uptown Funk」(ヴォーカルはブルーノ・マーズ)をロイヤル・スタジオで録音してグラミーも獲得した。


▲ホッジス兄弟と筆者

【カーラ・トーマス&The Memphis All Stars Review
Featuring The Hodges Brothers(Hi Rhythm Section)and Vaneese Thomas】


▲提供:Billboard Live TOKYO

1960年後半、僕らソウル・ミュージック・フリークはカーラ・トーマス&オーティス・レディングのデュオ最高傑作楽曲「Tramp」に何度も何度も聴き入っていた。1967年春から夏にかけて大ヒット。Billboard誌R&Bチャートで2位を記録(20曲以上のチャート・イン・ナンバーの最高記録)、HOT100でも26位にランクされたのだ。FENでもよくオン・エアー、新宿のディスコティック(ディスコではありません)“the other”ではヘヴィー・ローテーション。よくダンスしたなぁ(同年12月、キング・オブ・ソウルのオーティスが他界)。


▲LP「Otis Redding Carla Thomas/King & Queen」 from Mike's Collection

カーラ・トーマスは日本でもお馴染み、「Walking The Dog」のルーファス・トーマスの娘だ。親子レコーディングもしている。カーラは「Gee Whiz(Look At His Eyes)」('61)を皮切りに70年代にかけて多くのヒット作を発表。そんなメンフィスのあの時代の生き証人としてわが国のファンの前で久しぶりにライヴしてくれるのだ。60年代後半に米軍基地慰問公演で初来日、そして88年にルーファス・トーマス&カーラ・トーマスでクラブ公演。渋谷のLive Innでのステージを思い出す(M&Iカンパニーの招聘)。単独での我が国でのステージは今回が初だ。まさにライド・オン!The Memphis All Starsには昨年のスペンサー・ウィギンスの時同様、リロイ&チャールズ・ホッジス兄弟が構えている。まさにTake Me To The Riverなのだ。

*2018年7月28日
フジロックフェスティバル'18
http://www.fujirockfestival.com/

*2018年7月30日 31日 Billboard Live TOKYO
ファースト・ステージ 開場17:30  開演19:00
セカンド・ステージ  開場20:45  開演21:30
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=10898&shop=1

*2018年8月2日  Billboard Live OSAKA
ファースト・ステージ 開場17:30  開演18:30
セカンド・ステージ  開場 20:30  開演21:30
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=10899&shop=2

【メンフィス meets マッスル・ショールズ featuring ウィリー・ハイタワー, スティーヴ・クロッパー & ハイ・リズム】


▲ウィリー・ハイタワー 提供:Billboard Live TOKYO


▲スティーヴ・クロッパー 提供:Billboard Live TOKYO

メンフィス・ソウルとアラバマ州のマッスル・ショールズ・サウンドは密な関係。60年代後半からMSのスタジオ・ミュージシャン、スワンパーズがスタックスで演奏するようになる。一方で、スタックスとロイヤル・スタジオもご近所づきあいをしていたこともよく知られる。スティーヴ・クロッパーの朋友アル・ジャクソンはアル・グリーンのバックをしばしば務めた。ということで、スティーヴが中心になってハイ・リズム、そこにヴォーカリストとしてのるのがアラバマ出身、40年生まれのウィリー・ハイタワー。彼はサム・クックのフォロワーとして有名。65年にレコード・デビューしているという。69年に「It's A Miracle」、70年に「Walk A Mile In My Shoes」(HOT100ではジョー・サウスでブレイク)をBillboard誌ソウル・シングル・チャートに送り込んでいる。後者はフェイム・レコードからのリリースだった。ということで、マッスル・ショールズとロイヤル・スタジオ&スタックスのコラボレーション!メンフィス・ミーツ・アラバマ!!ハイ・リズムはもちろんチャールズ&リロイ・ホッジス兄弟(今年は2度も来日の予定だ)。ディープなサザン・ソウル・サウンドにのってサム・クックを彷彿とさせるヴォーカルをたっぷりと味わうことにしよう。
それまではしっかりコンピだけど『THE FAME STUDIOS STORY・1961-1973』『WARM AND TENDER LOVE/The Sound Of Earthy Soul』で予習しよう。


▲CD「THE FAME STUDIOS STORY・1961-1973」 提供:Pヴァイン


▲CD「WARM AND TENDER LOVE/The Sound Of Earthy Soul」 提供:Pヴァイン

*2018年10月20日  Billboard Live OSAKA
ファースト・ステージ 開場15:30  開演16:30
セカンド・ステージ  開場 18:30  開演19:30
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=11025&shop=2

*2018年10月22日 23日 24日
Billboard Live TOKYO
ファースト・ステージ 開場17:30  開演19:00
セカンド・ステージ  開場20:45  開演21:30
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=11024&shop=1


▲10年くらい前のブルース・ブラザーズ・バンド来日公演時、ステージにひっぱりあげられてダンスするMike。終了後、バックステージにスティーヴ・クロッパーからお褒めの言葉をいただいた(冷や汗)。 提供:Billboard Live TOKYO

☆☆☆☆☆
■Mike's Garage
東京・新宿のロック居酒屋“ROCK CAFE LOFT”で【MBSプレゼンツMike's Garage】がスタートした。

