【インタビュー】浜田麻里、優美で高雅な精神性から誕生した『Gracia』

twitterツイート

浜田麻里が、デビュー35周年を迎えビクター復帰移籍第一弾となる通算26作目のオリジナルニューアルバム『Gracia』を8月1日にリリースする。

『Gracia(グラシア)』とは"Grace"の意を持つスペイン語系の言葉だ。“優美”という意味を携え、『Gracia』には浜田麻里の変わらぬ力強い意思と優優たる生き様、そしてどれだけキャリアを重ねてもなお新境地へ挑もうとする変わらぬ高雅な精神性に満ち満ちている。

◆浜田麻里映像&画像

『Gracia』でみせた挑戦とは?彼女が突き進む先には何が見えているのか、話を聞いた。


──デビュー35周年を迎え、『Gracia』はどんな作品になりましたか?

浜田麻里:手間もかけ、気持ちも込めて作ったアルバムで、自分としてはかなり手応えを感じていますし、人選も良かったかなと思っています。

──最高峰と思われた前作『Mission』から、また更に凄い作品が生まれましたね。

浜田麻里:はい、ずっと女ひとりでほぼ全てをやってきたので、そういう自分の誇りみたいな意思や意識が表れたらいいなと。タイトルもわりと早めに決まったんです。日本人としての高潔さを守りながら、色々なネガティブな状況に対する自分を打ち破って作り上げて行く、生きる上での姿勢が気品ある人格というか、そういうものなんじゃないかなと思って、『Gracia』となりました。

──参加ミュージシャンは、メタルファンにとって嬉しいラインナップですね。

浜田麻里:それぞれの曲をどんなミュージシャンに演っていただくか、思っていた通りにミュージシャンを選ばせていただきました。ポール・ギルバートに関しては、ビル(エンジニア:ビル・ドレッシャー)やグレッグ(・ビソネット)から連絡先を教えてもらったんです。マルコ・ミネマンやフィリップ・バイノーは私が連絡をしました。基本的に、私は自分で直接コンタクトを取って直接オファーをするんです。クリス・ブロデリックも彼のブログから直接連絡を入れたんですよ(笑)。マイケル・ロメオとクリス・インペリテリ、デレク・シェリニアンはビクターさんの窓口から一度連絡を入れていただいて、その後は直接やり取りをしました。

──『Gracia』の制作において、最も意識したのはどういう点ですか?

浜田麻里:今の自分でしか作れないもの/私にしか作れないもの、というものです。この35年間、世界のトップの方々と仕事をしてきた視点やノウハウを含め、私自身が凝縮されたものにしたかったんです。色々な人に参加してもらうことは誰でもできることですけど、本当に密にコラボする事…心を開いてもらって仕事をする事は自分の経験則によるところが凄く大きい。そういう意味でも、ここまで突っ込んでしっかり時間をかけてやっているのは私くらいしかいないんじゃないか、と。作っている間もずっとそう思っていましたし、だからこそできる音にしたかった。

──普通なら流してしまいそうな細かいポイントにも、全く妥協が見えないですよね。

浜田麻里:普通の人がどうかはわからないですけど、まぁ私は細かいと思います(笑)。自分で全部編集までもやりますから、ちょっとした疑問点があればすぐにやり取りをするので、細かくてうるさいと思います(笑)。

──浜田麻里のアルバムはいつも1曲目からキラーチューンが収録されていますが、今回も1曲目「Black Rain」がアルバムを象徴する作品でしょうか。

浜田麻里:「Black Rain」は、私の曲にしてはかなりのスピードチューンですよね。派手に聴こえますし、アレンジや曲を仕上げている時点で「核になる可能性があるな」と思っていました。ビクターの方と相談してまわりの意見も聞きつつ、最終的にパイロット曲になりました。

──アルバムのサウンド&プレイは超絶なものですが、それらが霞んでしまうほどのインパクトが浜田麻里の歌にはありますね。

浜田麻里:ありがとうございます。個性/実力のあるハイレベルなミュージシャンが、それぞれに強い光を放って1曲ずつ並んでいるんですけど、そのすごい人達のバラバラの個性を自分の曲として昇華させる事もプロデュースだと思ったので、最終的には自分の作品としてしっかりとしたものができたと思っています。

──“ゲスト・プレイヤーの名前で興味を引きつける作品ではない”ということですね。

浜田麻里:皆さん気軽に集まっていただいて、各自のやり方や意識とはなるべく同じ視野で同レベルでいようとしましたし、とても良い経験になりました。特に「Black Rain」や「Disruptor」あたりはリズムとテンポ感が非常に難しいので、基本の技量がありながらヘヴィ・メタルやハードなサウンドも普通にこなせる人となると、なかなか人選も難しいんです。グレッグ・ビソネットに加え、誰が一番良いかを考え、最終的にマルコ・ミネマンにして良かったです。そこがベーシックになりました。

──今作は、非常に高音域なボーカルの曲もたくさんありますね。

浜田麻里:そうなんです。特別気負ったわけではないんですけど、自分でメロディーを作っていますからどんどん広がってしまうんですよね…自分の首を締めてます(笑)。特にコーラスは考えずに自然にやっているのですが、自分に課す期待が大きいのかもしれません(笑)。

──サウンドはヘヴィですが、歌詞の世界はとても女性的ですね。


浜田麻里:私の歌詞は日記みたいな形ではないんですけど、その時の心情がやはり出てしまいますよね。書いて行く中で世界観ができていくんですけど、今回はダークめかな。もともとダークではありましたけど、2年ほど前から心に色々なザワつきがあったり環境の変化もあって、ちょっとうっぷんが溜まった時期もあったから、そういうところが出ているのかも。

──レーベル移籍もありましたし。

浜田麻里:以前のレコード会社のスタッフとも仲良しだったので、移籍はとても悩みました。でも、レコード会社だけじゃなくイベンターやマネージメント、ミュージシャンやバンドも一旦全てを解体して全部改革し、そこから自分にとって何が必要なのか、自分を求めてくれる環境はどういうところなのかを構築しようと思ったんです。今はまだその途中かな。

──それはどういう心境だったのでしょう。

浜田麻里:正直言うと、30周年のコンサートが終わり、自分の中である程度の充実感があって、ある意味の飽和状態だったんです。何か改革して行く為には、新しい風だったり冒険が必要かなと。


──『Gracia』のレコーディング自体は順調でしたか?

