【インタビュー】10-FEET、<京都大作戦>を語る「楽しく、笑いもあり、感動もあり、全力で」

ツイート

10-FEETが6月27日、“京都大作戦史上初の単独映像作品”としてDVD/Blu-ray『京都大作戦2007-2017 10th ANNIVERSARY! 〜心ゆくまでご覧な祭〜』をリリースする。同作品は<京都大作戦>の10年間をまとめたものだ。2007年から2016年までのドキュメント中心で構成した約4時間2分の『京都大作戦2007-2016 〜心ゆくまでご覧な祭〜』、2017年の3DAYSライブ模様中心で構成した約4時間14分の『京都大作戦2017 LIVE 〜心ゆくまでご覧な祭〜』といった両映像作品をパッケージした『京都大作戦2007-2017 10th ANNIVERSARY! 〜心ゆくまでご覧な祭〜』は、計8時間16分にわたる特大ボリュームとなる。

◆『京都大作戦2007-2017 10th ANNIVERSARY! 〜心ゆくまでご覧な祭〜』トレーラー

“アーティスト主催フェスの代表格” “「出たい」とアーティスト自身が憧れるフェス” “チケットは毎年SOLD OUT”とアーティストからもファンからも信頼される<京都大作戦>がいかに育まれてきたのか。数々のもドラマも、すべてを伝説として熱く強く刻み込んできた<京都大作戦>について、その10年間を封じ込めた『京都大作戦2007-2017 10th ANNIVERSARY! 〜心ゆくまでご覧な祭〜』をもとに話を訊いた。もちろん、開催間近の<京都大作戦2018〜去年は雷雨でごめんな祭〜>の予感も語ってくれたロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■全てを出さなあかんなって気持ち
■毎年、試されていると思ってます──KOUICHI

──<京都大作戦>の10年分をまとめた映像作品『京都大作戦2007-2017 10th ANNIVERSARY!〜心ゆくまでご覧な祭〜』が完成しました。映像のなかでも語っていますが、10-FEET結成10周年を記念して2007年に<京都大作戦>の開催を決めました。しかし台風で中止となり、幻の1回目になりました。ただ、中止になっていなかったら、2007年の1回で<京都大作戦>は終わっていたかもしれないと。しかし、その雪辱を果たすために2008年に開催し、今では恒例行事としてずっと続けています。それぞれにとっての<京都大作戦>は?

TAKUMA:うん…。

──僕にとってはね〜。

TAKUMA:はい!? 言うんかい(笑)! あのね、<京都大作戦>がバンドの考え方に影響を与えてるとこはあるんやろうなって、振り返ったらすごい思いますね。<京都大作戦>に合わせてライブをとか、楽曲をとかはないんですけど。ライブハウスで対バン形式で活動してきて、そこで何かを得て、対バン相手のライブを観て、打ち上げで話もして、少しずつ感化されるものをもらったり。また、そういう活動によって、一番、自分らの現状が分かるというか。今、自分らはどういうことやっているのか、どういう気持ちでやっているのか、この先どうやって考えていくべきか、ライブハウス・シーンや仲間から影響をすごくもらってきたのが基本やったんです。それが<京都大作戦>という、1年に1回なんですけど、お互いにこの1年をどう過ごしてきたんかなって見せ合うような場でもあると思うし。

──なるほど。

TAKUMA:また、ライブだけやればいいってことでもなく、主催者としてライブやること以外も考えながら、普段のライブハウスではできない経験もできるようになって、感覚や視野などもすごい広がったと思うんですよ。そういう意味では活動全体に影響を与えていると思うんです。感動も驚きも、あとしんどいことも悩むことも困ることもたくさんあったから。音楽やライブはもちろん、ライブ以外のことでも、自分たちをより発揮しなきゃいけない場で。それがすごく経験値にもなっている気がしますね。

KOUICHI:湘南乃風の若旦那が「この<京都大作戦>は、1年間、自分らが何をやってきたかが試される場所」と言ってたけど、僕らにとってもそれは同じで。1年の活動内容とか、ライブに対する思いとか、そういうものの集大成じゃないけど、全てを出さなあかんなって気持ちは常にありますね。ただ楽しいってだけじゃなくて、より意識を高く持ってやっているところあります。

──<京都大作戦>でおなじみのKOUICHI先生による締めの笑いも、磨きを掛けなきゃいけないとか?

KOUICHI:そう! 毎年、試されていると思ってます(笑)。

▲TAKUMA (Vo&G)

──年齢的に、がむしゃらな20代を過ぎたころに<京都大作戦>が始まったんですよね?

TAKUMA:そうです、30〜31歳ぐらいのときの構想で始まったものなんで。

NAOKI:最初は結成10周年を記念して、何かできればっていう案のひとつが野外フェスってもので。地元の野外でフェスみたいな規模でやりたい、みたいな。それが徐々に実現に向けて形になっていったけど、続けていくって頭はなかったんです。結成10年の2007年に、1回、アニバーサリー・イベントをやりたいみたいな感じだったから。それが台風で中止だったじゃないですか。あの時点で翌年やるかどうかも、正直、頭になかった。中止で残念だったね…、で終わるんやろうなって。でもリベンジ的な感じで翌年にやろうよってことになって、2007年の中止の分と、2008年の分ということで、2デイズで開催したんですよね。無事にやりきることができたとき、そこで完結した感があったんですよ。リベンジも果たしたし、当時は今みたいに野外フェスはそんなにたくさんなかったので、余計、続ける頭もなかったんです。

──ところが、ですよ。

NAOKI:はい。出演してくれた周りのアーティストが「来年もやるんでしょ?」とか「来年も呼んでな」とか、当然のような顔をして言ってくれるんです(笑)。最初は違和感あったんですよ。来年もやるということをイメージできなかったんで。その数カ月後、こんなにみんなが言ってくれているってことで、来年もやろうやって。そこから止まらなくなったというか(笑)。その後は若いアーティストからも「大作戦に出たい」とか、少しずつ大作戦の名前も広がっているのが肌で感じて。そうなることによって昔より責任感も強くなった気がしますね。

──続けることが決まったのは、ある種、観に来たお客さんや出演アーティストたちからケツを蹴り上げられたような?

NAOKI:そうですね、うん。ほんとに2009年もやるってことは、2008年の<京都大作戦>が終わった段階で頭になかったんで。こんなに続くとは予想もできてなかったですね。

▲Blu-ray / DVD『京都大作戦2007-2017 10th ANNIVERSARY! 〜心ゆくまでご覧な祭〜』

──いやいや、10-FEETの意志や血の通ったフェスであることは、あの場に行けば感じますよ。すごく居心地がいい。この場所には毎年、来たいと思うんです。

NAOKI:僕らも、好きなアーティストばかり呼んでいるんで、メッチャ居心地いいです。

──そのラインナップを決めるのが、一番大変なことでしょう?

KOUICHI:その話し合いはいつもやっていて、出てほしいアーティストはいっぱいいますね、もっともっと。だから決めるのは毎年難しいです。

──それで呼ばれなかったことを、SiMが熱いMCで語って。その模様ももちろん収録されています。

NAOKI:あれは感動しましたね。強い思いをすごく感じました。

──だからアーティストにとっても、この<京都大作戦>に呼ばれないと、まだ俺たちはダメなのかという判断基準にもなっているんでしょう。

KOUICHI:嬉しいですけどね、そう思ってもらえる場所になっているのは。

◆インタビュー(2)へ
この記事をツイート

この記事の関連情報