【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>SHANK、「今年もSATANIC CARNIVALに帰ってこられました」
開催1回目となった14年から毎年、<SATANIC CARNIVAL>に参戦しつづけ、昨年、初めてSATAN STAGEに立ち、トップバッターを務めたSHANKは今年、再びSATAN STAGEに立った。今回は3番手。G-FREAK FACTORYとMAN WITH A MISSIONに挟まれるというバンドマンなら燃えるしかないシチュエーションで熱演を繰り広げた。G-FREAK FACTORYからの居残りなのか、MAN WITH A MISSION待ちなのか。いやいや、SATAN STAGEを埋めた観客がSHANKを待っていたことは、出囃子のMAD CADDIESの「Backyard」が流れたとたん、観客がステージに押し寄せたことからも明らかだった。
◆SHANK画像
「ナガサキローカルヤンキー、SHANK始めます!」という、庵原将兵(Vo,B)による明らかにG-FREAK FACTORYの茂木洋晃を意識した一言から「Surface」を歌いあげ、ぐっと観客の気持ちをひきつけてから、メロディック・パンクの「Cigar Store」につなげ、演奏が一気にテンポを上げると、池本雄季(Dr,Cho)がエネルギッシュに鳴らす2ビ-トに煽られるように観客がダイヴを始め、“Oh oh”というサビのコーラスに応えるように拳を振りあげた。
そこから40分。間に「今年も育ちの悪い、柄の悪い人たちが集まって安心しました」とか、「今年もSATANIC CARNIVALに帰ってこられました。PIZZA OF DEATH、ありがとうございます。(そのお返しに)バンドできなくなったらPIZZA OF DEATHに就職して、お茶汲みから始めます。雇ってください」とか、庵原による人を食ったMCを挟みながら、長崎の3人組は熱演を繰り広げた。その音楽性はメロディック・パンクとスカパンクの2本立て。彼らが毎年、SATANIC CARNIVALで大歓迎されるのは、そんな魅力に加えた、Tシャツとジーパン、あるいはメンパンという、どこにでもいるような普通のあんちゃんたちが楽器を持ち、ステージに立ったとたん輝き始めるというメロディック・パンクの何たるかを全身で表現しているからだ。
そして、そこに加わる類稀なる音楽センス。2ビートで疾走する「Good Night Darling」の哀愁のコードや軽快なスカパンク・ナンバーの「Take Me Back」に歌いながら庵原が差し込むゴキゲンなランニング・ベース。そして、「Departure」他で松崎兵太(G,Cho)でダイナミックに奏でるギター・ソロは、彼らの音楽が単にダイヴや2ステップを誘うだけのものではないと思わせるものだった。
前述したとおり、バンドのガッツが問われるシチュエーションにはりきりすぎたのか、終盤、演奏が巻いていることに気づいた彼らは急遽、予定になかった「MONKEY FUCK」と「Long for the Blue moon」を追加。前者は観客のリクエストに応え、演奏したものだったが、臨機応変は対応は長崎を拠点にしながら全国のライヴハウスで戦い続けてきた彼らだからこそ。ハプニングに起きたとき、バンドの実力が試されるという意味では、この日の見どころだったと言ってもいい。
そして、ラストを締めくくったのは、1コーラスで終わるショート・チューンの「submarine」。あっさりさくっと終わったところもいかにもパンク・バンドらしくて、とても気持ちが良かった。
取材・文◎山口智男
撮影◎半田安政(Showcase)
【SHANK セットリスト】
02.Cigar Store
03.620
04.Good Night Darling
05.Take Me Back
06.Hope
07.Life is...
08.Weather is Beautiful
09.Departure
10.Set the fire
11.MONKEY FUCK
12.Honesty
13.BASIC
14.Long for the Blue moon
15.submarine
■<SATANIC CARNIVAL'18>
6月17日(日) 幕張メッセ国際展示場9-11ホール
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