【インタビュー】チープ・トリック「いつも通りにロックできている」

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6月某日、全米ツアーで各地を飛び回っていたチープ・トリックのギタリスト、リック・ニールセンが急遽、電話インタビューに応えてくれた。4月25日に予定されていた彼らの日本武道館公演は、残念ながらそのリック自身の急病により延期措置となり、この10月にZEPP TOKYOでの振替公演が実施されることになったわけだが、まずは何よりも彼の体調が気になるところ。電話の向こうの彼は例によって元気いっぱいで舌好調なのだが、さっそくそのことから聞いてみることにしよう。

◆チープ・トリック画像

――4月に予定されていた武道館公演は、あなたの体調不良を理由に延期されました。数ヵ月間は国外渡航が不可能な状態にある、と報じられてとても驚かされたものです。一体あなたに何が起きていたんでしょうか?

リック:俺は生まれてこのかた、病気らしい病気になったことなんてなかった。たまに風邪をひくくらいで、大病をした経験なんて一度もない。ただ、今年の2月頃、こっちでは悪性のウィルス性疾患が流行っていてね。ある日、フェニックスに飛ばなきゃいけなかったんだけども、俺も用心のために日本のみんなのようにマスクを着用して飛行機に乗り込むことにしたんだ。ところが、暑がりの俺はいつも飛行機に乗ると暑いと感じるはずなのに、その時は着ていたパーカを脱ぐこともなく、マスクもしたままだった。しかも目的地に到着しても暑さを全然感じなかったんだ。そこで同行していた妻に「気分がすぐれない」と言って、彼女からツアー・マネージャーにそれを伝えてもらい、ライヴ会場に医者を呼んで診てもらったところ「今日の演奏は無理です」と言われてしまってね。俺は「いや、ライヴは絶対にやるし、それを終えたら帰るつもりだ」と答えたんだ。実際、終演後に深夜便を使って戻るつもりでいたからね。ところが医者からは「駄目です!」と釘を刺され、俺はそのまま救急病院に連れていかれることになった。熱が40度もあったよ。肺炎だって言われた。

――それは大変でしたね。今は全快していると聞いていますが、もう体調は大丈夫ですか?


リック:おかげさまで元気にやってる。でもホントに助かったよ。なにしろ同じ症状で命を落とす人もいたらしいからね。で、俺はそのまま8日間も入院する羽目になってしまった。これまで1日たりとも入院なんてしたことなかったのに。でもまあ、ちゃんと病院で医者のいうことを聞き、回復し、しっかり休養をとらせてもらった。そのおかげで今、またいつも通りにロックできているよ。昔と同じようにね。

――10月、改めての東京公演が決まりました。残念ながら武道館での振替公演は叶いませんが、会場はチープ・トリックが過去にプレイしたことがないZEPP TOKYO。長きにわたりライヴ活動をずっと続けてきたあなた方が、アニヴァーサリー公演を初めての会場で行なうというのは、なんだかとても素敵なことだと思えます。

リック:なかなかいいね。俺が聞いたところ、武道館は改修工事に入ってしまうんだって? それでなかなか空いている日がないそうじゃないか。武道館でやれないのは残念ではあるけど、日程的に折り合いがつかないんであれば、それは仕方がないよな。ただ、そもそも俺たちがやろうとしてたのは40周年記念のライヴだったわけで…。

――武道館で実施できればそれに越したことはないけども、それがマストな条件ではない、ということですよね?

リック:うん。考えてみれば、俺はこれまでのキャリアを通じて一度もライヴをキャンセルしたことなんてなかったし、入院だってしたことがなかった。本当に今回は俺自身にとって、初めてのことだらけだったんだ。今回のライヴを武道館でやれないのは悲しいことではあるけども、おかげさまで今年の俺たちはものすごく忙しい。今やっているポイズンとのツアーが2ヵ月続いた後は、フォリナーやデフ・レパードと一緒に野球場を巡演する。その後はジョーン・ジェットとのライヴが数本あって、レーナード・スキナードのファイナル・ツアーにも参加する。さらに日本公演後の11月は、丸1ヵ月にわたってディープ・パープルとメキシコに行くし、12月になればふたたびデフ・レパードと一緒にアイルランドとイギリスを回ることになっているんだ。日本公演の直後にも、オーストラリアでの公演が6本ほど入ってる。なかなかのもんだろ?