浜田麻里:エピソードはいろいろありますよ(笑)、2年弱くらいかけて行ったり来たりを繰り返したので。みんなすぐに気に入って下さって、曲を送ったらやりますと。マイケル・ロメオはもともとピアニストだったようで、彼からキーボードもやると言ってくれて、最初の印象から「合うな」と思いました、凄くきっちりされているけど伸びやかな方ですね。一番濃密にコラボしたのは、キーボードのジェフ・ボーヴァかな。オーケストラ・アレンジが凄いので感動しながらやっていました。それでも色々と文句を言いながら(笑)、「ここはこうして」とミックス終了のギリギリまでやっていました。マルコ(ミネマン)とは、個人的にも仲良くなれたのでMVにも出てもらったんです。

──「Black Rain」のMVが公開されましたが、ミュージックビデオを作るのは15年ぶりなんですよね?

浜田麻里:これは初回の特典としてビクターさんからアイディアをいただいたんです。確かに時間の余裕がなくてずっと作っていなかったですしね、良いアイディアだと思いました。

──『Aestetica』『Legenda』『Mission』は素晴らしいメタル3部作ですが、『Gracia』はメタルの完成形という立ち位置でしょうか。

浜田麻里:幅はありますけど、ハードなところはよりハードさを出せたらという思いで作りました。作曲陣にも新しい風を入れたいし、まだまだ色々と構想はあります。まだ未来の事は考えてないですけど、ツアーが終わって次のアルバムを作るその時の気持ちによると思います。とはいえ、ハードサイドは自分のアイデンティティでもありますから、そこから離れる事はないんじゃないかな。離れるならとっくに離れていたと思いますし(笑)、今なおヘヴィメタル・クイーンと呼ばれるならば、それを全うしたいですよね。

──アルバムを引っさげての35周年ツアーは、どんなものになりそうですか?

浜田麻里:新しいミュージシャンたちとどんなコラボになるか、ですね。会場がうまく取れなくて、ファンクラブの方も半分近く落選してしまっているみたいで…名古屋も大阪ももう少し大きな会場を考えていたんですけど。来年は武道館でできればいいなと思っています。

──カバーなどの企画は考えられますか?

浜田麻里:自分の作品としては全く考えていないですね。誰かのカバーアルバムを作るとかは興味ないんです。人と同じ事はしたくないですし(笑)、みんながやっているなら私はいいかなと。今までどおり、これからも自分で道を作っていく存在でいたい。何かをフォローするのではなく自分のやり方がフォローされるスタンスですね。

──なるほど、それが浜田麻里たる所以ですね。

浜田麻里:音楽的にも仕事をする人間としても、やる気にさせてくれるのは聴いて下さる方がいてこそですから、いつもありがたいと思っています。皆さんの支えのもとで、大変な日々を乗り越えて仕上げたアルバムなので、しっかりと聴いていただきたいです。

取材・文:Sweeet Rock / Aki
編集:BARKS編集部



浜田麻里『Gracia』

2018年8月1日発売
Produced & Directed by Mari Hamada
[通常盤]VICL-65011 3,000円+税
[初回限定盤]VIZL-1405 4,200円+税
※CD+ボーナス・トラック入CD+DVDの3枚組、スリーブケース入り
1.Black Rain
2.Disruptor
3.Orience
4.Zero
5.No More Heroes
6.Lost
7.Melancholia
8.Right On
9.Heart Of Grace
10.Dark Triad
11.Mangata
初回限定盤CD
1.Seventh Sense
初回限定盤DVD
1.「Black Rain」Music Video
2.Music Videoのメイキング

・Drums:グレッグ・ビソネット、マルコ・ミネマン
・Bass:リーランド・スクラー、ビリー・シーン、フィリップ・バイノー
・Guitar:マイケル・ランドウ、高崎晃、ポール・ギルバート、クリス・インペリテリ、マイケル・ロメオ、クリス・ブロデリック、増崎孝司
・Keyboards:ジェフ・ボーヴァ、デレク・シェリニアン、マイケル・ロメオ、増田隆宣、中尾昌史
・エンジニア:ビル・ドレッシャー

『Gracia』予約・購入者に先着で各オリジナル特典プレゼント
◆タワーレコード全国各店/タワーレコード オンライン限定特典
・ロゴコースター(A ver.)
◆HMV全国各店・HMV&BOOKS online限定特典
・ロゴコースター(B ver.)
◆Amazon.co.jp限定特典
・クリアファイル(A ver.)
◆Rakutenブックス限定特典
・クリアファイル(B ver.)
◆ディスクユニオン 各店/オンラインショップ
・ロゴ入りオリジナルボールペン
◆ディスクピア日本橋店限定特典
・J写ステッカー
※特典はなくなり次第終了。一部、特典の取り扱いのない店舗あり。特典の内容・デザインは予告なく変更する場合あり。
twitterこの記事をツイート

この記事の関連情報

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス