【ライブレポート】バナナニードル、高い演奏スキルと心地よいメロでポテンシャルの高さを証明した3ピースインスト・バンド

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ハモンド・オルガン/シンセサイザーとベース、ドラムという個性的な編成で、キャッチーかつスタイリッシュなインストゥルメンタルを聴かせるバンドとして注目を集めているバナナニードル。そんな彼らが1stアルバム『バナナニードル』のリリースを祝して、6月9日に初となるワンマン・ライブを四ツ谷 SOUND CREEK Doppoで行った。

オーディエンスがあげる歓声と拍手を浴びながらステージに姿を現したバナナニードルは、「皆さん、こんにちは! バナナニードルでーす!」という三重野徹朗の明るい挨拶に続けて、「ミツバチ」からライブをスタートさせた。1曲目から華やかなステージングを見せつつホットなオルガン・ソロを奏でる市塚裕子。笑顔を浮かべて、粘りのあるグルーブを紡いでいく三重野。爽やかなオーラとタイトかつテクニカルなドラミングのマッチングが印象的な木村光学。軽快に疾走するサウンドとフィジカルなステージに客席のテンションも高まり、ライブが始まると同時に場内は心地好い熱気に包まれた。


その後はファンキーな「Gold Finger」や浮遊感を纏ったスロー・チューンの「エリカ」、爽やかな「Wonderful life」などを続けてプレイ。インストバンドという言葉からメンバーそれぞれによる長尺のアドリブ合戦をイメージするリスナーは多いと思うが、バナナニードルは全く違っている。彼らの楽曲はキャッチーなメロディーや分かりやすい構成が活かされていて聴きやすいし、ソロ・パートも適切なサイズで凝縮感のあるソロを聴かせるスタイルであるため、漫然とした雰囲気はいっさいない。バリエーション豊かな楽曲やダイナミクスを効かせたアレンジ、メンバー三人が織りなす上質なプレイなども相まって、強くステージに惹き込まれた。


ライブ中盤では、アーバンな音世界にジャズのテイストを織り交ぜた「ジオメトリックパターン」(この曲のエンディングでは、生演奏でフェイドアウトして次曲に繋ぐというシブい技も披露した)や、明るい「Vanilla 66」、三重野の「バナナニードルを始めた頃の曲です。カッコつけたかった頃の曲です(笑)」という言葉に続けて演奏されたポストロック感が漂う「嘘つきHoney」などが演奏された。ハモンド・オルガンとシンセサイザーを使って様々な表情を見せる市塚に加えて、三重野もエフェクターを駆使した多彩なトーンで楽曲の世界観を深めるのは彼らの大きな魅力といえる。トリオバンドとは思えない深みや広がりのあるサウンドをライブで構築するのはさすがといえるし、巧みに隙間を埋める木村のドラミングも絶妙で、ボーカルやギターがいないことに対する物足りなさを微塵も感じさせないことが印象的だった。


オルガンの独奏による「バナナの夢」を挟んだ後は、穏やかなサウンドを活かした「Tokyo City」、サンバ・テイストを活かした「花鳥風月」、ロック感の強い「Sheep The Concrete」という3曲の新曲を続けて披露。新曲もそれぞれテイストが異なっていて、さらに完成度が高いのはさすがといえる。オーディエンスの反応も上々で、1曲終わるごとに客席からは盛大な拍手と歓声が湧き起こっていた。


「人の背中をポンと押してあげられるといいなという気持ちで演奏します」という三重野の言葉と共にプレイされた「Oh!Your DAISY」からライブは後半へ。ラテン・テイストと市塚、木村による熱いソロをフィーチュアした「Sweetな夜」、パワフル&アッパーな「星屑セレナーデ」などが相次いで演奏された。フィジカルなステージングを見せながら躍動感に溢れたサウンドを聴かせるメンバーたち。特に三重野はホットで、「星屑セレナーデ」ではベースをマイクスタンドに擦りつけるというパフォーマンスで客席を大いに湧かせていた。

ホットなバナナニードルに引っ張られる形でオーディエンスの熱気はさらに高まり、四ツ谷 SOUND CREEK Doppoの場内は華やかな盛り上がりを見せる。本編のラストを飾ったスリリングな「Valk」(新曲)でバンドとオーディエンスが完全に一つになったことを感じさせて、メンバーたちステージから去っていった。


バンドとしてのポテンシャルの高さを十分に発揮して、初のワンマンとは思えない、観応えのあるライブで楽しませてくれたバナナニードル。今回のライブを観て、彼らが玄人ウケする良質なバンドであると同時に、インストゥルメンタルに馴染みのないリスナーにもアピールする力を持っていることを確信できた。ライブの雰囲気が非常に良かったことや、1stアルバムを完成させた直後に新曲を5曲も聴かせたこと、さらに新曲で新たな顔を見せていたことなども含めて、今後の彼らがさらなるスケールアップを果たすことは間違いなさそうだ。

