【連載】Vol.046「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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日本の夏の風物詩~デンデケデケデケ エレキの王様ザ・ベンチャーズ ジャパン・ツアー2018!来日直前メンバー全員ザ・インタビュー・スペシャル!!



2018年夏ザ・ベンチャーズのジャパン・ツアーが始まる。これぞ日本の風物詩。今年は7月14日から9月9日までのほぼ2カ月、全国35公演。僕は9月第一日曜日、中野サンプラザに行くヨ。

http://www.mandicompany.co.jp/TheVenturesJapanTour2018.html

今年の日本公演を前に悲しいニュースが…、ベンチャーズのメンバーとして知られたノーキー・エドワーズが3月12日逝去した、享年82。


▲ノーキー・エドワーズ

1959年にベース奏者としてベンチャーズに加入したが、その後リード・ギタリストへ!ベンチャーズの黄金期といえる60年代中期から後期にかけて数多くの作品で素晴らしいテクニックを披露、多くの少年たちにエレキ・ギターの魅力を伝授したのだ。森園勝利、鈴木茂、Char…多くの日本を代表するギタリストは皆ベンチャーズの申し子で、特にノーキーに強い影響を受けた。彼は68年に脱退し、80年代に一時グループにカムバック、90年代末からは何度かベンチャーズ冬のジャパン・ツアーでジェリー・マギーに代わりステージに立った。ベンチャーズ創始者ドン・ウィルソンはこう追悼コメントを寄せている。

ノーキー・エドワーズが旅立ってしまいました。私は良き友人とパートナーを亡くしました。もう彼と会話することもなければ、笑い声を聞くこともありません。彼のギターも二度と奏でられることはありません。伝説のみを残し、消え去ってしまいました。彼のギター・プレイは誰とも比べることの出来ないものでした。
誰も彼のスタイルを真似ることはできませんでしたし、あのスタイルは永久に彼だけの物です。また、彼の口から人の悪口を聞くことは決してありませんでした。本当に優しい人でした。世界は素晴らしい人間とミュージシャンを同時に失いました。彼の音楽と人間性は、大勢の人々の心を満たして来ました。私にとっては兄弟同然の存在でしたし、ステージ上でも、それ以外でも本当に長い年月を共に過ごしました。寂しくなるよ、友よ。君に神の祝福がありますように。安らかに眠ってください。涙が止まりません。さようなら、親愛なる友よ。(ドン・ウィルソン)


▲ドン・ウィルソン

そして99年以降のライヴ・ヴァージョンを楽しめるノーキーの追悼5枚組BOXもリリースされる。『ノーキー・エドワーズ with ベンチャーズ ライブ since 1999』(ポニーキャニオン/MYCV-30990)。


▲提供:ポニーキャニオン

そんなノーキーの魂を込めてのベンチャーズ2018年日本公演、大いに期待したい。昨年のツアーで体調不良のジェリー・マギーの代役を務めたルーク・グリフィンが今年からは正式メンバーに抜擢された。ベンチャーズのパーソネルはこうなる…、
*リオン・テイラー…ドラムス
*ボブ・スポルディング…ギター
*イアン・スポルディング…ギター
*ルーク・グリフィン…ベース



そしてのニュー・ライン・アップで新作アルバム。『ヒア・ウイ・ゴー・アゲイン』(ポニーキャニオン/MYCV-30659)を完成させたのだ。この作品は2枚組で、ディスク1が新編成ベンチャーズによるニュー・レコーディング。そしてディスク2の方が既発売音源によるベンチャーズ・スタンダード22曲が収められている。


▲提供:ポニーキャニオン

ベンチャーズに来日直前インタビューを敢行した。Check it out!!

◆リオン・テイラー



Q : 97年からベンチャーズの一員でもう20年以上が経ちます。メンバーの中で一番の古株ですが、ベンチャーズというグループを受け継ぎ、そして未来へと伝えていく役目を担っている中心人物として、改めてベンチャーズの凄いところ、魅力などをじっくりと語ってください。

A : ベンチャーズに正式に入ったのは96年だったので、22年前だね。翌年が初めての日本ツアーだった。そう、今のメンバーの中では僕が一番長く活動していることになるかな!でも一番年寄りではないよ!(笑い)。ベンチャーズを前進させていくことは僕がいつも考えていることだよ。今はルークとイアンという若いメンバーも加わり、新しいエネルギーを貰っている。若い世代にも興味を持って貰えるように常に新しい楽曲を作ろうとしているよ。もちろん60年代や70年代からついて来てくれているファンの皆を忘れている訳ではないけれど、絶えず若い人たちにもっと僕らの音楽を聴いて興味を持って欲しいと思っている。そうすればベンチャーズを未来へと繋げることになるからね。

Q : ノーキー・エドワーズが亡くなりました、残念です。彼のギタリストとしての偉大なところ、そして魅力を語ってください。

A : とても素晴らしいミュージシャンであり、友をなくした事を本当に残念に思う。彼の演奏にはオリジナリティー溢れた優雅さがあった。あまりステージ上で動き回ることはなかったけれど、彼はその演奏で人々を完全に魅了することができたね。とても優しい人間だった。人のことを悪く言うことはなかったよ。いつもジョークを言っていた。明るく、楽しく、優しい人だったよ。本当に寂しくなるね。

Q : ノーキーと一緒にステージに立って、ドラム台へ伝わってくるグルーヴ感、ギターの音色、そして彼のギターテクニック。いろいろな思い出があるかと思います。じっくりと語ってください。ツアー中のエピソードなども憶えていますか。

A : 彼と共に演奏するのはとても楽だった。彼はいつもテンポやグルーヴに忠実だった。素晴らしいミュージシャンだったからね。思い出というか、一つ憶えているのは、冬のツアー中に彼は体調が悪かったことがあった。インフルエンザか、お腹の風邪か何かで。それでも彼は何事もなかったかのようにステージに立ちショーをこなしていたよ。THE SHOW MUST GO ONと言いながらね。



Q : イアンがー昨年からニュー・メンバーに抜てきされました。彼の演奏ぶりはいかがですか。

A : イアンの加入はまさに正解だったね。彼はマルチプレイヤーでベース、ギターやキーボードも演奏できる。彼のベース・プレイはボブ・ボーグルにそっくりだね。真似ることは簡単ではない演奏スタイルだよ。今度彼はリズム・ギターに転向となってドン・ウィルソンのパートを引き継ぐことになった」。これもかなり真似るのは難しいスタイルだと思うけど、とても上手くやってくれているよ。彼は僕らのグループにぴったりな存在だったんだ。

Q : 昨年ジェリー・マギーの代役として頑張ってくれたルーク・グリフィン、今ツアーからは正式メンバーになりました。彼のベースマンとしての演奏ぶりはいかがですか。先輩としてのアドバイスもお願いします。

A : 去年、彼は僕らを救ってくれた。ジェリーが倒れ、その瞬間、彼はアメリカで行なっていた全てを投げ捨て日本へ飛んで来てくれた。アメリカでは彼を含めたラインアップでツアーをしているからもちろんその演奏ぶりは昔から知っている。素晴らしいプレイヤーだよ。やはりボブ・ボーグルを意識してくれているからか、スタイルはそっくりだよ。性格も本当に素晴らしい人間だし、物凄くパワーがあり、タフな奴だよ。日本ツアーに加わってくれることを嬉しく思う。僕からのアドバイスは、イアンの時に言ったことと同じかな。とにかく日本は美しい国であり、人も文化も素晴らしいから存分に楽しんで欲しいね。ただ、休める時は確実に体を休めるべきだね。過酷なスケジュールだから本当気を付けなければいけないよ。時には本当に辛いこともあるからね…。

