【レポート】朝倉さや、充実のデビュー5周年ツアーへ「ますます伝説化していけるように頑張っていきます」

朝倉さやのデビュー5周年ツアー＜リアルカントリーロードツアー2018「ムーンストーンで朝倉を」＞が6月29日(金)の東京キネマ倶楽部よりスタートしている。

◆朝倉さや 写真

自身の誕生日をツアー初日に据え、さらに同日にニューアルバム『サウルスティラノ』をリリースした朝倉さや。この日は満員となった会場でファンに迎えられ、フルバンド構成のステージでニューアルバムからの楽曲を中心にデビューからの5年を振り返る多様な楽曲群を披露した。おりしも日程自体も例年より早い梅雨明け日となり、“さやパワー”とも“サウルスティラノパワー”ともつかぬ不思議な縁に会場も上機嫌だ。


『サウルスティラノ』は朝倉さやのポップセンスが光るオリジナル曲のほか、現代音楽と民謡をハイレベルに融合させたFuture Traxも見どころの一枚。朝倉が日本レコード大賞企画賞を受賞するところまで彼女を育て上げた音楽プロデューサー・Solaya氏が癌治療のため本作限りで朝倉とのタッグを退くこともあり、音やパッケージの細部に至るまで特別な思い入れのこもった一作となった。ツアー初日のこの日、Solaya氏はベーシストとしてバンドに参加。巧みなアクトで朝倉さやとの共演を果たしている。

「朝倉さや、5周年を迎えました！　みなさまおかげさまのおかげさまのおかげさまです。そして本日は、わたくし朝倉さやの誕生日、さらに『サウルスティラノ』のリリース日でございます。感謝の気持ちをこめて歌っていきたいと思います」

歌手としての初心を忘れない「東京」。観客とのやりとりもアットホームだ。「初めて私が山形弁でカバーした曲って何だか知ってます？　……5人くらい知ってるけど言えないっていう顔をしている」という朝倉のトークに会場からは温かい笑い声が湧き、正解の「タッチ」山形弁バージョンへ。「東京へ出てきたときは、本当に“歌手になりたい！”って思いしかなくて」と当時の状況を語りつつ現Solayaレーベルとの出会いを振り返る。『サウルスティラノ』からバンド隊の優しい生音とともに披露された「そのままの笑顔でいて」では、朝倉の伸びやかな歌声が感動的な空間を生み出していた。

フレンドリーな朝倉の呼びかけで、会場全体で山形民謡「花笠音頭」の掛け合いがとぶ。“昔の人と心がつながっているような気がして大好きな曲”と民謡を指して語り、純粋な民謡からアレンジまで自由闊達にセットリストに並べ歌い上げる彼女のライブは、何とも居心地がいい空気が流れる。ライブ時の衣装が実際に『サウルスティラノ』で着用したものであるという話になったときにも会場から嬉しそうな声がわいた。またCD『サウルスティラノ』の裏表紙の写真では、朝倉がデビューシングル「東京」のパッケージを手に握っているという裏話も。パッケージ制作にも携わったSolaya氏との細かなやりとりが手に取るように伝わってきた。

朝倉さや史上初めて“恋”を描いた歌詞を盛り込んだ「ねえ、ネッシー」など、『サウルスティラノ』から登場した新要素にも注目だ。しっとりとしたピアノの旋律にあわせ、ネッシーに呼びかけるユーモラスな歌詞が朝倉の優しい歌声にあわせて紡がれてゆく。

歌とトークで満たされた贅沢な時間のおわりに、朝倉さやからは会場のファンへ向け感謝の言葉が届けられた。「みんなの笑顔が見えて本当に幸せであります。20歳で上京して、今年26歳になります。2013年4月にデビューしてからいろんなところに行って、いろんな皆さんに出会って、いろんな歌を歌わせてもらいました。こんなに濃い6年間ってあるのかなって感じで、本当に充実して幸せな6年間であり、5周年になっています。本当にどうもありがとさまです。ここをスタートに歩んでいくんですけど。ここがスタートになって本当によかったなと思います。」

ますます伝説化していけるように頑張っていきます、と語り、アンコールでは自らの土台を確認するように、「おかえり-manzumamake-」をピアノと共に歌い上げた朝倉。ライブの最後には会場のファン全体から朝倉へとバースデーソングの合唱が贈られ、彼女を祝福する大きな拍手が沸き起こっていた。



朝倉さやによるニューアルバム『サウルスティラノ』をひっさげた＜リアルカントリーロードツアー2018「ムーンストーンで朝倉を」＞は、今後11月まで全国各地でのライブ開催が予定されている。




◆朝倉さやオフィシャルサイト