●Mike's Garage Vol.1


▲川原伸司さんと筆者 Pic.by S.Sato

第1回目は5月25日、大盛況の中で「激突Beatles vs Stones そして祝ピーター・アッシャー来日!」が行われた。最初のゲストはビートルズ・ファンに研究家としてその名を知られる川原伸司さん。業界ではプロデューサー、作曲家(平井夏美、ほかにもいろいろペンネームがあったなぁ~)として知られる。故・大瀧詠一、井上陽水の”お友達”。僕とはもう50年以上の音楽仲間、よく呑んでもいる。実は二人は中央大学附属高校同期生なのだ。僕は憶えてないんだけど、初めて会ったのは66年1月、中附入学試験前日のビーチ・ボーイズの来日公演の会場だったという(川原説)。高校時代、クラスは別々だったけど、当時B4 vs RSで毎度盛り上がっていたのだ。川原選手登場音楽は金沢明子の「イエローサブマリーン音頭」。彼の自信制作作品。レコ発時のプレス・パーティーが六本木のディスコで行われたがそのMC&DJはもちろんMikeだったのだ。そんなわけでまさに酒場トーク(実際二人はかなり呑んでいた)。でもその内容は1960年代ジャパン・ミュージック・シーンをリアルに、赤裸々にアーカイヴしていく。ビートルズやストーンズについて普段は書いたり喋れない“真実”がポンポン飛び出す。1時間でエア・プレイしたナンバーはテーマ(マイ・テーマはもちろん20年以上変わらず『FLASHPOINT』オープニング~“Start Me Up”)を除くと、ミック・ジャガーの当時の日本のファン向けのメッセージ入りのRS「Jumpin' Jack Flash」&ドナ・リンの「夢見るビートルズ」だけ。


▲68年夏のキングレコードのプロモEP/フロント・カバー from Mike's Collection


▲68年夏のキングレコードのプロモEP/バック・カバー from Mike's Collection

あとで気がついたんだけどB4ナンバー100曲用意していて64年日本シングルも持参したのに1曲も流れなかった(冷や汗)。僕らより若い世代の皆さんは特にしっかりと聞き入っていただき恐縮。中附の同期生や、僕の中学の同期生(池上彰さんは欠席だったけど)も数人来てくれた。ボロボロになっているけど二人で持ちよった当時の「ミュージック・ライフ」や「ティーンビート」、RSFC会報、60年代後半音楽映画プロブラムなども紹介させていただいた。

後半は“祝ピーター・アッシャー来日”。特別ゲストに元ザ・スパイダースの加藤カッペちゃん充さんをお迎えした。TMはザ・スパイダースで「Around And Around」。


▲▲左から川原伸司さん 加藤カッペちゃん充さん 筆者 Pic.by M.Funahashi

Vol.42でも触れたように1965年のピーターとゴードン来日公演での前座はザ・スパイダースで、メイン・ステージではベースを加藤さん、ドラムスを田辺昭知さんが務めたのだ。そのときのエピソードや裏話には僕らもDJブースで皆さんと同じくしっかり耳をそばだてる。ピーターとゴードンのギターはエディ・キングが担当。来日中にエディは築地にあったビクタースタジオで「イフ・オール・ユー・ニード」をレコーディング。ベースが加藤さん、ドラムスが田辺さんだった。ザ・スパイダースはピーターとゴードンを皮切りにアニマルズ、ビーチ・ボーイズほか多くの外タレの前座を務めた。でもビートルズの時はその仕事を断った、なぜならB4のステージをしっかり観たかったとのことだ。ここでは「イフ・オール・ユー・ニード」やピーターとゴードンの「愛なき世界」、そしてザ・スパイダースの「フリフリ」「ワイプ・アウト」も楽しんだ。現在も精力的にライヴ活動を続けるカッペちゃんは御年84、大元気でいらっしゃる!今月19日“クロコダイル”で開催のGSサマーカーニバル2018”(MC努めます)にもカッペちゃん“出演”なのだ!

“PETER ASHER & ALBERT LEE”
会場 : COTTON CLUB
2018年6月27日(水曜)28日(木曜)29日(金曜)
ファースト・ステージ 開場17時00分
開演18時30分
セカンド・ステージ  開場20時00分 開演21時00分
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/peter-asher-albert-lee/

●Mike's Garage Vol.2
~トーク・バトル~
「“無情”vs“無法”の世界対決」THE WHO特集
feat『Who's Next』オリジナル・レコード英米
日盤 1970年代初頭へタイムスリップ!
ナビゲーター:Mike Koshitani(ザ・フー最重要アルバム『Who's Next』日本盤ライナー執筆者)
ゲスト:舩橋 昌宏(THE WHO研究家)
日時 : 6月23日(土曜)
Open : 15:00
Start: 16:00
テーブルチャージ¥400(+要ワンオーダー)
お食事もございます
会場:ROCK CAFE LOFT
http://www.loft-prj.co.jp/rockcafe/
新宿区歌舞伎町1-28-5
TEL:03-6233-9606
(西武新宿駅から徒歩1~2分)
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/rockcafe/87004

●Mike's Garage Vol.3
~トーク・バトル~
「青春デンデケデケデケ
追悼ノーキー・エドワーズ
そしてこの夏も全国でエレキ大旋風
ザ・ベンチャーズ来日!」
ナビゲーター:Mike Koshitani(ベンチャーズMCしたことがあるのだ)
ゲスト:芦原すなお(小説家 直木賞受賞&映画化『青春デンデケデケデケ』は傑作だ)
日時:6月30日(土曜)
Open : 15:00
Start: 16:00
テーブルチャージ¥400(+要ワンオーダー)
お食事もございます
会場:ROCK CAFE LOFT
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/rockcafe/87007

●Mike's Garage Vol.4
~トーク・バトル~
「村谷対談 僕らを作った10枚のレコード feat ビートルズ&ストーンズ」
ナビゲーター:Mike Koshitani
ゲスト:松村 雄策(音楽評論家)
日時:7月14日(土曜)
Open : 15:00
Start: 16:00
テーブルチャージ¥400(+要ワンオーダー)
お食事もございます
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/rockcafe/87010

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