Q : 『ヒア・ウイ・ゴー・アゲイン』、ニュー・レコーディング14曲を聴かせてもらいました。本当に素晴らしい。アルバムについて語ってください。

A : アルバム・タイトルである“HERE WE GO AGAIN”はベンチャーズが前へ向かって進む姿を現している。このグループは長年再編成を繰り返し進んで来た。音楽的に変わったり、メンバーが変わったり。今回はもちろんメンバーの変更。新しいメンバー、新しい曲、新しいイメージに新しいパワーだね。今回のCDは8曲も新曲が含まれているよ。8曲もの新曲が出せることはとてもレアなので本当に嬉しく思う。

Q : ミスター・ドン・ウィルソンの近況も教えてください。

A : ドンは元気にやっているよ!もちろんバンドの活動にも携わり続けているし。今回のアルバムのミキシングにも貢献しているよ。



◆ボブ・スポルディング



Q : 『ヒア・ウイ・ゴー・アゲイン』聴かせて貰いました。今度のツアーでは何曲位披露してくれますか?アルバム制作の経緯を教えてください。
A : 今回の新譜からは5~6曲演奏する予定だよ。「ヒア・ウイ・ゴー・アゲイン!」「ミスター・モト」「バイーヤ・デ・ロサンゼルス」「ナイト・イン・Fマイナー」「リメンバー・ノーキー:サーフ・ライダー~ブルーバード~オレンジ・ファイアー」…。昨年、新しいラインアップで6曲をレコーディングした時にポニーキャニオンがリリースする意向を持ってくれたんだ。それに8曲のカバー曲やオリジナルを加えた。

Q : ここで全14曲、簡単で構いませんので各曲セルフ・ライナーノートをお願いしたいのですが。まずは「ナイト・イン・Fマイナー」。

A : ショパンの楽曲だね。映画の中で聴いて、iTUNESから入手したんだ。ベンチャーズの60年代サウンドにクラシックを融合させたイメージかな。

Q : 「バイーヤ・デ・ロサンゼルス」、イアンとの共作。いつ頃に作ったんですか。

A : イアンが2015~16年頃に書いた楽曲だよ。一度メンバー皆に聴いいてもらったら好評だったんで、4人で完成させたんだ。アレンジはほぼイアン。ロサンゼルスの湾という意味のタイトルもイアンが付けた。

Q : 「京都の雨」は貴方の書き下ろしたジャパニーズ・ソング。何時どんなことがきっかけでこの作品が生まれたんですか。日本人歌手に歌わせる予定は?!

A : 今年1月、僕が70~80年代にレコーディングした音源、古いアナログ・テープを漁っていたんだ。その中からこれを見つけてアレンジし直したんだ。「イヴニング・シャドウズ」と「ファイアー・ライツ」と一緒にね。まだ誰に歌ってもらうかなんて大それたプランはないよ。

Q : 「黒い瞳」、これはジャズ・アーティストも取り上げているロシア民謡ですが…。

A : これは東ヨーロッパで知られている歌曲。以前ベンチャーズでレコーディングしてこともあるんだけど、チェット・アトキンスのヴァージョンだったかな?今回はルークが僕のサポートでリードを弾いてくれている。

Q : 貴方のオリジナルで「ブルー・スカイ」。どこの青い空をイメージして作品が生まれたんですか。どことなく日本調のメロディー展開?!

A : これは2年前に日本向けに作った楽曲。「涙のギター」と比較する形でメジャー・キーを使って作ったんだ。

Q : エキサイティングなイントロで始まる豪快なナンバー「インフィニット・モンキー」。ベンチャーズ・サウンド!ですね。

A : これは興味深い曲だと思うよ。コンテンポラリーなオリジナル・レコーディングをキープしつつ、ベンチャーズらしさを出そうとしたんだ。アルバム『ベンチャーズ宇宙へ行く』に登場しそうでしょう。

Q : 貴方とドン・ウィルソンの共作「イヴニング・シャドウズ」。

A : 前述したように古いテープから出てきた曲だよ。その昔にドン・ウィルソン、ボブ・ボーグル、メル・テイラーと僕でやっていたプロジェクトからの曲だ。シタールに合うメロディーだと思う。

Q : 「ファイアー・ライツ」は実にメロディアスのいかにも貴方らしい作品ですね。

A : 同じく古いテープからの曲。確か「ブルー・ドーン」関連で書いた曲だったと思うよ。

Q : 「ミスター・モト」はサーフ・ギターのポール・ジョンソンの60年代初期の名作!

