【ライブレポート】Soanプロジェクト2周年ワンマン、「静」と「動」2つの姿を提示

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「静」なる表情から一変、Soanプロジェクト with 芥は冒頭から荒々しい「動」としての表情を描き出した。感情の走り出すままに芥は「濁った瞳」を歌い始めた。とても荒々しく、雄々しき興奮を抱いた楽曲だ。だが、けっして感情のままに暴れ狂うわけではない。身体中から沸き上がる熱をSoanプロジェクトwith 芥は少しずつ解き放つ。

「薄紅は舞い散り寂光に消える」が飛び出すと同時に、会場中の人たちは天高く両手を突き上げ手拍子。開放的なサビでは芥の熱した想いに負けじと、観客たちも熱い声を上げてゆく。これまでの静寂が幻だったとでも言うように、ヘドバンや折り畳みも繰り出される。そこへさらに「不確かな箱庭」を投下して熱を塗り重ねる。力強い手拍子、芥と観客たちによる熱い絶叫でシンクロした感情を強固に結び付け、Soanプロジェクトwith 芥は続いて「隔つ虚構紡ぐ真実と憧憬」を突きつけた。「透過幕」では昂った感情へゆっくりと冷たい調べを注ぐが、ギター陣の荒ぶる演奏が炸裂すると同時に、雄々しき姿へと変貌。雄大な景観を投影した演奏の上で、芥は切ない歌声を響かせる。


「その瞬間瞬間、過去と未来、この景色をずーっとずーっとあなた達の心に刻み込んでください」という芥の言葉を受けて始まったのはスケールに溢れた楽曲、「パラドクス」。芥の歌に胸が揺さぶられる。その雰囲気を変えるように「さぁ、こっから気持ち切り換えて派手にいこうか」と煽るSoan。その言葉通り「朽ち木の行方」では喧騒と熱狂の風景を作り出す。「躁狂の踊り子~山紫水明の宴~」ではタオルを振り回す光景も。

Soanプロジェクトwith 芥流のダンスロックナンバー「arrive」も飛び出し、観客たちは大きく手を振り無邪気に飛び跳ねていた。さらに暴れろとラウドでアグレッシブな「hysteria show time」も繰り出される。「明日のことなんて考えなくていいから、すべてこの瞬間に注ぎ込んでください」と最後を飾ったのは、デジロックナンバーの「frowery count」。メンバーも観客も、自らの感情を解き放った。


■Soanプロジェクトwith芥 Member
Produce・Music・Drums:Soan
Lyric・Vocal:芥(from Chanty)
Guitar・Voice:K
Guitar・Voice:Shun
Bass:Ivy(from ラッコ)

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