今回のライブの終演後にメンバー三人に話を聞くことができたので、最後に紹介しよう。

「2時間くらいのステージでしたけど、体感的には1時間弱くらいに感じました。すごくテンションが上がって、本当にアッという間に終わってしまったという印象です。あとは、新曲を5曲やったんですけど、今回ラムちゃん(木村)の曲があったので、特にそれはいい形で披露してあげたいなという気持ちがあって。それを実践できたと思うし、他の新曲もいい感じだったんじゃないかなと思います。ライブに来てくださった方には、ぜひ新曲の感想なども聞かせてほしいです」(市塚)

「初のワンマンは、すごく楽しかったです。ライブを通して安心と高揚が混ざり合った感覚があって、演奏していて本当に楽しかった。新曲に関しては、ハモンド・オルガンの音はバラードに一番合うんですけど、ライブでバラードをやると“ドヨ~ン”としてしまうというのがあって。なので、新曲はアッパーなものや、速いものにしたんです。それは、正解だった気がしますね。今年の夏はフェスとかにも沢山出させてもらうんですけど、今日のライブを経て、いい波に乗っていけるんじゃないかなと思う。今年の夏は“ガツン!”とかますので、期待していてください」(三重野)

「僕も楽しかったけど、ちょっとやることが多過ぎるんじゃないかという気もしました(笑)。ドラムは休む間が全くと言っていいくらいなかったんですよ。もちろんMCとかが入りましたけど、“あれ? 意外と休めないぞ”という(笑)。逆にいえば、長いライブだったけど、お客さんはダラダラした感じは受けなくて、楽しんでもらえたんじゃないかなと思います。二人も言ったように新曲で手応えを感じられたこともあって、いい形で次に繋がるライブになったかなと思います」(木村)

取材・文●村上孝之

セットリスト

2018/06/09
BANANA NEEDLE ワンマンライブ@四ツ谷 SOUND CREEK Doppo

1.ミツバチ
2.Gold Finger
3.エリカ
4.Wonderful life
5.Walking Times
6.ジオメトリックパターン
7.Vanilla 66
8.嘘つきHoney
9.Moon Adult
10.バナナの夢
11.Tokyo City
12.花鳥風月
13.Sheep The Concrete
14.シェーンブルンの丘
15.Oh! Your DAISY
16.Sweetな夜
17.星屑セレナーデ
18.Valk
-Encore-
19.Tsuru
20.Blonde Girl

リリース情報

アルバムタイトル:バナナニードル
価格:¥2,400プラス税
発売日:2018年6月13日
発売:ステップス・レコーズ
販売:ヴィヴィド・サウンド・コーポレーション
ハイレゾ音源(44.1kHz/24bit)同時発売(配信)
1. Blonde Girl (ブロンド・ガール)
作曲:市塚 裕子 / 編曲:バナナニードル
2. Sweetな夜 (スィートなよる)
作曲:三重野徹朗 / 編曲:バナナニードル
3. シェーンブルンの丘
作曲:市塚 裕子 / 編曲:バナナニードル
4. ミツバチ
作曲:市塚裕子 / 編曲:バナナニードル
5. Gold Finger (ゴールド・フィンガー)
作曲:市塚 裕子 / 編曲:バナナニードル
6. バナナの夢
作曲/編曲:市塚 裕子
7. 星屑セレナーデ
作曲:市塚裕子 / 編曲:バナナニードル
8. Vanilla 66 (ヴァニラ・シクスティシックス)
作曲:市塚 裕子 / 編曲:バナナニードル
9. LA・LA・LA ・LOVESONG (ラ・ラ・ラ・ラヴソング)
作曲:久保田利伸 / 編曲:バナナニードル
10. Walking Times (ウォーキング・タイムス)
作曲:市塚 裕子 / 編曲:バナナニードル
☆ジャパンエフエムネットワーク
『OH! HAPPY MORNING(20局ネット)』
ステーション共通BGM
11. Oh! Your DAISY (オー、ユア・デイジィ)
作曲:市塚 裕子 / 編曲:バナナニードル
☆ジャパンエフエムネットワーク
『やさしい気持ち/森山良子(9局ネット)』
ステーション共通BGM
12. TsuRu(ツル)
作曲:市塚 裕子 / 編曲:バナナニードル
☆TBSテレビ『知ってニャるほど!ヘルシスト』テーマ曲

ライブ・イベント情報

▼2018/06/28土浦 MUSCLE SHOALS
BOGEY'S NIGHT
Act/Bogey Kenny / BANANA NEEDLE

▼2018/07/29
旭ジャズまつり
場所:こども自然公園 野球場
旭区大池町65-1
相鉄線二俣川駅南口下車徒歩15分
http://www.asahijazz.net/
※バナナニードルはイベントトップバッターの12:05からの出演予定です。

▼2018/08/01
烏頭 × BANANA NEEDLE 2マンライブ
四ツ谷 SOUND DREEk Doppo
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