A : 前からファンに「ステージで演奏する曲の入ったニュー・アルバムが欲しい」と言われていた。今回はこの曲をショーで奏りたかったので、新作に収録したんだ。

Q : そして「インスタント・ギターズ」。

A : ボブ・ボーグル、ドン・ウィルソン、ノーキー・エドワーズの共作。

Q : ノーキーに捧げる「リメンバー・ノーキー:サーフ・ライダー~ブルーバード~オレンジ・ファイアー」。

A : 僕は長年ノーキーのサブとしてリードを弾いてきた。ベンチャーズのジャパン・ウィンター・ツアー2005に同行した時に初めて彼とステージで演奏することが出来たんだ。とても光栄なこと、そして何かを成し遂げた瞬間だった。彼はとても優れたミュージシャンであり、優しい人だった。僕に「ウォーク・ドント・ラン」や「星への旅路」などでリードを弾かせてくれたんだ。彼はベースを弾き、ステージ中央に僕を立たせてくれた、なんの競争心もなかった。今回ポニーキャニオンからノーキーの為のメドレーを作って欲しいとオファーがあり、これらの曲をチョイス。今年のツアーで上手く演奏できるよう努力する。

Q : 「エイント・ミスビヘイブン」はファッツ・ウォーラーの29年の名作。こうしたジャズ・ナンバーを取り上げたのはどなたのアイディアですか?素晴らしい出来栄えです。

A : アメリカン・スタンダードをコンセプトにしたアルバム作りも検討していたんだ。イアンがこのアイディアをとても気に入り、6~7曲ほどレコーディングした。中でもこの「エイント・ミスビヘイブン」を皆が気に入ったんだ。

Q:ビートルズ・ナンバー「アンド・アイ・ラヴ・ハー」、初期のラヴ・バラード。どんな経緯でカバーしたのですか?

A : 最近オースティンでジャズ・トリオとして演奏する機会が何度かあったんだ。そのプロジェクトでこの曲を演奏した時に、とても良いインスト曲になるとわかり、今回の為にアレンジをし直したんだ。パーカッションやバンジョーなども入れ、とても良い出来になったと思うよ。

Q : そしてアルバム・タイトル・ナンバー。サア4人で新たにベンチャーズをやっていくぞという意気込みが感じられる素晴らしいベンチャーズ・サウンド。日本ツアーのオープニング・ナンバーにしてください!

A : これも昔のテープから出てきた曲なんだ。その時のタイトルなどは不明だけど、良い曲だったのでまたアレンジを加えてみた。アルバム・タイトルも考えていた時に、この曲と合致して決めたんだ。

Q : 昨年ジェリーの代役として頑張ってくれたルーク・グリフィン、今ツアーからは正式メンバーになりました。彼のベースマンとしての演奏ぶりはいかがですか。



A : ルークはテキサスの“サウス・バウンドドライヴ(SOUTH BOUNDDRIVE)”というグループに属していた。その頃にイアンと知り合い、友人となったようだ。グループのメンバーが近い将来変わるということになった時のために、彼にベンチャーズに興味があるかと聞いた。彼はベンチャーズをいつでもサポートしてくれることを了承。4年前のことだ。ルークは両親からの影響でベンチャーズを知っていた世代だった。そこから彼と僕らの練習の日々が始まったんだ。僕とイアンとでルークにベンチャーズの音楽やベンチャーズらしいベースの弾き方を教えていった。その後リオンと知り合い、16年に初めてこのメンバーでショーを行った。ドンの了承を得てルークはツアーのスタンバイ・メンバーとなったんだ。17年はジェリーにとって最後のツアーになる予定だった。残念ながら彼はツアー後半で倒れてしまった。ルークは連絡を受けてわずか24時間ほどで福岡に着陸してくれた。そこからツアーの終わりまでジェリーの代わりを務めてくれたよ。今年はジェリーに代わり、正式なツアー・メンバーとして迎え入れることが出来て嬉しい。