――いやあ、本当によく働きますね。


リック:まあな。ツアーをするか、曲を作るか。そのどちらかしかすべきことはないから。だから実は、すでに次のアルバム用の曲もかなりできあがってきてるんだ。休養中も新曲を作ってたからな。医者からはあんまり動いちゃいけないと言われてたけども、頭を使っちゃいけないとは言われなかったから(笑)。

――実にあなたらしい話です。ところでここ数年の間に、あなた方はロックンロールの殿堂入りを果たしたり、地元のロックフォードで4月1日が“チープ・トリックの日”に制定されたり、めでたい出来事がいくつか続いてきました。

リック:それ、ロックフォードだけじゃなくて、イリノイ州全体の話だからな!

――失礼しました! 過去、数々のそうした栄誉に輝いてきたあなた方ですが、あなたがこれまでの音楽人生のなかでいちばん嬉しかったこと、名誉に思えた出来事は何でしたか?

リック:過去最高の感銘を受けたのは、1978年に初めて日本に行った時じゃないかな。別に話し相手がキミだからこんなふうに言ってるわけじゃないんだ。あの時、俺たちは日本で、バンドとして初めてのゴールド・ディスクを贈呈された。初めて訪れた国で、国中が自分たちを歓迎してくれるなんて夢にも思ってなかった。信じられなかったよ。俺たちに夢中になってくれた最初の場所が日本だったのさ。それまでも当然ファンはいたけど、あれだけの規模での熱狂というものを体験したことはなかった。最高だったよ! 俺には今では子供だけじゃなく孫までいるけど、これまで自分は幸せな人生を送ってきたと心から思える。人生を最高のものにするのも駄目にするのも自分次第だってこともわかっている。もっと死に物狂いでやれば良かった、あの時こうしてれば良かった、と思うことだってある。でも、金が自分の動機になったことは一度もない。俺はラッキーだったと思うよ。


――あなたには、まだまだこの先も最高の音楽人生を続けていただかないと。さて、10月の日本公演の話に戻ります。今回のスペシャルな公演のために、何か特別な演奏内容を考えていたりするのでしょうか? 我々はどんなショウを期待していたらいいでしょう?

リック:うーん。それは俺にもわからないよ。当初4月にやる予定だった時は、ちょうど『at武道館 』と『天国の罠』の40周年ということで、それにちなんだことを考えてはいたんだ。それをそのままやるかどうするかは、これから考えるよ。確実に言えるのは、当初考えていたよりも、さらにいいものになるってことだ。とはいえ、俺たちはあくまでチープ・トリックだ。だからチープ・トリックのライヴを期待しててくれ。俺たちは、自分たちにできないこと、やる筋合いのないことを無理にやろうとは思わない。ずっとそうやって続けてきた。チープ・トリックは基本的にガレージ・バンドなんだ。ただ、ちょっと大きめのガレージで演奏してるっていうだけのことさ。


――そんな“巨大なガレージ・バンド”ならではのライヴを楽しみにしています。最後にもうひとつ。今回初めてチープ・トリックを観ることになる人達は、どんな予習をしておいたらいいと思いますか?

リック:うわぁ、それは難しい質問だな。ただ、さっきも言ったように今年の俺たちはずっと世界のどこかをツアーしている。俺たちが日本に行く前に、どこかの国に観に来るってのもアリなんじゃないの(笑)? いや、それはともかく、心配をかけて悪かった。みんなと再会できることを楽しみにしているよ!




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<チープ・トリック来日公演>

2018年10月11日 (木) Zepp Tokyo
開場 18:00 / 開演19:00
SOLD OUT 2F指定席: \15,000 / 1Fスタンディング: \8,000(税込・ドリンク代別)
※2F指定席: 4歳以上チケット必要 / 1Fスタンディング: 未就学児入場不可
◆チープ・トリック来日公演オフィシャルサイト
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