◆イアン・スポルディング



Q : ベンチャーズの一員としてもうすっかり落ち着いたというか、慣れましたか。

A : もう3度目のツアーだなんて信じられないね。ベンチャーズと一緒に育った僕としては16年にジェリー、リオン、ボブと共にステージへ出て行くことに何の違和感もなかったんだ。それを2年間やってきて、
段々と落ち着いた気持ちの中で演奏をしている。

Q : 父親と同じグループに所属し、一緒のステージに立つ、素晴らしいことです。どんな感想をお持ちですか。

A : ええ、とても素晴らしいこと。でも僕はステージ上のボブ・スポルディングというミュージシャンと父という人間を切り離して考えるようにしている。ボブはとても素晴らしいミュージシャンで、彼自身も他のメンバーを向上させてくれる。たまにステージ上で父であることを認識してしまい、一人でニヤニヤすることもあるよ。



Q : ニュー・レコーディング・アルバム『ヒア・ウイ・ゴー・アゲイン』について語ってください。

A : バンド・メンバーはもちろん、このアルバムに携わってくれた人々全員がこのアルバムの出来栄えに満足していると思うよ。曲を書くこともレコーディングも、皆本当に努力した。夏のツアーでニュー・アルバムからの曲を演奏するのが待ちきれない。

Q : アルバムの中に「バイーヤ・デ・ロサンゼルス
」が収録されています。このナンバーは親父さんとの共作。この楽曲が完成するまでの経緯を教えてください。

A : この曲は僕にとって特別なんだ。アルバムの為の曲をいくつか作っていた中の一つだね。最初はあまり上手く行かない気がしていたんだけど、ボブがリード用にとても綺麗なメロディーを書いてくれたんだ。本当の意味で僕たちの曲だね。とても嬉しかった。

Q : 昨年ジェリーの代役として頑張ってくれたルーク・グリフィン、今ツアーからは正式メンバーになりました。彼のベースマンとしての演奏ぶりはいかがですか。先輩としてのアドバイスもお願いします。

A : ルーク・グリフィンは僕が知る中で間違いなくベストなベース・プレイヤーだ。彼は本当に楽器の為の奏者だね。真似事でなく自分の気持ちやソウルを確実にその楽器で表現できるプレイヤー、楽しくなっちゃう。アドバイス?仕事は一生懸命やり、全てを楽しむこと!後は全て付いてくるよ。

Q :日本の文化、食事などはもう慣れましたか。日本の好きなところ、好きな日本食などを教えてください。

A :日本が大好き!日本を旅することが本当に楽しみ。文化に触れ、良き友人が沢山出来ました。食べ物も大好きです。セブンイレブンのタマゴサンドから高級寿司まで、全て大好きです。ファンの皆さんは本当に優しく、その方々の前で演奏できることはとても嬉しい。本当に光栄、皆さんに感謝!夢って実現するんですね!



◆ルーク・グリフィン



Q : 去年ジェリー・マギーの代役で急きょベンチャーズの日本公演をサポートすることになりました。その経緯を教えてください。

A : ある日の夕方、家にいたらイアンから電話があり、ジェリーが救急車で運ばれ、ベンチャーズのツアーを最後まで終了させるために日本に来てもらうかもしれないと言われた。その後、今度はボブから電話があり、いつ飛行機に乗れるかい?電話から12時間後には飛行機に乗り、36時間後にはステージ上にいたんだ。物凄く緊張したし、何よりお客は僕ではなくジェリーを見に来ているはずなので、どのような反応をされるかが怖かった。でも皆さんにとても暖かく迎えてくれ、本当に感激した。

Q : 以前からベンチャーズというグループを聴いたり、知ってたりしたんですか。

A : 僕のベンチャーズとの交流は2013年にアルバム『サウンズ・オブ・サマー』と『GO! GO! BEST +』の作業を手伝わせてもらった時から。

Q : そしていよいよ今年からはベンチャーズのメンバーになりました。現在の率直なお気持ちを聞かせてください。

A : 物凄く光栄なこと。ベンチャーズの音楽とその歴史はロック史では伝説に近い。その一員となれるなんて未だに信じられない。間違いなく僕の人生の中で一番のハイライトなのだ。



Q : メンバーとしての初仕事がアルバム・レコーディング。『ヒア・ウイ・ゴー・アゲイン』ついて語ってください。

A : ベンチャーズの原点と言えるサウンドを聴けると思う。今年の夏にこのアルバムの中の曲を演奏できるのが楽しみ。もちろん昔のヒットを演奏できることも同じくらい楽しみ。

Q :日本ツアーに向けてのリハーサルはいかがですか。

A : とっても良い感じでスムースに進んでいるよ。演奏予定の曲をリストにして練習している。今はショー全体を組み立てている。皆自信を持って取り組んでいる、全てのショーで精一杯演奏、なのだ!

Q : 貴方の音楽背景を教えてください。

A : 母方の家族にミュージシャンが多かった。小さい頃、よくパーティーなどで4~5人が円になってギターを弾き歌っていたのを憶えている。たびたびそれにジョインさせてもらっていた。11歳の時にギターを買ってもらい、数年後にベースに転向した。それから古いソウルやR&Bを聴き始めた。ネイザン・ワッツ、ジェリー・ジェモット、ドナルド“ダック”ダン、ジェームス・ジェマーソン。彼らは音楽の世界に大きく貢献し、かつ謙虚な姿勢を保ち、スポットライトを奪い合うようなことは決してしなかった。ベンチャーズ前はオースティンでサウスバウンド・ドライヴドというバンドに在籍。『AGNES』というアルバムをリリース、プロモーションの為にツアーもした。その他スタジオ・ワークやレコーディング作業なども我が家の小さいスタジオで行なっていた。

Q : ベンチャーズの一員としての今後の抱負、意気込みをお聞かせ下さい。

A : 昨年の夏にベンチャーズとはどんな存在かということを少し知る機会を得た。そして今年はサブではなく、メンバーだと名乗れることを嬉しく思う。これは夢の実現でもあるのだ。日本への出発までの日数を毎日数えているよ。世界一のベンチャーズ・ファンの為に演奏できることを楽しみにしている。新しい編成のベンチャーズの演奏を気に入ってくれると信じている。日本でお会いしましょう!



*ライヴ・ショット=撮影:吉浜弘之  提供:M&Iカンパニー

【ベンチャーズ関連イベント】
●Mike's Garage Vol.3
~トーク・バトル~
「青春デンデケデケデケ
 追悼ノーキー・エドワーズ
そしてこの夏も全国でエレキ大旋風
ザ・ベンチャーズ来日!」

ナビゲーター:Mike Koshitani(ベンチャーズMCしたことがあるのだ)
ゲスト:芦原すなお(小説家 直木賞受賞&映画化『青春デンデケデケデケ』は傑作だ)

日時:6月30日(土曜) 
Open : 15:00
Start: 16:00
テーブルチャージ¥400(+要ワンオーダー)
お食事もございます
会場:ROCK CAFE LOFT
http://www.loft-prj.co.jp/rockcafe/
新宿区歌舞伎町1-28-5
TEL:03-6233-9606
(西武新宿駅から徒歩1~2分)

http://www.loft-prj.co.jp/schedule/rockcafe/87007

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